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深優さんには「ぱちりと目が合った」で始まり、「わからないままでいいよ」で終わる物語を書いて欲しいです。
⚠️注意⚠️
・捏造しかありません
・冴(→→→→→→→←←←)凛ぐらいの想いの重さです。
・口調迷子
・解釈違い
・モブが出ます(ストーカー、マネージャー)
・誤字脱字
・8000字程度のお話です
・ヤマもオチもない駄作です
・凛視点はシリアス?ですが冴視点はギャグです
・凛の冴の呼び方は使い分けています
ストーカーなんかに屈しない強い凛も好きですが結局怖くなっちゃって兄ちゃんに助けてもらう凛もすごく好きなのでそういう話です。
ストーカーだめ、絶対!
――――――――――――――――――――――――
ぱちりと目が合った。
同じ色の筈の瞳が同じ色には見えなくて見蕩れるほどに綺麗な瞳は何もかも見透かされてるようで大好きだった筈の瞳がどうしようもない程に怖かった。
この感情は言葉なんかで表せるものではないことそれだけは確かだった。
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――――――――――――――――――――――――〜凛視点〜
ぱちりと目が合ったのは、ロッカールームの窓ガラス越し。
練習後のロッカールームは人でごった返している。そのむさ苦しさと雑音はとても居心地が悪い。だから、はやく帰ろうとした。荷物を持って、落としていた目線を上げたら窓ガラス越しに翡翠が交わった。
その瞳はなんの感情も移しておらず、練習後だというのに汗ひとつかいていない。いつも通り、涼しい顔の兄貴のものだった。
別に何かを言う訳でもないのに数秒見つめ合っていたのは、目を逸らしたら負けな気がしたからだ。けれど、やはり先に目を逸らしたのは己で、なんだか逃げ出したような気分だった。
チームメイトに背を向けて、ロッカールームを去ろうとした時に感じた視線は誰のものなのか。なぜだろう、根拠がなければ確証もないのに、その視線は兄貴のものだったと自信を持ってはっきり言える。
――――――――――――――――――――――――
最近、妙に視線を感じる。
はじめは気のせいだろうと思っていたそれは、日に日に明らかになっていった。
今ではもう無視できないほどで、練習中や帰宅中、出掛け先など至る所で視線を感じていた。
だからなんだって話だし、特にそういったものを気にする性格でもないが、悪化していく状況に心身が疲弊していってるのは明らかだった。
誰かに見られているのではないかと常に緊張した状態ではしっかりとした睡眠をとることはできないし、ろくに出かけることも出来なかった。そんな状態では明らかにコンディションも悪くなっていって、兄貴に気づかれるのにそこまで時間はかからなかった。
練習中に痛い程突き刺さる視線は兄貴のものでまるで見極められているかのような視線は居心地は悪いけれど、不快ではなかった。だから、
「おい、やる気あんのか」
そんなに早く切り捨てないで欲しい。
違うのに、もっと上手くやれるのに、今はまだ十分な環境が整っていないだけで、もっと良いプレーができるのに、どうすればいいんだ。でも、見てくれてるだけマシだから、どんな評価でも見てくれているなら巻き返せる可能性があるから、だから辛いけど頑張るね、兄ちゃん。
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それから2週間ほど経っただろうか、ろくに寝れずに食欲もなく、サッカーばかりしていたら体調を崩した。こうなるのは目に見えていたので特に思うことはないが、兄貴の呆れてる顔がありありと浮かんで落胆した。
幸い、家のことは殆どハウスキーパーに任せているので心配することはない。
適当に冷蔵庫を開けて食事を取り出して温める。
「ん?」
見た目はいつも通りの飯だった。でも、1口食べた瞬間違和感を覚えた。
食べたことの無い味だった、ただそれだけのこと。
普段なら気づかないような些細な違和感。視線を感じるようになって、気を張り巡らせていたから気づくことができたであろう違和感。
ハウスキーパーには味の好みを伝えてあるし、プロになってから人が変わっていないからいきなり味付けが変わることもないだろう。
すぐさま吐き出して、マネージャーに連絡を入れた。
「俺の家に最近ハウスキーパーが入る予定あったか?」
「いや、無いはずだけど……」
そうだろう、ハウスキーパーは今休暇中だったはずだ。なぜ、家に最近作られたであろう食品があることに疑問を抱かなかったのだろう、もはや飯があることが癖になっているからか。
見覚えのないこの食品は誰かが俺の家に入ったことを示している。そのとき、普段感じている視線が頭によぎった。これはもうストーカーと言わざるを得ないのではないか。
「最近、妙に誰かに見られている気がしていたんだが「ちょっと待って!?」」
「なんだ?」
「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」
「別にどうでも良かったし」
「よくない!危害を加えられたらどうするの! 」
「たぶんそいつが作った飯だ」
「もう!話聞いてる?……それはそうと、家までバレててしかも中に入れるのか……その家にこのまま住むのは危険だから引っ越そっか。でも、それまでどうしようか…… 」
「そんなもん、別にオフシーズンなんだから適当にホテルにでも泊まってればいいだろ」
「いや、凛くんはプロでしょ?いくらオフシーズンとはいえ、練習はあるんだからそういう訳にはいかないよ」
「じゃあどうすんだよ」
「そういえば今お兄さんと同じチームに所属してるんだよね?」
それはそうなのだが、嫌な予感しかしない。
「頼んで数日泊めてもらったら?」
ほらやっぱり。
「はぁ?無理に決まってんだろ!?兄貴が許すわけねぇ 」
「じゃあこっちから冴くんのマネージャーに連絡入れとくからさ」
そういう問題じゃねぇんだよ。一緒に住むなんて無理に決まってる。そっちの方がむしろコンディションに関わる。
「じゃあよろしくね」
あ、切りやがった。ストーカーが作った飯は食う気にならないので、しょうがないから何か買いに行くか。
――――――――――――――――――――――――
〜翌日〜
「凛くん!許可もらえたよ!」
「は?何の?」
「冴くんが泊めてくれるって!」
兄貴が許可した?なんで?兄貴にとって何のメリットも無いはずなのに。……こんなんでも一応弟だからか。ストーカーされている弟を見捨てるなんて外聞が悪いもんな。兄貴はプロだからそんなんで世間に叩かれたく無いだろうし。
「いつ行けばいいんだ?」
「明日だって!」
明日?結構急だな、別にいいけど。どうせ兄貴とっては俺なんか居ても居なくても同じだろうし。
「わかった」
「詳細は追って連絡するね!」
……嗚呼、憂鬱だ。兄貴と関わると自分が酷く弱く見えるから。
――――――――――――――――――――――――
「……ここか」
左手には住所が書かれたメッセージが浮かんだスマホ、目の前には大きな家。兄貴の家はここで間違いないということだろう。……本当に入っていいのだろうか。嫌がられないだろうか。……怖い。試合でも緊張なんてしたことなかった。……けど今、こんなに踏み出せずにいる。
「なにやってんだ。早く入れよ」
いきなり目の前の扉が開いて驚いていると中から兄貴が出てきた。こんなに躊躇していた自分が馬鹿らしいほど兄貴はいつも通りの無表情であっさりと中に入れてくれた。
「こっちがリビング、こっちがお前の部屋」
兄貴は家を案内してくれた。意外と丁寧なんだなと思いながらついていく。……でも、案内の間兄貴は1回もこちらを見てはくれなかった。
「この家は好きに使っていい、ただし俺に干渉してくんじゃねぇ」
なんだよその態度、俺だってあんたと関わりたくなんかないし。
「あっそ」
イライラする、期待してはいなかったけど兄貴が泊めてくれるって言ったんじゃん。
そのまま背を向けた兄貴は確か兄貴の部屋だと言っていた方へ歩き出した。
――――――――――――――――――――――――
2週間ほど経つとこの生活にも慣れてきた。兄貴はオフシーズンにも関わらず毎日忙しそうにしているけれど、意外なことに兄貴は俺が生活するのに困らないようにと必要なものや飯は用意してくれた、だから俺が困ることはなかったけれど同じ屋根の下にいるのに会話が一切ないのは、ほんの少し寂しかった。
それからしばらく経ったある日のこと。買い物から帰ってきてポストを覗くと手紙のようなものが入っていた。回収して兄貴に渡そうかと思い、手に取るとそこには糸師凛くんへと書かれていた。
1ヶ月程前の光景が脳裏に浮かぶ。確証なんかないけれどすぐにわかった、これはストーカーからのだ。遂に兄貴の家までバレてしまった。俺のことはいくらでも好きなようにしてもらって構わない。だからどうか兄貴だけは放っておいてほしい。これ以上迷惑をかける訳には行かないんだ。
……そうだ、もうこの家出ていこう。そろそろいい頃合いだろう、少しの間チームの寮でも貸してもらえばいい、きっと快く受けれてくれる。兄貴には最後にお礼を伝えて、もうサッカー以外では関わらないようにしよう。
そうと決まれば早かった。荷物をまとめて、あとは兄貴に出て行く趣旨を伝えるだけ。
「兄貴ありがとな。こんなに長く居候させてくれて、俺はもう出て行く。」
「……どこに行くつもりだ?」
「チームが管理してる寮に行く。あそこなら設備や防犯もしっかりしているし。」
「……俺の家じゃ不満か?」
「……そういう訳じゃないけど」
「ならここに居ればいい」
……嗚呼、やっぱり出て行きたくない。好きだなぁ。糸師冴が好きだ。でも駄目だ。この感情は俺が抱いていいものじゃない。十分この1ヶ月間幸せだったんだから、その思い出を壊すようなことは言えない。この感情を吐き出してしまったらきっと兄貴に引かれる、嫌われる。それは避けなければ。……なんで俺は男なんだろう、なんで糸師冴の弟なんだろう、そうじゃなければ今頃きっともっと簡単に想いを伝えられていた。でも兄弟じゃなければこうやって一緒に居ることは出来なかっただろう。だから、糸師冴に恋した瞬間もうそれは失恋で罪なんだ。
「ごめん兄貴に迷惑かけれないから……ごめん」
「は?待て、おいっ!」
せっかくまとめた荷物を全部残したまま俺は兄貴の家を飛び出した。我武者羅に走る、外は雨が降っていた。自分が現役選手でよかったと思う、数分走ったらもうどこかわからない所までこれた。
……今日だけ、近場のホテルに泊まろう。そして早朝に荷物だけ取りに行って、寮に入れてもらう。うん、完璧。
適当なホテルを探してチャックインする。濡れた身体を温めるために早く風呂に入って着替えた。飯は……めんどくさいからいいか。俺しかいないこの空間はすごく気持ちが楽だった。
俺はやっぱり兄貴に恋愛感情がある、だってしょうがなくないか?こんな俺なんかにも優しくて世界一かっこいい兄貴がいたら誰だって好きになっちゃうだろう。うん、無理好き。もう好きなことを誤魔化さなくていいんだって思ったら好きが溢れてやばい。……嗚呼、この1ヶ月兄貴と過ごせて幸せだったな。てか、兄貴が俺なんかの為に飯を作ってくれた優しい好き。でもそれと同じくらい辛かった。なぜか?そんなの兄貴といたら俺は兄貴のことを嫌いなふりをしなきゃいけないし、兄貴の一言で一喜一憂してしまう。わかってるよ、俺なんかが兄貴のことを好きになるなんて烏滸がましいにも程があるなんて。でも好きなんだよ、どうしようもないくらい好きで嫌いになろうとしたのだってもう数え切れない程だ。でも無理だった、だから、この気持ちを消すのはやめて、隠すことにした。こうやって大切な思い出に浸りながらテレビとかで姿を見られるだけで十分なんだ。兄貴と過ごせたことだけはあのストーカーに感謝してやってもいい……
ガンッ!ドンドンドン
「凛くん、開けて」
嘘、全然感謝できない。
ガチャガチャガチャッ
「凛くん、居るんでしょ?」
どうしよう、怖い。なんでここがバレてんだよ、もしかしてつけられてた?兄貴になにかあったらどうしよう。兄貴にだけは迷惑かけられないのに。
ゴンッドンドン
「ねぇ、なんで開けてくれないの?」
怖い、どうしよう、怖い、どうしよう、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。
布団にくるまったままただひたすら震えていた。こんなことなら大人しく兄貴の家に居ればよかったという気持ちと、まだ兄貴に迷惑かけてなくてよかったという気持ちがせめぎ合っておかしくなりそうだった。
ドンドンドンドン
「ねぇ、早く開けてよ」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
……助けて
「……兄ちゃッ」
「おい、何してんだよ、クソ女。」
そこからは何が起こったのかかわからなかった。ただずっと扉の前で言い争う声だけが聞こえていて、扉がカチャリと音をたてて開いたときにはもう兄ちゃんしか居なかった。
「凛、大丈夫か?」
「もうストーカーはいねぇよ。だから大丈夫だ 」
たくさん、たくさん兄ちゃんが話しかけてくれてるのがわかった。でも、頭がいっぱいでどうすることも出来なかった。
「ほら凛、兄ちゃんだぞ」
「兄ちゃんの方に来い」
兄ちゃんの声が優しくて、胸が苦しくて、あの頃と変わらない兄ちゃんを前にしたらもう、涙が止まらなかった。
「兄ちゃんっ」
いっぱい、いっぱい泣いた。たぶん人生で1番泣いたと思う。兄ちゃんの腕の中は安心して溜め込んでいたものが溢れ出してしまったんだと思う。
「落ち着いたか?」
顔も声も優しい兄ちゃんのままだったけど、なんとなく少し笑っているような気がして恥ずかしかった。
あんなに辛くて、苦しかったのに今も兄ちゃんが大好きなのは変わらなくて、大概俺も馬鹿だなって思った。
――――――――――――――――――――――――
〜冴視点〜
凛が俺の家に泊まると聞いたときは柄にもなく喜んでしまったが、理由を聞くと怒りが湧いてきて喜びもどこかへ行ってしまった。
凛がストーカー被害にあっているだなんて許せないけれど、それとは別にまぁそうだよなと思っている自分もいる。だってあんなに美人で可愛いんだぞ?そりゃストーカーもしたくなるよな。理解はできるけど許容はできない俺は凛のマネージャーからの申し出をふたつ返事で了承すると、その数日後にはすぐに荷物が送られてきた。
内心ウキウキしながら凛を迎え入れる準備をしていると約束の時間になった。けれど待てど暮らせど凛はこないので痺れを切らしてドアを開けると棒立ちしている可愛い弟が居た。だから俺から迎え入れてあげて家の間取りを教えた、落ち着かないのかはたまた物珍しいのかキョロキョロと視線を忙しなく動かす凛はまるで幼い頃のようでとてもとても可愛かった。だが、俺が干渉することで凛があの日のようになる可能性を考えると感情のままに行動することができなかった。
……だから、俺は凛と距離をとった。凛が不自由しないように飯を作ったり1人分しかなかった日用品を用意したりした。ただ目を合わさない、会話をしない、会わないを徹底した。可愛くて大好きな弟を構えないのは辛かったし、冷たく接したときの悲しそうな凛を見るのは苦しかった、たまに家で話したときのほころんだ顔は天使のようだった。
凛を何よりも大切にしてよく見ていた俺は朝から凛の様子がおかしいことに気がついていた。でも、なんと声をかけたらいいのかわからなくて、見て見ぬふりをしていた。
「兄貴ありがとな。こんなに長く居候させてくれて、俺はもう出て行く。」
こんなこと言われたときは混乱したし声をかけなかったことを後悔した。
なんとか引き留めようと俺なりに必死に言葉を紡いだが、結局引き留めることはできなくて、折角手に入れた宝物は俺の手の内から瞬きをする間もなく消え去った。
それからというもの凛の居場所を突き止めるべく、情報収集をした。荷物は対して持っていなかったので遠くに行ったということは無いとみてSNSを活用しながら探した。最近のSNS普及率は凄いもので短い期間で沢山の目撃情報があった。もっと変装しろよ、隠せよ危ねぇだろとイライラしていると、ある1つの画像が目に留まった。それは、雨の中びしょ濡れになりながら走る凛とその後ろを追いかけている人影が写っている画像だった。一見距離があるので違和感は無いが、凛の全速力に数10メートルの差だけでついていけているということは相手もかなりの速さで走っている筈だ、日常生活をしていてそんな速さで走ることはなかなか無いだろうからこの画像が俺には不自然に見えた。この画像の投稿者にコンタクトをしてそのときの状況を聞き出すことでやっと凛の居場所を突き止めることができた。どうやらその画像のすぐ近くにあるホテルに居るようだ。急いでマネージャーに車を出してもらってホテルに向かう。受付のやつにプライバシーだからと言われたがお兄様権限を使って問答無用で部屋を教えてもらった。
凛を思うと早足になってしまったが、結果的にそれは正解だったようだ。凛の部屋の前には全身真っ黒なストーカーらしき女が居た。今思うとそこで警察を呼ぶべきだったのだろうが、そのときは焦燥感に駆られて冷静に考えられなかった。
「おい、何してんだよ、クソ女」
「は?何?アンタだれよ!」
耳に響く金切り声で喚き散らかす女は凛のファンだと言う割に俺が誰か気がついていないようだった。嗚呼……そうか。帽子にサングラス、マスクと俺の目立つところを全て隠してしまっていることに気がついた俺はそれらを全て取り去ると女に言い放った。
「チッ、お前が誰だよ」
「私は凛くんの彼女よ!アンタ糸師冴ね!?アンタのチームに文句言ってやるんだから!」
「あ?お前が凛の彼女だなんて胸糞悪いこと言ってんじゃねぇよ、雌豚が。お前が凛のストーカーだな?凛は俺のなんだよお前ごときが凛を見るな関わるな。あとなんだ?文句を言う?お前ごときの権力じゃ俺をどうにかすることもできねぇし、そもそもお前は今から警察署行きだからチームに文句言える時間なんてねぇよ」
「はぁ?ちょっとなにそれ!?警察署行きとか信じらんない!」
そう言って女は走り出したが、マネージャーに取り押さえられた。それを横目で確認しながら俺は凛が泊まっている部屋に入る。
そこには真っ青な顔色で布団に包まりながら震える凛が居た。すぐに駆け寄ってできるだけ優しく安心させるように声をかけた。
「凛、大丈夫か?」
「もうストーカーはいねぇよ。だから大丈夫だ 」
言い聞かせるように、できるだけ落ち着いて優しくを意識したが、凛はパニックになっているのか震えたままこちらを見ようともしなかった。でも根気強く話しかけ続けると凛は俺に飛びついてきて声を上げて泣き出した。もうしばらく見ていなかった凛の涙を見てなんでもっと早く行動してやらなかったんだと後悔した。しばらく背中を擦りながら声をかけ続けると次第に落ち着いてきて今の状況に気がついたのか顔を赤くして俯く凛が可愛くてしょうがなくて凛を抱きしめる腕に力を込めた。
「なんで、ここまで来てくれたの?」
……それはお前が世界一のストーカーになるまでは、
「わからないままでいいよ」
――――――――――――――――――――――――
以上です。
ご覧いただきありがとうございました!
また次のお話で〜