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俺は、ざっと説明をした。デイヴィスはそれを黙って聞いていたが、信じたかどうかは、甚だ疑問だな。あぁ、デイヴィスの提案で、お互いを名前で呼ぶことにしたんだ。確かに、いつまでもお前呼びなのは、違和感があるからな。
「………。話を要約すると、こういうことか? お前は魔界に住む悪魔で、おそらく何者かによって別の世界から、この世界に飛ばされ、気づいたら此処だった、と。はぁ……。こんな荒唐無稽な話、とても信じられん。つくなら、もっとマシな嘘をつけ………と言いたいところだが…。俺の部屋に現れた時のお前の驚いた表情からして、嘘ではないんだろうな。」
どうやら、信じたようだ。しかし、帰り方がわからん。少し前に、D.D.D.を持っているのを思い出し、すぐさま開いたが圏外になっていた。此処が異世界なら、当然だろうがな。それからわかったことだが、此処では魔法は使える。転移魔法もこっちの世界内でなら、使用可能だった。これは、ありがたいな。にしても、これからどうするか…
「だが、NRCに転移したのは幸いだったな。此処は古くからある由緒正しき名門校。貴重な呪いの類の本や、さまざまな分野の優秀な生徒が揃っている。ルシファーを此処に飛ばした犯人や、元の世界への帰り方がわかるかもしれない。」
それは、確かにそうだ。何もない平野に飛ばされでもしたら、それこそ途方に暮れていただろうが…。此処には人と本がある。何かわかるかもしれない。出来れば暫く此処で手掛かりを探したいが….。学園に無断で図書室の利用などは出来ないだろうな。
「俺は、どうすれば良い? 行くあてもなく、元の世界に帰るすべもない為、出来れば暫く此処に滞在したいのだが…。」
「取り敢えずは、学園長に相談だな。だが……………。ルシファーは此処で待ってろ。俺が行ってくる。」
ん?俺は行かなくて良いのか?こういうのは、自分で行くものだと思っていたが…。その旨をデイヴィスに話すと、彼は何とも言えない顔をして言った。
「あの人は面倒くさい。お前が行っても疲れるだけだ。」
それは……気になるな。だが、今回はデイヴィスに任せよう。
デイヴィスが部屋を出てから、半刻もしないうちに彼は帰ってきた。少し疲れた表情で。
「ルシファー、学園長と話をつけてきた。住居は提供して貰えたが……はぁ……あれは住居と呼べるのか…?」
いまいち展開が掴めないが…
「学園長は面倒事が嫌いでな。”貴方が保護したのなら、責任を持って貴方が面倒を見て差し上げなさい。あぁ、住む場所はこちらで用意します。ただ、そこがかなり古く、散らかってまして…。お優しいクルーウェル先生なら、掃除と片付け、手伝ってくださいますよね? あぁ、私は忙しいのでこれにて失敬!!”だそうだ。問題を起こさないなら、学校にいても問題はないらしい。まぁ、暫くは其処で生活してもらうことになりそうだ。」
それは、、、何とも言えんな。世話になる分際故に、俺は、それで構わないが…面倒事に巻き込まれて、デイヴィスはとんだ災難だったな。
「面倒をかけて、申し訳ない。別に片付けくらい俺1人でもできる。デイヴィスが手伝いに来る必要は…」
「別に、嫌なわけではない。だが………お前はあそこの現状を知らないだろう? あれは、片付け程度じゃ済まないぞ。大勢の人間を集めてやっと住めるようになるレベルだ。それに掃除はともかく、俺はお前に興味がある。もう少し、話をしたい。魔界の魔法や薬学も気になるし、お前とは何処となく似たものを感じている。」
なら、よかった。
「奇遇だな。俺も、お前に似たところを感じていた。俺たちは気が合うかもしれないな。」
こうして、俺はデイヴィスに連れられて仮の住居へとむかった。