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こんにちはー!!
今回はリクエストのknkzで、書いてて凄く楽しかった〜✨️✨️
余裕めの叶が好きです(笑)
叶『』葛葉【】
配信が終わったあと、部屋に残るのは機材の熱と、まだ抜けきらないテンションだけだった。
モニターに映る「配信終了」の文字を閉じて、葛葉は大きく息を吐く。
【……今日も無事終わったな】
『無事、ね。数字も反応も、ちゃんと“クロノワール”だった』
叶は椅子の背にもたれながら、スマホを置く。その声は配信中よりずっと低くて、柔らかい。
葛葉はそれを知ってる自分に、少しだけ胸がざわつく。
【表ではさ、俺らずっと“完璧な相棒”だもんな】
『裏でも相棒だよ。……それ以上なのは、今は僕らだけが知ってればいい』
叶が立ち上がって、葛葉の前にしゃがむ。目線が合う距離。
配信では絶対に交わらない沈黙。
【……こういうの、バレたら終わりだろ】
『終わらせないよ。僕が選んだ“リアル”だもん』
指先が葛葉の手首に触れる。逃げ道を塞ぐみたいに、でも強引じゃない。
葛葉は目を逸らしながら、苦笑した。
【ずるいんだよ、そういうとこ】
『知ってる。だから好きなんでしょ』
VTuberという皮を脱いだ夜。
名前も設定も一旦置いて、ただの二人になる時間。
【……明日も、クロノワやるか】
『当たり前。表は表、裏は裏。全部ひっくるめて、僕らだからね』
配信では見せない距離で、見せない顔で。
それでも確かに続いていく“くろのわのリアル”。
部屋の照明は落としたまま、モニターの待機画面だけが淡く光っている。
その明かりに照らされて、叶の表情は配信中よりずっと素直だった。
『葛葉、さ』
【なに】
呼ばれただけなのに、心臓が一拍早く鳴る。
その反応を、叶は見逃さない。
『今日のコラボさ、最後ちょっと無理してたでしょ』
【……見てたのかよ】
叶は小さく笑って、葛葉の前髪に触れる。
配信では絶対にしない仕草。
『声、ほんの一瞬だけ低くなった。疲れてる時のやつでしょ?僕知ってるんだから』
【配信者として失格だな】
『恋人としては満点』
その言葉に、葛葉は完全に黙る。
VTuberの仮面を被ってる間は、どんな感情も“演出”にできるのに。
こういう言葉だけは、どうしても耐性がつかない。
【……俺さ、怖いんだよ】
『何が?』
【この時間が、全部“なかったこと”になるの】
叶の手が止まる。
一瞬だけ、空気が張り詰める。
『ならないよ』
【根拠は?】
『僕が葛葉を手放す気ないから』
即答だった。
ビジネスでも、相棒でもなく、もっと個人的で身勝手な理由。
『クロノワールが終わっても、配信をやめても』
『葛葉が葛葉でいる限り、僕は隣にいる』
【……それ、重いって言われない?】
『言われても直さない』
叶は立ち上がり、葛葉を抱き寄せる。
カメラに映らない距離、切り抜きに残らない体温。
【……明日、普通に絡めるかな】
『絡めるよ。むしろいつもより自然かも』
【は?】
『だって今、ちゃんと本音で喋ったでしょ』
葛葉は叶の胸に額を預けて、小さく息を吐いた。
【VTuberってさ、リアルがないって言われるじゃん】
『あるよ。ただ、見せてないだけ』
【……俺らのこれは?】
『一番リアル』
配信外、深夜。
誰にも見られない場所で、くろのわは確かに続いていく。
コメント
1件
ありがとうございます!!! 本当に最高です!最高の1日になりました!!!