コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翌日。
今日は高杉と食堂で昼食。
注文したモノをトレイに乗せて座る席を探す。
うちの食堂はどこかしら満席になることもなく、注文するとこが入口だからそのまま注文して適当に座るとこを探すことが多い。
「早瀬。どこ座る? 相変わらず女子社員が空いてる席勧めて来てるけど。よりどりみどりでいつもながら選ぶの大変だよな」
これはいつものことで。
オレだけじゃなく高杉も結構仕事が出来て目立つ存在ではあるから、オレと同じように騒がれる対象ではある。
まぁオレ程ではないけど。
「この前オレ選んだから、今日早瀬選べよ」
高杉は女子社員とのコミュニケーションも大事だと言って、誘いがあると大体その日の気分で乗っかってその空いてる席を選ぶこと多くて。
まぁ自分もそれに付き合って座るという感じが大体で。
でもたまに酷いアプローチされることもあって、その時は失敗したっていう席もあって、オレが選ぶ時は大体そういうのがない空いてる席を選ぶ。
今まではそれでも良かったけど、今は透子いるし、もしそれ見て誤解されてもまた面倒だし。
そう思ってたら・・透子発見。
ツイてる~オレ。
たまたま隣空いてるみたいだし、すかさずそこへ向かう。
「あそこは? プロジェクト一緒の二人いるし。意見交換しとかない?」
「おっ。ホントだ。それいいね。そうしよう」
高杉悪い。
まだ今は彼女とのこと言えなくて。
でも高杉は仕事関係だと乗っかってくれた。
「お疲れ様です」
「あっ! お疲れ様です」
そして透子の座ってる場所へ到着して、まずは一緒にいる三輪さんに声をかける。
「隣空いてます?」
「あっ、空いてます!どうぞ!」
とりあえず手前に座っている三輪さんに確認して、透子と向かい合わせに座る。
「お疲れ様です。望月さん向かい大丈夫ですか?」
だけど、目的の相手はまだ挨拶してくれなくて。
あえて直接声をかける。
「あっ、お疲れ様です。はい。どうぞ」
「そっちの2部はプロジェクトのアイデア進んでます?」
まずは隣の三輪さんとプロジェクトの意見交換。
「色々アイデア出してはいるんですが、検討中のモノも多くて~。でもこっちは望月さんいてくれるんで、もう困ったときは全部アドバイスしてもらって助けてもらってます~」
「へ~。さすが。じゃあオレも困ったときアドバイスお願いします、望月さん」
さすが頼りになる。
やっぱりこういうとこ素直に憧れる。
オレももし直属の後輩だったら、直接指導とかしてもらえてたのかな。
そうだったらどんな感じだったんだろう。
もっと早くに今みたいな関係にまで持って行けたりしたのだろうか。
それともこんな風にはなれなかったのかな。
いや、それだと意味ないんだよな。
オレが認めてもらえるくらいの立場になって、彼女の前に現れることに意味があったんだから。
「いやいや。早瀬くんこそ若手エースだし同じリーダーとして頼りにしてます」
ホントにそう思ってくれてるのだろうか?
でも、なんとなくこの笑顔は素直に言ってない感じだよな。
「じゃあ、憧れの望月さんにもっと頼りにしてもらえるよう頑張らないと」
だから、オレはそれに負けじと対応。
これはオレの本音。
いつでもオレはあなたに頼りにしてもらいたいから。
「やっぱり素敵~」
すると急に三輪さんが何かに反応。
「ん? 三輪ちゃんどした? 何が?」
「え~やっぱりリーダー同士お似合い!」
おっ!そこね。
うんうん。三輪さんわかってるね。
「だって~ホント二人共うちの会社でもずば抜けた容姿端麗の男性社員と女性社員の代表じゃないですか~。もう二人一緒なだけで絵になるっていうか~」
「あっ、それわかる!オレもこいつの外見も中身も完璧なイケメンぶり腹立つくらいなんだよね~。それに加えて社内の高嶺の花の望月さんと並んでる姿はさすがにちょっと似合いすぎてて、オレでも見てて腹立つの通り越して見惚れることあるもん」
「ですよね~!」
うん。高杉もよく言った。
そうだろう、そうだろう。
まぁぶっちゃけそこは否定しない。
高嶺の花の透子の隣にいても釣り合わないとか言われるレベルでもないのは自覚はしている。
だからそれをこうやって改めて言われると照れくさいけど、オレの自信にも繋がる。
正直そんな相手に最初からそう思ってたわけでもないし、年齢的にも全然釣り合わないとか言われてもおかしくないくらいだけど。
透子に釣り合うのはもっと大人で完璧な男だとか耳にしたこともあるけど。
現に前の男はそういうヤツだったわけだし。
オレ的にもあの二人は悔しいけど似合ってたから嫉妬もしてたわけで。
だから、そういうのには一番オレがホントは敏感なわけで。
わかってるからこそ、だからオレは透子と釣り合えるだけの非難されないほどの自信と実力を兼ね備えて来た。
今はもう誰にも何も言わせない。
「まぁ高嶺の花の望月さんと釣り合うのはオレくらいだしな~」
だから今は言わせてよ。
堂々とあなたがオレの彼女だと言えない分、せめてこういうとこだけでもその気にさせてよ。
今はそんなカタチで隣にいれるだけで、そんな存在だと言えるだけで嬉しいんだから。