ATTENTION
・賽子様の二次創作
・桃×黒
・桃さん性格悪め
桃↬『
青↬《
黒↬「
それでもいい方のみお進み下さい
俺の彼氏、ないこは所謂クズ。
この事実に気付いたのは付き合ってしばらく経った頃。急に金を貸してくれ、と催促されるようになった。
『 にき~、お金貸してくれない?
「 ん、何に使うん?
『 え、にきには関係ないでしょ?取り敢えず…5万お願い、
「 は…、?関係ないって…俺貸してる側やねんけど……、
『 うん、だから関係ないよね?俺がどう使おうと自由じゃん?
「 ……いつ頃返せる?
『 ん~……いつだろ、目処立ったら教えるわ、
「 …ちゃんと返すって約束してな、
『 当たり前じゃん!俺とにきの仲だし笑
そんな会話から2年。返す気配は全くない。何ならそのあとも数万円ずつ借りていく始末。
性別の関係で法律上結婚は出来ないが、俺たちはパートナーシップ制度を利用している。ほぼ結婚に近い…はずなのに、生活費は必要最低限。というか俺がほぼ出してる。家事だって殆ど俺の担当で手伝ってくれることは滅多にない。
あまり言いたくないが、俺よりもないこの方が稼いでいるし休日はのんびりしてる。
もう少し家計に金を回して欲しい、家事も手伝って欲しいとは言うが、会社で新しいプロジェクトが〜……とか言われたらどうしようもない。それを確認する術もないのだから。
ある休日のお昼。冷蔵庫の残り物でパスタを仕上げ、2人で食べていた時だった。
「 ね、あにき~、5万円貸して~?
『 そろそろ返してもらわんと貸せへんよ……生活費に回す分減ってまうし…、
「 え~……俺今日飲みに行くんだよね、上司と
『 今日も…、?最近結構行っとるやろ…ないこ酒あんま強くないのに、
「 付き合いがあんの、ここで気にいって貰えたら出世できるかもしれないし
『 ……これで最後やからね、今までの分返すまでは貸されへんから、
「 はぁ…わかった、取り敢えず今は貸して
『 ……ん、はい、5万円でいいんよな?
「 本当はも少し欲しいけど…まぁいいや、ありがとね、
そう言いながらとてもがっかりしたような顔。自分が取り繕えてないってのは分かってる?と心の中で問う。そんな俺の気持ちも知らないで、"出かける準備するわ"なんて言って部屋に戻ってしまった。
「 ……ATM…やな、笑
自嘲気味にぽつりと零すと、皿を片づける。付き合いたての頃は褒めてくれていた料理もほぼ手を付けずに皿に残ったまま。どうせないこは夜いないのだから、とラップをかけて冷蔵庫にしまう。晩御飯作りしなくていい、とポジティブに考えてから自分も部屋に戻って布団に飛び込む。資料作りしなきゃ…と思っているうちに瞼が重くなり、気付けば着替えもしないまま眠ってしまっていた。
「 ……ぁ…寝てた…、?
気が付くと既に日は傾いていて、オレンジ色のな空が広がっていた。部屋を出てリビングに向かったが人の気配はない。もう飲みに行ったんだと寂しさと諦めが混在している。取り敢えず晩御飯だと冷蔵庫を開けてパスタを取り出す。軽くレンジで温めている間、LINEの1番上にいたこいつに電話をかける。
「 ……ぁ、もしもし、?
《 んぉ、あにき?何かあった~?
「 いや?暇やったし電話しよかな~って、笑
《 何やそれ笑 あにきにはないこがおるやん?笑
まろには俺達のことを話している。だからその名前が出てくるのは想像出来ることだ。でも今は何となく聞きたくなかった。誰でもいいからちゃんと俺を見て、俺の話を聞いて欲しかった。…ないこがしてくれなくなったからかもしれない。
「 あ~…あいつ今日の夜用事あるってさ、気にせんくてええよ~笑
《 ふぅん…そぉなんや、無理したらあかんよ?
「 分かってるってば、心配性やなぁ笑
《 心配やんか~…!ちゃんと上手くいっとるん…、?
「 ……当たり前やん笑
少し返事が遅れたがまろはもうそれ以上追求せず、当たり障りのないことを沢山話した。話し上手で聞き上手なまろと話すのはとても楽しかったし、久しぶりに会おう、と約束もした。まだまだ話していたかったが、レンジの音を終止符に通話を切る。
「 ……パスタ、食べちゃお、
昼も食べたものをテーブルに運ぶ。急に静かになった部屋で、まだ通話を繋いでおけばよかったと後悔した。この静けさには慣れているはずなのに無性に寂しい。迷惑かな、と考える余裕もなく気付けばもう一度電話をかけていて。
《 わ…あにき?どうしたん、?
「 ………
「 …まろの家、行ってもいい?
この一言は、自分でもわかるくらいに弱々しかった。
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続きます。
コメント
2件
続き待ってます✨
ぬし様、神ですね⁉︎ こういうの、大好きです♪ つづき 待ってます、!