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「敵ンン!?
バカだろ!?
ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
「先生、侵入者用センサーは!」
「もちろんありますが…!」
「現れたのはここだけか学校全体か…。
何にせよセンサーが反応しねぇなら、向こうにそういうこと出来る”個性”がいるってことだな。
校舎と離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間割…。
バカだがアホじゃねえ。
これは、何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ。」
轟君、すごいな。
なんか場馴れしてるような感じ…。
「13号避難開始!
学校に連絡試せ!
センサー対策も頭にある敵だ、電波系の”個性”が妨害している可能性もある。
上鳴おまえも”個性”で連絡試せ。」
「っス!」
「先生は!?
一人で戦うんですか!?
あの数じゃいくら”個性”を消すっていっても!!
イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。
正面戦闘は…。」
確かに、あの数相手に長期戦は不利だ。
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。
13号!
任せたぞ。」
そういうと先生は階段を飛び降りて行ってしまった。
先生の個性で個性を消されて戸惑う敵を捕縛武器を上手く使い倒していく。
先生が消せない異形型の敵にも素早く対応。
集団戦の連携を崩し、自分の有利に戦闘を進める。
私もあんな風に戦えたらな…。
「すごい…!
他対一こそ先生の得意分野だったんだ。」
「分析している場合じゃない!
早く避難を!!」
みんなで避難しようと動き出した所に、さっき敵が出てきたモヤがいきなり現れた。
「させませんよ。
初めまして、我々は敵連合。
せんえつながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいた理由は二つ。
一つは唯一無二の個性を持つ国の重要人物。
九重梓を我々側に迎え入れること。」
え!?
また私狙われるの!
「二つ目は平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして。」
私と、オールマイト先生が狙い。
自衛くらいはできるかな?
「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ…ですが、何か変更あったのでしょうか?
まぁ…それとは関係なく…私の役目はこれ。」黒いモヤが私達全体を包む前に、切島君と爆豪君が敵に向かって行った。
「その前にたちにやられることは考えてなかったか!?」
「危ない危ない……。
そう…生徒といえど優秀な金の卵。」
「ダメだどきなさい二人とも!」
13号先生の引き止めも虚しく、向かって行った二人ごと私達をモヤが包み込む。
「きたきた。」
「え!?」
私が飛ばされた先は、相澤先生が戦っているセントラル広場。
「九重!!」
相澤先生が私に気づくと同時に背後から腕を掴まれた。
「いっ!!!」
掴まれたところから崩れ始めた!
個性か?
とりあえず今は耐えられるくらいの痛みだし、個性を把握してから腕を治して対策を取ろう。相澤先生に加勢は絶対に出来ないから、人質とかこれ以上足でまといになるのだけは避けなきゃ。
まずは個性を…
「余計なことはするなよ。
お前に個性使われると色々と厄介だからな。
大人しくしておいた方が身のためだ。」
バレてる!
どうしよう、まずは把握を優先しよう!
私の個性を使う時は、まず空間を指定しなければ使えない。
全体の時を止めるだけなど、全てをいじるなら指定無しでもできるが、細かい調整はまだ出来ないから。
把握は特に、その空間のあらゆる情報が感覚的に入手できるため、範囲が広すぎると把握しきれなくなる。
というよりは、処理が追いつかなくて、理解できなくなる。
後ろの敵を包むように、空間を指定。
名前は、死柄木弔。
でもこれ、偽名みたい。
本当は別の名前があったのか。
でも、今は名前はいいや、個性は…崩壊。
5本の指で触れることが発動条件か。
触られ続けたら、そのまま塵になるな。
「おい、お前はこいつを捕まえておけ。
逃がすなよ。」
まだ後ろにも誰かいるの?!
しかも死柄木弔、私の腕と首に触っていった。腕は壊された部分を握られたから痛い。
早く治そう。
「無駄だよ。
僕が触っている間は治せない。」
どういうこと?
さっきから壊された部分を指定しようとしてるのに全然出来ない。
もう1人の個性かな?
相澤先生みたいに消している?
でもそれなら使われた時点で気づけるはず。
掴まれた途端に、個性が止められた。
いや、干渉出来なくなったの方が正しいかな。それなら全部説明がつく。
私の個性は空間と時間自体に干渉する。
他の所を指定することはできるみたいだし、自分自身と触れている人間を外から干渉させなくするって感じ。
これじゃあ逃げられない。
この人男の人っぽいし、違ったとしても私じゃ何も出来ないのは確かだ。
さっきの怪我も治せないし、そのせいで体力が無くなる。
ここで倒れたりなんてしたら敵の思うつぼだ。私を狙ってきたってことは、ある程度の情報は知られてるはず。
相澤先生も周りの敵の相手をするのに手一杯みたいだし。
そんなことを考えていたら、死柄木弔が相澤先生の方へ走っていった。
「23秒。」
「本命か。」
相澤先生は死柄木弔に捕縛武器を伸ばした。
でも、死柄木弔に掴まれる。
「24秒、20秒。」
「!!ちっ!!」
相澤先生が死柄木弔に向かっていく。
「17秒。」
また死柄木弔は捕縛武器を掴む。
相澤先生はそれを引っ張ると、死柄木弔のお腹に肘で思いっきり1発いれた。
「動き回るのでわかり辛いけど、髪が下がる瞬間がある。」
先生の肘が崩れた!
死柄木弔の個性、消してないのかな。
「一アクション終えるごとだ。
そしてその間隔は段々短くなってる。」
やっぱり長期戦は!
「無理するなよイレイザーヘッド。」
死柄木弔を普通に殴ったそのすきに、向かってきた敵を二人素早く対処する。
動きが少し止まった時に先生の肘を治そうとしたが、後ろの人に腕を強く握られて、思わず座り込んでしまった。
「うう…。」
やめて、掴まれると痛いの。
普段怪我はすぐに治してしまうから、あんまり傷の痛みには体制がないから余計に痛い。
集中力を乱されるこの状況で、動き回る先生の肘を指定するなんて出来ないし、どうしようもないよ。
「その”個性”じゃ…集団との長期戦は向いてなくないか?
普段の仕事と勝手が違うんじゃないか?
君が得意なのはあくまで「奇襲からの短期決戦」じゃないか?
それでも真正面から飛び込んできたのは、生徒に安心を与えるためか?
かっこいいなあ、かっこいいなあ。
ところでヒーロー、本命は俺じゃない。」
死柄木弔の後ろから、脳みそがむき出しの、大きな黒い怪物が出てきた。
そいつは相澤先生を一瞬でねじ伏せると、腕をいとも簡単に折ってしまった。
「対平和の象徴、怪人”脳無”。」
「〜〜っ!!!!!」
腕が、腕が…。
私に今できることは?
何かないのかな。
「”個性”を消せる。
素敵だけどなんてことはないね。
圧倒的な力の前ではつまりただの”無個性”だもの。」
先生の個性なら体の一部を見れば消せる。
でも消せていないという事は、素の力がこれ!オールマイト並だよこんなの。
「ぐぁ…!!」
グシャっと、先生のもう一方の腕も潰してしまった。
何とか治療を…
「動くなって言ってるだろ。」
「ああ…っ!」
痛い痛い痛い!
掴まないで…。
脳無と呼ばれたバケモノは相澤先生の頭を掴んで地面に叩きつけた。
そこにさっきの黒いモヤの敵がやってきた。「死柄木弔」
「黒霧、13号はやったのか?」
あいつは黒霧っていうのか。
今は個性とかを探れる状況じゃないよね。
「行動不能には出来たものの、散らし損ねた生徒がおりまして……一名、逃げられました。」「……は?」
誰か逃げられたみたい!
他のヒーロー達を呼んできてくれるかな。
「はーー…はあーーー。
黒霧おまえ…おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしてたよ…。」
えっ、仲間じゃないの…?
「さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ、あーあ…。
今回はゲームオーバーだ。
あいつ連れて、帰ろっか。」
私このままだと連れてかれるよね。
どうしよう、今の私じゃ抵抗のしようがないし。
それにオールマイト先生も狙ってるんじゃなかったの?
あいつらの考えがわかんないよ。
「けどもその前に、平和の象徴としての矜恃を少しでも、へし折って帰ろう!」
梅雨ちゃん!!
このままだと梅雨ちゃんが崩される!
なんとか止められないのかな。
死柄木弔の周りを指定…
「………本当かっこいいぜ、イレイザーヘッド。」
相澤先生が、個性を使って止めてくれた!
でも、その後また頭を叩きつけられてしまう。緑谷君が死柄木弔に殴りに行く。
でもそれを脳無が庇った。
結構な衝撃みたいだったけど、脳無は無傷みたい。
どうなってるの?
あいつの個性は……。
私が考えていると、USJのドアがバァン!っと空いた。
「!!」
「もう大丈夫、私が来た。」
オールマイトが来てくれた!
これで一気に形成が傾く。
「オールマイトーーーーー!!」
「あーー…コンティニューだ。」
ここから少しオリジナルが増えます。
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