コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
かなり曲が出来上がってきた10月中旬。
ということは、そろそろるぅ💛さんと共同作業期間が終わるのだ。
寂しいっていう気持ちは大きいけど、やっぱるぅ💛さんの為には、これ以降一緒に作業しない方が安心だろう。
この数ヶ月間、本当に幸せだった。かつての好きな人、憧れの人に会えて、沢山名前を呼んでもらえて、プレゼントまで貰ったのだ。一生分の運を使い果たしただろう。
音楽のことも、るぅ💛さんのそばで沢山学ぶことがあった。
なにかお礼をしたい。もちろん、最後に会うときにも沢山お礼をしようと思うけど、それだけでは私の気が収まらない。
なにか口実がないか少し考えてみると、そろそろ「あれ」が近いことに気づく。毎年一人で家でやってるけど、今年はそれプラスるぅ💛さんに……。
想像すると私の方が楽しみになってしまう。大したことは出来ないが、るぅ💛さんは優しいからきっとそれなりに喜んでくれるだろう。
そうと決まれば今日からいろいろ考えていこう。中途半端になんないように。
そんなことを考えていると、ドアの音がした。
るぅ💛さんが部屋に入ってきたのだ。
そう、今日も曲作りの日だ。
「こんにちは!」
「こんにちは。今日は仮の仕上げの日ですよね。」
「はい。で、これが終わったらアーティストさんに一回渡して、チェックしてもらうんですよね?」
「そう。もしもオッケーが出たらこれで終わりですけど、訂正を食らったら延長です。」
「わ、わかりました。」
「そんな緊張しなくて良いですよ。訂正はよくあることですし、それに僕達が作った曲ですから多分大丈夫だと思います。」
私の曲作りを認めてくれたっていうことだろうか。そうだとしたらとても喜ばしいことだ。
……ほんの一瞬、延長してほしいって思ったのは、なかったことにした。
そして、私達は作り始めた。
私は、最後かもしれないこの二人の時間をしっかり噛み締めようと思ったが、集中していてすぐに終わってしまったような感覚だった。