稲荷崎高校に入学して早2年
私は
「なぁ〜、遥〜ここ教えてーや」
相変わらず面倒くさい奴の相手をしています。
「あ!今、面倒くさって顔したな?!」
「大当たり」
「なんでや?!」
なんでも何も、面倒くさいものは面倒くさいんだよ…。
とか言ったらまた騒ぎだすから黙っておく。
「はぁ…侑くんはお子ちゃまだから、こんな簡単な問題も解けないんだね」
「はあ”ぁ?!誰がお子ちゃまや!」
「あんたや」
侑はいつも思い通りの答えを返してくれて面白い。
彼実は、高校No.1、なんなら全国レベルの実力を持つセッターらしい。こう見えて
「おい、今なんか失礼な事考えたやろ」
「別に」
「嘘つけや」
「答え教えんぞ」
「すんません」
「よろしい」
侑の手懐け方はこの2年間で熟知している。
こんな精神年齢小学生で止まったような人と2年間同じとか気が狂いそうになるよね。
「誰が精神年齢小学生や」
「心読んでくんなや」
「顔に出とるわ」
「きも」
「なんやと?!」
「なんでも。……おい角名」
「動画撮んな」
「え…。視野角馬じゃん。」
「なんだ?チベットスナギツネ」
「何でもありません」
このチベットスナギツネの擬人化は去年同じクラス。
でもこいつ私の事好きなのか、ほとんど2組にいる気がする。
寒気がするからやっぱり思わないでおこう。
「遥ってさ」
「あ?」
「顔可愛いのに、勿体ないよね」
「お前刺すぞ」
「ほら」
「いいんだよ別に。こっちの方が楽だし」
「ふーん。変わってるね」
「表出ろや」
「こわ」
よく言われる。
顔は可愛いのに、中身が可愛くない。
知るかよ。
みんなの思う”可愛い”を私に押し付けてくんな。
私は私らしく生きるって決めてるから。
それが、その先が、
良くても 、悪くても。
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※ クラスミスってたので少し修正しました。