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「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見ることになった。」
「ハーイ!
なにするんですか!?」
「災害水難なんでもござれ、人命救助訓練だ!!」
相澤先生はRESCUEの札を出している。
災害救助なら私も役に立てるかも!
「レスキュー…今回も大変そうだな。」
「ねー!」
「バカおめー、これこそヒーローの本分だぜ!?鳴るぜ!!
腕が!!」
「水難なら私の独壇場ケロケロ。」
まあ私は、怪我治すだけだけどね。
「おいまだ途中。」
ギロッっと睨まれた。
「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。
中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。
訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。
以上、準備開始。」
うーん。
バスだとかなり酔うから嫌だな。
私はいつも通りそのまま制服に白衣を羽織って、救急セットを持っていく。
女の子みんなでバスが止まっているところに向かう。
「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう。」
「飯田くん、フルスロットル………!」
飯田君の言う通りに並んで乗り込んだが…
「こういうタイプだった、くそう!!!」
「イミなかったなー。」
市民バスタイプでした。私の隣は相澤先生。
こういうバス移動だと私大体先生の隣なんだよね。
話に参加したくても出来ない。
うう…気持ち悪くなってきたよ。
「先生、窓開けていいですか?」
酔ってきたら、窓を開けて新鮮な空気を吸おう。
「良いけど大丈夫か?
顔色悪いけど。」
さすが相澤先生、私の体調よく分かってくれてるよ。
「大丈夫です。
ちょっと酔っただけなので。
バス降りたら治せますから。」
「そうか。」
目を閉じて後ろの会話に耳を傾ける。
個性の話とか、爆豪君の性格の話とかしてるな。
上鳴君、分かるかも。
「もう着くぞ、いい加減にしとけよ…。」
「ハイ!!」
やっと着くよ。
1番に降りて酔いを治す。
このくらいなら簡単だよ。
「梓、大丈夫?
顔色悪いよ?」
三奈ちゃんが心配してくれた。
「大丈夫だよ。
ちょっと酔っちゃっただけだから。
すぐに治せるしね。
ありがとう。」
「そっか、良かった!」
私が治し終わる頃にはみんな降りてきていて、施設の広さに驚いている。
「すっげーーー!!
USJかよ!!?」
最初に見た時にはびっくりするよね、うんうん。
「水難事故、土砂災害、火事……etc。
あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。
その名も……ウソの災害や事故ルーム!!」
略すとUSJになるんだよね。
面白い!
「スペースヒーロー「13号」だ!
災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
「わーー、私好きなの13号!」
13号先生とはよく任務先で一緒だったな。
私も災害救助にはよく呼ばれるからね。
相澤先生と13号先生が何かを話し合っている。「仕方ない、始めるか。」
もう1人の先生が来ていないけど始めることになった。
「えー始める前にお小言を一つ二つ…三つ…四つ…。」
増えていく…。
「皆さんご存知だとは思いますが、僕の”個性”は”ブラックホール”。
どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます。」
「その”個性”でどんな災害からも人を救い上げるんですよね。」
「ええ…。
しかし簡単に人を殺せる力です。
皆の中にもそういう”個性”がいるでしょう。
超人社会は”個性”の使用を資格制にし厳しく規制することで、一見成り立っているようには見えます。
しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる”いきすぎた個性”を個々が持っていることを忘れないで下さい。」
私だって体はこんなんだけど、個性を使えば何百という人を一気に殺せる。
だけど、私は個性でその倍は命を救える。
治療に使うしか考えてこなかったけど、私の個性って使い方によれば世界を壊すことだって可能なのかも。
怖いな…。
「相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。
この授業では…心機一転!
人命の為に”個性”をどう活用するかを学んでいきましょう。
君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。
助ける為にあるのだと心得て帰って下さいな。」
13号先生かっこいい!
「以上!
ご清聴ありがとうございました。」
「ステキー!」
「ブラボー!!
ブラボー!!」
自然と皆が拍手する。
「そんじゃあまずは………?」
どうしたんだろう先生。
「一かたまりになって動くな。」
「え?」
「13号!!
生徒を守れ。」
黒いモヤの中からどんどんと人が出てくる。「何だアリャ!?
また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
どんな入試!?
「動くな、あれは敵だ!!!!」
背中にゾゾゾっと悪寒が走る。
今まで何度も狙われてきた、思い出したくもない記憶がよみがえる。
無意識に足が下がっていく。
「13号に…イレイザーヘッドですか…。
先日頂いた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずなのですが…。」
「やはり先日のはクソ共の仕業だったか。」「どこだよ…。
せっかくこんなに大衆引きつれてきたのにさ…。
オールマイト…平和の象徴…いないなんて…。子供を殺せば来るのかな?」
私は知っている、この、途方もない悪意を。
どうでしょうか?
コメントしてほしいです…。
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