この時私の給料は月八万円糞坊主は十七万円でした。この給料も、「本当は俺にもっと給料を渡したいんだけどそれが出来ないからお前の給料として渡してるんだ」的な事を言われていました。給料は糞坊主の親から出ているので、そうなのかも知れません。なので、生活費食費など全て私から。糞坊主の給料は仕事やら遊びやら分からない事と自分の娯楽に使われます。
その頃○年会という坊主の集まりがあって、その○年会で、キャバクラやらソープやらに行っていました。付き合いでしょうがなく行っているそうです。キャバ嬢の名刺を何枚も持って帰り、キャバ嬢と頻繁にメールのやり取りをして、仕事だからと言っていました。
疾しい事が無いから全部話ているんだとの事です。寺の事はさっぱり分からない私はそういうものなのかと納得していました。
糞坊主におじいちゃんの寺を継がせるという話しが出てきました。その為、荒行堂に行かせるそうです。荒行堂とは、百日間厳しい修行をして、死ぬ寸前まで行き、霊を感じられるようにする→お祓いが出来るようになる
って感じの所です。
この地獄に居たくない私「実家に帰らせて下さい」糞坊主「帰ったら面会に来ないでしょう?」私「うん」糞坊主「じゃあ絶対駄目」
私「それじゃあここに残る代わりに、帰って来たら絶対離婚して下さい」
糞坊主「分かった。それで良いよ」
と、いう密約の元、私はこの生き地獄に残り、糞坊主は百日の荒行堂に入って行きました。
荒行堂に入る時、糞坊主の親、兄弟、檀家の皆様は糞坊主が可哀想だ可哀想だと泣きます。私は私が替わりになりたいくらい羨ましいので、正直皆様が泣いているのが滑稽に見えます。糞坊主の兄は「こんな時に泣きもしない奴がいるなんて」と、相変わらずでかい独り言を言います。なので、最後に糞坊主と面会室で別れる時、私はこの地獄に残る私の為に泣きました。
さて、寺に居場所も無いのに何故かいないといけない私。寺のお手伝いさんもいたので、彼女のスペースの台所の隅っこを借りて百日間ずっとそこにいました。客のお茶出しやら電話対応やら子供が来たら子供の相手、その頃寺に三匹いた犬の餌やり、墓の草むしりなど、大抵はお手伝いさんに言われた事をやっていました。家に帰ったら内職です。
たまにやって来ては相変わらず顔もみずに文句を言う糞坊主兄「面会にも行かないなんて糞坊主可哀想~」お前が寺に居りゃいけるんだけどな。ちなみに文句だけ言ってすぐに帰ります。
実母に相談しました。
「火曜日と金曜日って決めて勝手に面会行く事にしたら?」
「誰も寺に居なくても5時になったら帰っていいよ」
そう言われたので、今後その通りにしました。
行堂の面会で持って行くものにタオルやらティッシュやら褌やら(もうあまり覚えてない)があったのですが、糞坊主の母親はティッシュの箱を一度開け、ティッシュを少し抜き、下の方にお菓子を詰めまた閉じるという作業をしました。荒行堂の中ではお粥しか食べられないので、糖分が欲しいだろうという親心でしょう。荷物は受付の人に渡す仕組みになっていて、面会に行く度に受付の人に睨まれるので、まあバレてるんだろうなとは思っていました。
後で聞いた話ですが、やはりバレていて、罰として蜂蜜をまるまる一本飲まされて死にそうになっていたそうです(笑)蜂蜜を無理やり飲まされると息が出来なくなるそうですよ。そしてプーさんというあだ名が付いたようです。
私は御祝儀袋にチェルシーを入れてあたかも札束が入っているようにしました。
そして、面会室で糞坊主の前の三宝にチェルシーをお供えして、「お前の兄をなんとかしろ」「ごめん」という会話をして面会が終わります。
大体毎回そんな感じの面会です。
そういえば、この頃に一度、兄嫁からお昼をご馳走になった事があるのですが、
うどんに、子供が切ったような歪な形の生の玉ねぎ(おそらく一玉)のせ、その上から~マヨネーズを大量にそえて~
玉ねぎは切ったそのままなので辛いし、マヨラーでもないので大量のマヨネーズは気持ち悪いだけ
兄嫁の作ったご飯を見たのがこの一度きりなので、今でも嫌がらせなのかただの料理下手なのか分かりません。
ただの料理下手の可能性を考えて死ぬきで完食しました。
コメント
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読まんで下さいお願いしますm(__)m
読んだが?