テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
設定知らなくてもぎりっぎり楽しめるっちゃ楽しめるオリカンヒュのお話。
大前提として、主人公はダバス大連邦です。
ダバス大連邦の幼少期ですね。
______1910年、ヘルトグラード
(現:ハイグサントブルク)にて。
俺は今、あのくそ親父から逃げるために庭の椅子に適当に座っている。
なぜ庭なのかって?
すこーしイタズラしたんだ。
とある情報をラフグ王国に流しただけさ。
まぁ、おかげで親父はラフグ王国に絶対勝てるところからラフグ王国の国境線維持の和平を結ぶことになったらしい。
ざまぁみやがれ、クソ貴族が。
……あ?俺も貴族なのか?
まぁ…いいか。
そして、俺はそれがバレて殴られて宮殿内からの外出を禁じられている。
……殴るだけで済んでよかった…というべきか。
庭しかなかったにしても、流石に寒いな。
「……チッ…あのくそ親父…」
そう悪態をついていると、どこからか迷い込んだのか犬が足元にすり寄ってくる。
「……ははっ…どーした、お前。」
不思議と笑みが漏れた。
その犬を、できるだけ優しく撫でる。
「……暖かいか?」
小さい鳴き声が返ってくる。
「…ははっ…俺もだよ。」
警戒を怠ったのか、後ろから嫌な声で話しかけられる。
「…なにをしてるんだい?」
反射的に振り返ると、例のくそ親父がいた。
「っ……お父さん。」
……この男、ザクス帝国。
この男のなによりも面倒くさいところがお父様と言わなければ殴ってくるのだ。
まぁ、なんとか直談判してお父さん呼びで事なきを得たがな。
「…おや。なぜこんなところに穢らわしい獣がいるんだい?」
一気に血の気が引いた。
俺ならまだしも…こんな……
「っ……」
親父が、俺の方を見て目を細める。
「……あぁ、あの件のお仕置きの続きがまだだったね。」
その一言で、なんとなくわかった。
「っ……まっ…待って…くれッ!」
反射的に立ち上がった。
「いやっ……あのっ…俺ッ!俺が、受ける…から…」
特に、何も考えてなかった。
とにかく、逃したくて。
反射的に。
親父が、口角を上げる。
「…そうか。こちらへ来なさい。」
「っ……はい。」
声が詰まる。
手首をつかまれて、引かれる。
…あぁ…でも、これで…犬は……
_____ダンッ
嫌な、低い轟くような音が聞こえる。
「………は、…?」
唖然とした。
時が止まったように感じた。
あぁ、見たくない。でも……
チラリと犬がいた方に目を向けると、草が、地面が、赤く染まっていた。
「…はっ…?え…?……ぇ…?なん……ッ」
強く、手を引かれた。
「さぁ、行こうか。」
「っ……お父さッ……なんで……」
親父が、振り返る。
「…なぜ?私は別に犬を生かすとは言っていないよ。」
「っ……」
親父の語気が強まる。
「早くしなさい。」
「………は…い…」
……Воцель, павофка.
_____5日後_宮殿内部、図書室にて。
……あ゙ー…身体が重い…
流石に1日を治癒に当てんのはきつかったな…
裾を少し捲ると、手枷の嫌にグロい跡が見える。
つか、手枷の跡まだ残ってるし…
クッソ…
あーーー…いってぇ…
……図書室、久々に来た気分だ。
…実際、久々か。
えーっと…
「……あ、あった…」
そうつぶやいて、目的の本を取ろうと背伸びをする。
「っ……とどかな…」
後ろから、白い手袋と黒い軍服の人物にその本を取られる。
「っ…!」
……ゲッ…最っ悪なタイミングに来やがった!!
「やぁ、回復するのが早いね。
2日は掛かる想定だったんだけどな。」
そう言いながら親父は俺に本を差し出した。
「……」
…4日間も地下室に監禁しとしてそれかよ。
こちとら昨日一日中動けなかったんだぞ。
ほんっと、癪に障る。
親父が、俺を見下げる。
「?……」
俺が怪訝な顔をしていると、親父が俺の手首を取る。
そして、袖を強引に捲くる。
傷に触れて、痛みが来る。
「っ……!」
そんな俺もお構いなしで、傷口や跡を指先でなぞる。
「あぁ…まだ、跡や深い傷は残っているんだね。ただ…傷はもう塞がりかけか。」
具合を確認するように角度を変える。そのたびに傷が痛む。
「…さすが、私の息子だ。」
こいっつ…人の気も知らないで…
「っ……まぁ…」
「ふふっ。」
……気色わりぃ…
「さぁ、本を探しに来たのだろう?好きなだけ持っていくといいさ。」
「……あー……うん…」
……情緒不安定かよ、こいつ。
______1913年 4月29日、ダバス大連邦の書斎にて。
くそ親父から渡されたクソみたいな仕事の資料を読んでいると、電話が鳴る。
「……チッ…誰だ、こんな時に。」
不機嫌に受話器を取る。
「誰だ。10秒で用件を言わねぇと切る。」
ザッ…ザザッ……
「あ?聞こえねぇよ。」
受話器の奥から、ノイズ混じりの低く切迫した声が聞こえてくる。
『___…Сири, Проза.』
その言葉に、目を見開く。
……こいつはアホなのか。
死にたいのか?
流石は赤栄軍の最高幹部様だなぁ、おい。
チラリと、書斎の扉に目を向ける。
そしてため息をつく。
「……はぁ…その名はよせ。蜘蛛の巣にかかるぞ。」
……受話器の奥。かすかにだが確かに混ざるジッ…ジジッ…という、嫌に不自然な回線ノイズ。
…今ので、誰かが盗聴線を接続しやがったか。
チッ…面倒くせぇ。
『なに、冗談さ。』
「冗談…ね。嫌な冗談だな。」
怪訝な声をしているのが伝わったのか、相手が本題に入る。
『ところで、お茶会をしようと思うんだ。来るかい?』
……お茶会…ね。
目を細める。
「……あぁ…茶は大好きだ。珍しい本でも複数持っていこうか?」
相手の声が返ってくる。
『なんの本だ?』
「なに、ただの帝国昔話さ。」
『……いいじゃないか。』
…あとは……あぁ、そうだ。
「砂糖かジャムはいるか?」
『いや、結構だ。』
「…そうか。」
『さて、いつにする?』
…怪我の具合から見て…明後日くらいならいけるか。
「明後日なら空いてるぞ。」
相手がメモを取るように少し間を置く。
『分かった。その日にしよう。』
『楽しみにしているよ。いい茶葉を用意しよう。東産のね。』
「……おう、切るぞ。」
ガチャッ…ツー…ツー…ツー…
……っしゃ…!
東産ってことはヘルトグラードの東郊外か?
俺も誘われてるしな。
誰が来るだろうか。
レイログ同志とかも来てくださるだろうか…
______1日後_図書室にて。
機密情報や文書を挟む本を選んでいると、後ろから声をかけられる。
「やぁ。」
……本当にうぜぇ…
「……お父さん。」
嫌々振り返ると、案の定いた。
「また本か?好きだね。」
「……まぁ…昔話とか、政治本とかは…まぁ…」
親父が目を細める。
「…へぇ……お茶会にもっていくほどか。」
っ…!
……いや…落ち着け。
この暗号はまだバレてない。
「あぁ。他の貴族とかにもこの帝国の素晴らしさを教えたくてさ!」
……流石に無理があっか?
「……へぇ…」
…親父がへぇって言うときは大概、なんか疑ってるか考えてるときだ。
……くっそっ…
怖え…
十数秒間、無言が続く。
「……まぁいい。文学が好きなのはいいことだ。」
怪訝そうにそう言って、親父は踵を返す。
っ……よかっ……た…
……ただ、流石に疑われてんな。
くそっ…
想像以上に早えっ…
_________ザクス帝国、執務室。
ザクス帝国が受話器へと落ち着いた口調で語りかける。
「___…あぁ、そうだ。5月1日にヘルトグラードの東郊外に秘密警察を張り込ませておけ。」
電話先の相手が問い返す。
『郊外ですか?』
「あぁ。」
『なぜ?』
「____…赤いネズミの下っ端から、面白い情報を貰ってね。」
そう、笑い交じりに言い放つ。
1話目終わりです。
質問があればお答えしまーす
Пока-пока. ))
コメント
6件
わ、ぁ。 むずかしぃ言葉ばっかだなぁ…( ᐛ ) 僕にはまだ早かったようだ☆
語彙力高すぎませぬか、好きです、
「俺もだよ」って犬に返すところ、すごくグッときました…。父親に犬を♡♡♡れるシーンが辛すぎて…主人公の無力さとトラウマが重すぎる…。革命の暗号のやりとり、緊張感やばかったです!続きすごく気になる…
#カントリーヒューマンズ
京香連邦⛩️📚️🖋️
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