「…キモw」
私には居場所がない。学校ではずっと,誰かに陰口を言われているような気がして。家ではどんくさい私に鬱陶しい,早くしろと。もう,疲れちゃったな。
~story3 これはい〇めですか?~
小学4年生の後半の事だった。あれは今思い返すと本当にバカだったと思っている。
私にはすごくお金持ちだけど性格はクズ,顔も終わってるクソ彼氏がいた。この頃の私はそんな彼が優しい♡とかいう理由で付き合った。お金目的ではないのだが,私にはなんていうか,内面を見る目がない。けどなんだかんだで結構続いた。
「あのさ,今日一緒に遊ぼう。ほかにもいるけどさ。」
小学生の遊びと言えば鬼ごっことか,そんなこと。この時の私たちも鬼ごっこをする約束をしていた。
放課後,7人ほどの子たちと市街地で鬼ごっこをすることになった。しかしこの日,私は数時間で帰らなくてはならなかったため,鬼ごっこの途中で帰った。
「あ。」
帰る途中,彼に出会った。家の壁に身をひそめる彼に。これって,鬼ごっこだよね?私は鬼から走って逃げるかっこいい彼を見たかったからやってやった。
「鬼ーーーー!!!〇〇ここ隠れてるーーー!!!!!じゃあねー!」
大声で彼の居場所を教えてやった。クラスで一番声が大きかった私の声は鬼全員の耳に入ったようだ。その時の彼の顔は死んだ魚のようだった。…これが,全ての始まりだった。
「お前まじきもい。」
その次の日から周囲の目は変わってしまった。けれど自分ではあれが悪いことだって微塵も思ってはいない。
「www」
小学生だったから,怖かったんだろうな。急にみんなの態度が変わっちゃって。友達だと思ってた子は自分を友達と思ってなかったっぽくて。本を読んでいた時に近づいたら気が散るからどっか行ってって。ほんと,変なの。
そんなのが毎日続いた。怖かった。誰も話してくれなくて,学校がつまらなくなって。かといって親には話せない。数年たっても陰口が止むことはなかった。そんな中,学校一の悪ガキに『金目当ての女』とか言われて,習い事帰りに妹と襲撃にあったこともあったな。けど,ただの陰口だから,い〇めではないよ。…そう。
「い〇めなんかじゃない。ただの悪ふざけだから,もうじき,みんな,忘れるよ。」
「…。」
時間がたつと,みんな,忘れるんだよ。加害者は。