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2,008
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無駄に長い終礼の時間が終わるチャイムが鳴り、すちは元々準備していた教材を革鞄に入れて椅子を逆さまにして机の上に乗せた。
そしてユニフォームが入った袋の紐を肩に掛けて持ち掃除用具箱へ向かった。
桃『 すち !今日 暇 だから 部活行ってい − ? 』
翠『 いっつも 帰るか 美術部寄るのに 、珍しいね 。 』
桃『 いや − 今日 は 野球部 に 行ってみたい気分 。 』
翠『 別 に 特別 な こと は しないんだけどね 。いいよ 、見るだけなら 別 に いいから 。 』
桃『 ありがと ! 』
なにも部活に入っていないらんは今日はすちの部活へ行くようだった。
らんは時にはすぐ帰ったり、それか知り合いの部活に入り浸る。
今日は野球部に行く気分だったというだけのこと。
翠( 特別 、俺 を 思ってっていう訳じゃない 。 )
翠( ただ の 暇潰し 代わり なんだから 、ガチ に なったら 俺 イタい奴じゃんか 。 )
すちは目尻をくぃと上げて顔を歪めた。
知っている、知っているがその事実がとても苦しい。
翠『 俺 今日 掃除しなきゃだから 廊下 で 待ってて 。 』
桃『 うん 。 』
桃『 … … 。 』
瑞『 寂しいの ? 』
桃『 ぅわ っ !? 』
桃『 こさめ … 。 』
突然らんの背後に回って来たこさめにらんは酷く動揺した。
瑞『 らんくん すちくん の こと 好きなくせ に − 。 』
桃『 … 好きじゃないよ 、別 に 、彼奴 は 友達 。 』
桃『 彼奴等 は 友達 で あって 恋愛対象 って 訳じゃない 。 』
瑞『 そうなんですね ~ … 。 』
らんは落ち窪んだ瞳で身体の力を抜いた。
まるでなにかに解放されたかのように。
いつもの明るい表情ではなく悲しそうに顔を歪ませる。
桃『 ていうか こさ 他学年だよね 、他学年 は 来ちゃいけないと思うけど 。 』
瑞『 囲碁将棋部 行くついで に 。 』
桃『 100 ぱ − 幽霊部員だろ 。 』
瑞『 す ぅ − っ 、正解 。 』
桃『 終わりじゃねぇか 。 』
自身よりも背の高いこさめの肩に頭を乗せるらん。
こさめは慣れたように肩を貸していた。
瑞『 らんくん どんな人 が タイプ − ? 』
桃『 身長低い巨乳 。 』
瑞『 えぐ 。 』
そんな調子ですちが来るまで話し続けていた。
すちが掃除を終えてらんの元に来てからこさめは帰宅しらんはいつもの表情に戻して野球部へ向かった。
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桃『 ユニフォ − ム姿 新鮮 ~ 。後 で 撮らせて − 。 』
翠『 いいけど 、そんな に かな 。 』
桃『 うん ! かっこいい !! 』
翠『 … そっか 。( 微笑 』
スマートフォンを取り出してそう求めたらんに対して疑問を持つすち。
らんはそんな様子のすちに頬を少し紅潮させて笑みを浮かべる。
すちは赤くなった耳を手で隠して微笑んだ。
翠『 らんらん は そこ の ベンチ 座ってて 。 』
桃『 おっけ − ん 。 』
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真昼間であるからか太陽が強く照り付けていた。
そんな太陽の下でらんは持っている荷物で暑さを凌ごうとしていた。
桃「 せめて 帽子さえ あればな … 、水 も もうなくなんじゃん 。 」
桃「 … 水 取ってこようかな 。 」
らんは野球部の練習風景を眺めながら皮膚に汗を滲ませていた。
桃「 よく長袖 で 練習できるな … 。 」
溜め息を吐いて桜色の瞳に快晴の群青色の空が映る。
再び野球部の練習風景を眺めると先程まで居た数人が居なくなっていた。
その中にすちも入っているようだった。
桃『 どこ行ったんだろ 、 』
桃「 すち … 。 」
翠『 大丈夫 ? 』
桃『 ぅ “ わ ッ !?!? 』
小さくすちの名前を呟いた次の瞬間後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、らんは酷く驚いた。
その反応にすちは『 酷いな 』と苦笑しながららんの隣に座った。
翠『 はい っ 。 』
桃『 ん ッ 、なにこれ 、スポドリ ? 』
桃『 これ すちのじゃないの ? 』
翠『 そうだけど 、らんらん 辛そうだったから 。( 撫 』
桃『 … ありがと 。( 微笑 』
翠『 それと っ 、 』
桃『 ぅ お っ 、 』
すちはらんの頬に冷たいスポーツドリンクをあてて、優しく頭を撫でた。
らんは幼なげに照れながら微笑んだ。
すちは満足したように笑ってから付け加えるように被っていた帽子をらんに被せた。
桃『 熱中症なるよ !? 』
翠『 らんらん が なる より マシかな 。 』
すちは汗で濡れた顔を着ているユニフォームで拭き小さく息を漏らした。
そして首元の布を指で緩めさせ前後に動かした。
桃『 … 、お前 いい彼氏 に なれるよ 。 』
翠『 それ褒め言葉 ?( 笑 』
桃『 褒め言葉 − 。( 笑 』
桃『 もう行きなよ 、練習 サボってらんないでしょ ? 』
翠『 んふ っ 、そうだね 。( 笑 』
翠『 またね 。( 撫 』
桃『 うん 。( 笑 』
らんは小さく手を振り練習に戻るすちの背中を眺めた。
桜色の目を強張らせて
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コメント
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すっちー優男~! しれっとしてんのが神! 続き楽しみすぎる!