テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
330
49
#鬼ごっこ
ゆりは
34
# 第17話
✨「写真に映る人物」✨
蜂楽は写真をじっと見つめていた。
蜂楽「これ……。」
潔「どうした?」
蜂楽は写真の端を指差す。
そこには。
本当に小さく。
誰かの姿が映っていた。
潔「誰だ?」
蜂楽「分かんない。」
でも。
確実に選手用のユニフォーム。
しかも。
その人物は。
カメラの方向を見ていた。
まるで。
撮影している人物の存在を知っているみたいに。
翌日。
潔の部屋。
いつものメンバーが集まっていた。
玲王「拡大してみた。」
タブレットを見せる。
全員が覗き込む。
千切「見覚えあるな。」
凪「ある。」
蜂楽「ある。」
潔「え、誰?」
凛が画面を見たまま言う。
「氷織だ。」
潔「氷織!?」
部屋が静かになる。
もちろん。
氷織が犯人だと言いたいわけじゃない。
でも。
なぜ写真に映っていたのか。
その疑問は残る。
その日の午後。
潔たちは氷織を探した。
練習場。
食堂。
休憩室。
そして。
屋上近くの通路。
「何してんの?」
声がした。
振り返る。
そこには。
氷織羊
氷織は少し不思議そうな顔をしていた。
潔「氷織。」
氷織「ん?」
玲王が写真を見せる。
「これ。」
氷織の表情が変わる。
ほんの少しだけ。
蜂楽は見逃さなかった。
氷織「……それ。」
潔「知ってるのか?」
数秒の沈黙。
そして。
氷織は小さく息を吐いた。
「たぶん。」
全員が固まる。
氷織「その人、俺も見たことある。」
潔「え?」
氷織「何回か。」
千切「なんで言わなかった!?」
氷織は少し困ったように笑う。
「気のせいやと思ったから。」
そして。
氷織は続けた。
「いつも遠くから見てる人。」
「黒いパーカー着てた。」
潔たちは顔を見合わせる。
同じだ。
前から見ていた人物と。
氷織「でも。」
そこで言葉が止まる。
凛「なんだ。」
氷織の表情が曇る。
「昨日、その人。」
「選手エリアから出てきた。」
潔「……は?」
選手エリア。
そこは。
選手か職員しか入れない場所。
つまり。
犯人は。
外部の人間ではない可能性がある。
その瞬間。
全員の背筋が寒くなった。
そしてその夜。
暗い廊下。
誰もいないはずの場所。
一人の人物が立っていた。
フードを深く被った人物。
その手には。
新しい写真。
そこに写っているのは。
潔と仲間たち。
人物は小さく笑う。
「もう少し。」
「もう少しで会える。」
そして。
そのフードの隙間から。
見覚えのある選手用IDカードが覗いていた。
コメント
1件
この第17話、緊迫感が一気に高まりましたね!蜂楽が写真の小さな影に気づくところから始まって、氷織の証言で「内部の人間」という新たな視点が浮かび上がる流れがすごく自然で、ゾクッとしました。最後のフードの人物がIDカードを持っている描写は想像するだけで背筋が冷たくなる…白米さんのこういう“日常の中の不穏”を描くお上手さ、めっちゃ好きです。次が気になりすぎます!