華が咲く。
美しく彩って、君を愛し自分を殺す。
翼が生える。
天使のように飛び去って、幸せを探す。
目の色が変わる。
赤く染まり、最愛の人を……
奇病、本当に存在するのか、しないのか。あなたは知らない、私は知ってる。
風鈴の音が聞こえ耳を澄ます。駆逐彼方に脅えながら己を認め己の首を絞め続ける。
『ああ、』
私の奇病とは縫い針病、またツギハギ病とも言われる病気。
自分が裂けてるように見え自ら針を刺し縫う。やめたくても辞めれず、痛みを覚えながらと苦しみ続ける。
ポタッ
また血が見える。だが裂けてるように見えてしまって縫ってしまう。
そして本当に傷がついてもこれは幻覚だと拒み本当の傷に気づきにくくなる。
『先生、治療法は?』
『最低最高の絶望を知ることです』
『え…?』
『家族が死ぬでもいい、自分が死ぬでもいい、恋人が死ぬでもいい…….とにかく絶望を知りなさい』
『…….はい』
ガラガラ
病室から出る。憂鬱感が収まらないままここにいる。
『おっ、君も奇病の患者さん?』
『え…….?貴方も?』
『そーだよ』
知らない女性に聞かれ驚く。それと同時に他の奇病の患者に会えたことに少し喜びを覚える。
『な、なんの奇病ですか?』
『天使のやつ』
知らない?と聞かれるが奇病患者なんて自分のことくらいしか分からない。
珍しいものだな。
天使病とはなにか、本ですら見たことない。
夏の暑い風と呼び響く先生の声、次はこの子のようだ。
行ってくる!と元気に笑い、私を背に病室に入っていった。
(名前くらい聞いときゃ良かったかな)
外に出る許可を得、少し外の空気を吸いに向かう。日差しが強い中本を読むなんて傍から見たらすごいことだろう。
それにこの傷もただのヤバい人。
逆になぜ病院にいないのか分からないだろう。
最低最高の絶望とはなにか、分かるわけが無いだろう。親には見捨てられたようなもの、この傷で恋人もできない。
正に絶望だ。
もう絶望を味わってるでは無いかと不思議に思う。
とにかくこれを治すには…….と本を読み進める。夏の風がなびく、ページがパラパラと進む。風のせいであろう。
奇病の本。
そこであっと声が出た。
天使病だ。
美しい身なりの中、その絵は血が付いている。その微笑みは本物であるのだろうか頭は謎で包まれる。
天使病
背中に羽が生え激痛が走る。
体の栄養が羽に行くため羽が美しくなるにつれ死に近づくが最終的には自分の姿を保っていられず異形となって死ぬ。
説明を読んだあと、残酷だと思う。でもきっと治療法はあると考え治療法が書いてある所へ目を移す。
治療法
無し。
本当にこれは残酷だ。
ここで理解した。天使に血が付いている理由が、栄養は羽に行き自分は死に絶える。そして治療法は無し。
その絶望さと苦しみからの血であろうか。
私より彼女は辛いのか──────
また新しく絶望を知った気分だ。
コメント
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おーい
小説関係ないけどプロセカの今イベ交換所でくそかわな寧々ちゃん手に入るで