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本気にさせたい恋

71 - 第71話  愛しい不意打ち①

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2024年09月21日

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翌日。

昨日透子と約束していた約束の時間まであと数十分。

会議室でブランドの関係者である、いとこの栞と透子を待つ。


「栞。ありがとう、あのネックレスちゃんと透子に渡せた」


オレの細かすぎる注文を理想通りの形に仕上げてくれた栞。

そのお礼と報告を改めて栞に伝える。


「ホント!? ちゃんと樹くんの想いは届いた?」

「あぁ。うん。ようやく。ってか彼女もオレが好きだって言ってくれた」

「よかった! じゃあホントに樹くんの願い叶ったね」

「なんかまだ信じられないけどね。あの透子がオレのこと本当に好きになってくれただなんて」


あまりにもオレの想いが大きすぎて、今更幸せすぎるそんな状況、まだ夢みたいに思えて。


「そっ? 私はもう透子さん、ちゃんと樹くんのこと好きになってるんだなぁって感じてたけど」

「は?どこで?どうやって?何で!?」


えっ!? なんで栞がそんな風に思えるワケ?

オレなんかずっと確信持てなくて自信もなかったのに。


「だって私と一緒にいるとこ見て信じられないからって透子さん距離置いたワケでしょ」

「まぁ」

「それって元々興味なかったら別に気にすることじゃないでしょ。それだけ樹くんのこと好きだから信じたいけど信じられなくてツラくなってたんだと思うよ」

「えっ? そんなもん?」


じゃあ、あの時すでにそこまでオレをもう好きになってくれてたってこと?

なんとなく、前よりかはオレのこと意識してくれているんだろうなとは思ってた。

だけどそれがどこまでかわからなくて。

結局あの時、そこまで好きじゃないから、こんないい加減なオレを信じられなくて、付き合いをこのまま続けるのがツラいからだと、そんな風にも思った。


「樹くんはさ、今まで本気の恋愛したことなかったから、そういうのもわからなかったんだろうね」

「なんだよそれ・・・」

「女ってさ、そういうとこあるのよ。男みたいにただ気持ちや欲望だけでずっといたいとかずっと掴まえてたいとか、そういうのってなかなか出来なかったりするんだよ」

「そうなの? オレはどんなことがあってもホントはずっと一緒にいたかったけど。放っておくと、またオレから離れて行きそうで怖かったし。オレ的には別に疑われることも何もしてないし」

「それは樹くんは男だから。でも、透子さんも今までの樹くん見てそこまで信じること出来なかったんじゃない?」

「でも透子と出会ってからはオレ透子一筋だったし」

「それはそうだけど。でも、透子さんと出会うまではまぁいい加減だったワケじゃない。それに、最初だって透子さん一筋でアピールしたワケじゃないでしょ?」

「いや・・それはさ。そんなオレだったから最初から伝えても信じてもらえなかっただろうし」


なんか自分で言ってて情けない。

本気の相手に最初から信じてもらえる自信ないとか、オレ今までどんな生き方してきたんだよ。


「だから私と一緒にいるとこ見て透子さん不安になったんじゃない?」

「あっ、そういえば・・・。透子、ずっと他に好きな人いるってまだ昨日まで思い込んでた・・・」


そうだ。

だから透子あんな不安そうに・・・。


「樹くんその時に伝えておけばここまでこじれることもなかったんだよ。透子さんも樹くんがずっと想ってる人を忘れられてないならって好きでいれる自信なくなったんだと思うよ」

「確かにそういう感じのことも言ってたような・・・」

「女はさ、自分一人愛してほしいんだよ。誰かの代わりとか嫌なんだよ。それはその人本気で好きになったなら尚更」

「いや、オレはずっと透子だけだし!」

「樹くん。それ透子さんに全然伝わってないよ? 結局それ伝えたのもどうせ昨日とかでしょ?」

「あぁ、うん・・。透子が勘違いして、ずっと報われない想いしてる相手は透子だってわかってなかったから、ようやく・・・」

「はぁ・・。そんなことだろうと思った。そもそも樹くんの始め方がやっぱ問題」

「何が」

「最初から誰かの代わりとして透子さんとの関係を始めたってことが」

「それはただ一つのきっかけとして仕方なく・・」

「はぁ? そんなのただの言い訳だよ。透子さん的には最初から誰かの代わりで始めた関係っていう認識しかないんだからさ。それって樹くんのこと好きになればなるほど、その事実って苦しくなるんだよ」

「でも透子も最初は恋愛する気なんてなくて、とにかくオレを好きにさせるのに必死で、オレを意識してくれるならそういうのオレ的にはどっちでもよかったっていうか」

「まぁ今までの樹くんだとそうなるよね。女性の気持ちなんて一切考えてこなかったんだから」

「お前、言い方・・・」

「まぁそれがきっと原因だよね。誰かの存在ってどうやったって超えられない不安になったりしちゃうしさ。いくら言葉で伝えても結局は見えてるモノや現実を見ちゃう。しかも今まで聞いて来た樹くんのアピール方法では、そりゃ透子さん信じられなかったはずだよ。実際しばらく恋愛自分から遠ざけてたんでしょ? それが年下のいい加減な付き合い方してきた男とだなんて、透子さんもそりゃいろいろ葛藤してたと思うよ」



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