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あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!! ぢぃ゙の゙お゙ぉ゙ぉ゙‼‼
【syp視点】
「あ゙ぁーーーッ!どないしよ!!」
どうも。ワイはショッピっス。
大先生に背中を押されてチーノの部屋の前に来たんやけど、まーーー勇気が湧かんのや。
チーノの部屋からは長くて細い音が常に聞こえてくるんやけど、
泣いていたり苦しんでいたりするような声は聞こえてこうへんねん。
ホンマにどないしよ。
これが先輩とか大先生とかやったら、秒で突撃できたんかな
そんな時、
「チー_!_ヌナ!
モ__ョットデ__ケガク_カラ!ガンバレ!」
って声が聞こえてん。
ワイは耳を疑ったで。
扉越しやから正確には聞こえんかったけど、
明らかにチーノの声ではない、ぎこちないカタコトで
『チーノ!死ぬな!もうちょっとで助けが来るから!頑張れ!』
って、ワイの頭に直接語りかけるように響いたからな。
ほんで、ワイは瞬間的にドアノブを握り、チーノの部屋に踏み込んだ。
チーノは倒れる寸前やった。
アイツの手には赤く染まったカッター。
壁や床にはこんな晴天の日には合わないような赤い水溜りが。
そして、ワイの目に焼き付いたのは
今にも消えてしまいそうなくらい青白く、目の中の光に雲が覆ってしまったチーノの顔やった。
あまりの衝撃で足が止まったワイの目の前では、トサッと力なく倒れるチーノの姿があった。
__なんで?
頭の中はただ、その4文字でいっぱいだった。
リ〇カはもうしないって約束したやん。
何がチーノを苦しめてたん?
ワイに相談できなかったん?
「____ピ!」
「ショ__!」
ut「ショッピ!!」
大先生の声でハッと我にかえる。
syp「大…せんせ…」グスッ
気がつくと目から涙が出ていた。
大先生はワイのただならぬ雰囲気を感じたのか、ワイの視線の先に目をやった。
ut「ッ!
ヂー゙ノ゙ッ゙!!」
「ペ神ッッ!!緊急ッ!チーノの部屋!」
大先生はインカムでペ神さんを呼べば
アイツの腕から流れ続ける赤いものの止血を行っていた。
あれやこれやとやっている内に、大先生からも雫が落ちるようになっていった。
少しすると、ペ神さんが医療班と共にチーノの部屋にやってきた。
すぐにチーノを担架ベットに乗せ、ペ神さんは的確な指示を出しながら手術室へ向かっていった。
…ワイは何もできんかった。
なんて無力なんだろう。今までの訓練も、努力も、知識も、いざとなる時に使うことができなかった。
あぁ。本当に無力や。
そりゃそうよな。こんなワイをチーノが信用するはずない。
相談できるはずがない。
大先生はこんな時でも応急処置を施して、助けを呼んで、最善と言える行動をさぞ当たり前かのようにしていた。
ペ神さんは素早い状況判断、的確な指示、医者として流石としか言いようがない。
動かなきゃいけないのに、動けず、ひたすら涙を流して棒立ち。なにか役立つようなことをしたか?
否、何もできなかった。
…。いや、したくなかったんや。
チーノが倒れたこと。
追い込まれていたこと。
…助けられなかったこと。
全部全部、信じたくなかったんや。
アイツとは同期で、よく優等生、劣等性なんて言われて比べられてきた。
その度アイツは
ci「はは。どんなに努力したって劣等性は優等生には追いつけませんよね〜笑」
なんて、取ってつけたような笑顔で返していた。
思い返せば、比べられる度に辛そうな顔をするアイツが脳裏にこびりついていた。
周りから見たら、普通に見せる顔だったのかもしれない。
だが、いつも側におるワイにしか伝わらん事もあったはずや。
ワイに、アイツの隣に居れる資格はない。
そんなことを思えば、余計に涙があふれてくる。
その瞬間、ふわっと暖かいものに包まれた。
ut「お前は頑張ったで。辛いなぁ。分かるで?今は満足するまで泣きや。」
俯いていた顔を上げると、ぼやけた大先生の顔が見えた。
…安心する。
ワイからはさらに大粒の涙が頬を伝った。
syp「ゔぅ゙ッ…!だい゙、せん゙せ…ぇッ!
ワイは…、ッ゙ワイ゙はどゔ、したら…」
ボロボログスッ
ut「きっと…。チーノにも、なにか、理由があったんやろ、な。…起きたら、話しような。」ズビッ
大先生も泣いていたのか、鼻をすする音が聞こえた。
そうか。この時、辛いことは共有すればいいのだ、と学んだ。
アイツが起きたら、一緒に辛いことも乗り越えられるようになろうと誓った。
今日はチーノが倒れた。
アイツはワイを置いて逝かないと思う。
だから、帰ってきてくれるって信じとる。
起きたら、一緒に乗り越えよう。
…どんな結末になってもワイはアイツから離れんで。
どんな選択をしようと、一緒や。