ー春菜視点ー
「ーー!」
「ーーーー! 」
あれ、誰の声…?瞼が重くて開かない…
「ん、 」
「春菜!? 」
「香子…?」
「もぉ!ほんとに、ほんとに心配したんだからね! 」
すごく香子泣いてる…なんで、今まで見てたのは…夢?だったらなんであんな夢見たんだろ てか、それより…
「ここ何処(どこ)…?」
「病院だよ」
「え?!」
病院?!あの…病気の人とかがいる?私特に 病気とか持ってないのにな。どうしてだろ。 てか、さっきのが夢なら私まだ、諦め切れてなかったんだな。そりゃそうだよ。別れるって言ったけど、まだ『大好き』だからね…な んで詳しい理由聞かずに別れちゃったんだろ…過去に戻れたらその時の私を殴ってやりたいぐらいだな…
「春菜さん!」
「はいっ!」
「聞いてましたか…?」
「あ、」
「次はちゃんと聞いててくださいね」
「はい…」
「と、言うことなのでいっときの間は安静に過ごしていてくださいね」
「はい…」
「では、次はご飯の時間にきますね。なにかあればナースコールを押してください。」
「わ、かりました」
「では、失礼します」
看護師がいなくなってからふと空を見る。 まるで今の気持ちのように土砂降りの雨が降っていた。もっと気持ちが憂鬱(ゆううつ)になってくる…はぁ、
そういえばさっき看護師から病気のことについて話された。私の病名は…
冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいしんしょう) だって…
軽い運動や、安静時にも発作が起きたり色々なタイミングで起きる病気なんだって。 はぁ、 これからどうなるんだろ…彼氏には振られるし病気にはなるし…いいこと1つもないな。こ んな時に彼がいてくれたら、な…良かったのに…
「ご飯の時間ですよ」
「あ、ありがとうございます」
「ん?香子は…?」
「あ、先程お帰りになりましたよ」
「そうなんですね。ありがとうございます」
「いえいえ、ごゆっくり」
あまり病院のご飯好きじゃないな。むしろ嫌いかも…量は多いし、味は薄いし。 1人で食べる ご飯ってこんなにも美味しくなかったっけ… 今まで大学の課題やらで忙しくてろくに食べてなかったな。それを彼が注意してくれて
たっけ?懐かしいな…
「また、会いたいよ…」
心で思ったつもりが言葉に出ていた。1人で彼のことを考えて泣きながらご飯を食べてしまった。
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