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夏河璃凪短編集

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夏河璃凪短編集

1 - ドッペルゲンガー

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2022年06月22日

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別にいつも通りの生活だった。

朝起きて、学校へ行って、勉強して、帰ってきて。

そんな日常のはずだった。

異変は日常を侵食し、普遍的な日々は消え去って行った。

こうなったのはつい1週間前のこと、

初めは視界に自分と全く同じ姿をした人が見えた気がした。しかし、自分はいつも制服を着ているし、単なる見間違えだろうと思っていた。

けれど、異変は収まることを知らず、「彼女」はより鮮明に私の目に映るようになった。

そして異変から3日後、「それ」はぱたりと見えなくなった。

そしてそれから4日経った今も「それ」が見えることはなく、今もゆっくりと家路に着いた。

両親のおかえりという声に答えながら、自室へと足を運ぶ。

肩にかけていた鞄を下ろし、閉ざされたモノを開けた。

「それ」の中にいるのは……


四肢を切断され、もがき苦しむ


「私」だった。

「やぁ、気分はどうだい?」

四肢のない私に「それ」は話しかける。

「なんで…こんなこと…」

絞り出すような呻き声で答えた。

「ずっと言ってるだろ?ほら、今日の記憶も共有してやるよ。」

「それ」は私の頭を掴む。電流のような衝撃が走る。

「誰も私がお前になりかわってるなんて気づいていない。残念だったな。」

「それ」は不敵な笑みを浮かべた。

「うぐ…こんなもの…」

必死に抵抗する。

「おいおい?あんまり暴れると傷が開くぞ?」

焼けるような痛みと、恐怖と、孤独感に涙が止まらなかった。

「まぁ好きにすればいい。どうせ無駄だ。

それより、今日の分をいただくぜ?」

それの手が触手のようにうねり刃物のような形になる。考える暇もなく、足の塞がりかけた傷を切り落とすかのように切断された。

鮮血が溢れ出し、痛みで気を失いそうになる。

しかしそれは容赦なく全ての手足を切断した。

急速に失われる血液に意識が沈むつつも、この地獄のような日々が終わり、悪夢から覚めることを願わずに居られなかった。完全に意識を失い、生命活動を終了した「私」だったものに、

「あれ?死んじゃった?まぁ脳さえ傷つかなければ修復できるからいいか。じゃあね、偽物くん。」

と、言い残し、空間は閉ざされた。

闇の中、徐々に再生する体に嫌悪感を抱きつつも、生きずにはいられない自分を呪いながら、

存在を失ったモノは眠りについた。

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