コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「こういう嫌味なこといってもホントにそうだからムカつくんだよな~こいつ(笑)」
「私そんなすごくないから」
だけど相変わらず謙遜する透子。
まぁそうなるよな。
「もう望月さんそういうとこがやっぱ素敵なんですよね~」
うん。ホントに。
きっとこういう人だから、この人はこんなに魅力的なんだと思う。
「でも~望月さんずっとお付き合いされてる彼氏さんとずっとラブラブみたいですし実現しなくてホント残念です~」
・・・・・・は????
えっ、ちょっと待て。
何の話、どういうことだ??
三輪さんがそう言うってことはそういうこと??
ってか誰のこと?
透子にはそんな相手誰もいないはず。
だけど三輪さんにそれ嘘ついてるってこと?
何のために?
それともホントはオレに隠してるそういう存在が実はいたとか?
いやいや、あり得ない。
てかなんだよ。ずっと付き合ってるって。
ずっとラブラブってなんだよ。
例えそれが誤解や違ったとしても、すげー嫌だ。
透子にそういう存在がいると思われてるのがすげー気に食わない。
今の透子の彼氏はオレなわけで。
透子がラブラブだとか、仮でそういう風に言ってるとかすげーモヤモヤする。
オレとはまだ一切そんなことしてくれてないのに。
そんなとこ見せてもくれてないのに。
ホントはそういうことベタベタする感じなわけ?
どうやったら透子のラブラブが成立するわけ?
うわーなんだよこれ。
何ブッコンでくれてんだよ。
実現しないって実際オレが彼氏なんだよ!
あー!言いてぇ!!
ホントのこと今すぐここでぶちまけてぇ!
「へ~~~。望月さんってラブラブなずっと付き合ってた彼氏いたんですねー?」
思わず気持ちが収まらなくて、あきらか嫌味な言い方で透子に告げる。
「え~、えっと、それは~・・」
透子をじっと見てると、明らかに動揺して困ってる様子。
なんだよ、やっぱ違うんじゃん。
そういうのは透子隠せないんだよな。
だけど、オレという存在がいるのに、そういうことを平気でそのままにしてるのがムカつく。
ちゃんとオレと付き合ってるってこと自覚してよ。
なんでそんな軽く考えてるわけ?
確かにそういう風にしておけば近寄って来る男は少ないかもだけど、案外こういう時ツッコまれると弱いんだからさ~。
すぐにボロ出してバレるのがオチなんだよ。
そういうとこ、この人気付いてないんだよな~。
オレはそう伝えてもまだ苛立ちが収まらなくて、透子をじっと見つめ続ける。
「え~、やっぱ望月さん彼氏さんいるんですね~! だよな~!こんな綺麗な人絶対周りの男放っておかないもんなー!」
すると高杉が隣で傷を上塗りしてきやがる。
だからー! それオレなんだってば!
そうなんだよ。
普通ならそういう認識なんだよ。
普通なら皆狙いたくなるような対象なんだよ。
なのに、透子はまったくわかってない。
「ホントこんな人独り占め出来る彼氏が羨ましいよなーーー」
そしてオレはさっきよりももっと嫌味全開で棒読みでデカい声で呟く。
ねぇどういうことかわかってる??
嘘でもこんなこと聞かされて気分いいはずないでしょ。
せっかく会えて喜んでたのにさ・・・。
やっぱ皆にバラさないって選択誤ったか?
やっぱ皆に言う方がオレ的にはすげー安心するしイラつかずに済む。
だけど、透子はこうやって何かあったら困るんだよな。
あー、なんで仕事出来るくせにこういうとこ疎いかな。
もっと自分の美貌と価値認識してよ。
だからこの人放っておけないんだよ。
もうどっちが年上かこれじゃわかんないよ。
まぁだから守ってあげたいって思えるんだけどさ。
こういう時、結局すぐ守ってあげたいって思うし、これ以上困ってる顔も見たくないって思う。
透子にはいつもカッコよく笑顔でずっといてほしい。
そしてまだこの状況に戸惑っている透子にこっそり周りにバレないように携帯でメッセージを送る。
『話ある。今日夜行っていい?』
これはもう直接話聞かないと気が収まらない。
ちゃんと説明してもらわないと納得出来そうにない。
ちゃんと言い訳出来る状況作ってあげるから。
だからオレが納得できるように説明してよ。
メッセージを送りながらそれからずっと透子の様子を黙視する。
そして恐る恐るオレをこっそり確認して、困っている透子。
オレの気持ちが伝わるように、こっそり視線が合うと同時に笑いかける。
嫌味たっぷりに。
だけどこの目からはオレの苛立ちが伝わるように。
ちょっとはオレのこの気持ち理解してよ。
すると、そんなオレの様子を見て、即座に目を逸らす透子。
『わかってるよね?オレが何言いたいか』
だからオレは続けてメッセージを送る。
『承知しております・・・』
ふ~ん。
一応わかってはいるんだ。
『ご飯食べるよね・・・? 何がいい?』
てか、話逸らされた。
そう来るか。
食べるのは食べるけど。
『食う。なんでもいい』
今はそんなことどうでもいい。
先にこの話を片付けないと。
『わかった。適当になんか作るね』
でも、そう言われてちょっと一瞬喜んでしまったオレも甘いよな。
『とりあえず今日ちゃんと夜話聞かせて』
『了解です』
メッセージを確認しながら、すかさず透子への視線を外さずにいると、また気まずそうにこっそりオレを確認してくる透子。
ふぅ~。
まぁそろそろ許してやるか。
問い詰めるのはまた夜にでも。
「じゃあ高杉行こうか」
そして透子から視線を外して高杉に声をかける。
「あぁ、そうだな。もうこんな時間か」
「じゃあ、望月さん、”また”」
最後にまた嫌味を言ってしまうオレ。
大人げないよな。
だけど透子の彼氏になるってそういうことでしょ。
「あ、はい。また・・・」
一応周りにバレないように今回は透子に対しても嘘の笑顔で嫌味っぽく返す。
今までの営業の経験とかこんなことで役立ってほしくもないんだけど。
「三輪さんもまた」
「はい!また!」
三輪さんにはあえて自然な笑顔で。
あぁ~オレどこまで嫌なことするんだよ。
こんなことしたって透子も嫌な気持ちになるだけなのに。
別に不安にさせたいワケじゃない。
透子には笑顔でいてほしい。
オレが笑顔にさせたい。
だけど・・・。
こればっかりは自分でも抑えられない。
今回のことで自分自身こんなにも嫉妬深かったのかと思い知った。
前の男の存在の時は、まぁ仕方ないと思えるくらいの嫉妬だったけど。
でも今は完全にありもしない状況にいない人物に嫉妬してるオレ。
これってオレがどうかしてるってこと?
いや、普通でしょ。
どんな存在でも透子が他のヤツのモノとか思いたくない。
それが実在していても架空だとしても。
はぁ~こんなの経験したことないんだけど。
なんなんだよこの嫉妬深さ。
ここまで来ると透子にも嫌がれられるの目に見えてんじゃん。
でもこればっかりはどうしようもない。
それだけ透子が好きだからこそ、この嫉妬も苛立ちも無くならなくて。
どうしたら、どこまでいけば、オレ納得するんだろうな・・・。