コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
◇◇◇◇◇
第4章 教皇イベント
◇◇◇◇◇
リオたちは王城に戻って部屋に着くと、ララにシャビル王子に話があることを伝えた。
ララはそれを伝えに行ってくれたのだが、シャビル王子はすぐに来た。
そんなにすぐに来る?
シャビル:「リオ。なんか話があるって聞いたんだけど。」
リオ:「はい。ちょっと用事が出来まして、この国を出ることになったのでお知らせしようと。」
シャビル:「えーーーーー!!なぜ!?いつ!?」
そんなに驚く?
リオ:「理由は言えないんですけど、まずはドクストン王国に向かう予定です。
出発は明日にしようかなと思ってます。」
シャビル:「そんな急に!?ドクストン王国か……。
うちの同盟国だね。私も行こうかなぁ。」
しれっと何を言い出すんですか!
この王子は!
リンドウ:「ダメよ。あなたが来るとゾロゾロとついてくるでしょ。行くのが遅くなるわ。却下よ。」
シャビル:「そんなぁ……。リンドウ……。」
シャビル王子!
当然ですよ。王子なんだから一緒に来ちゃ。
王子はリンドウから言われた言葉にショックを受けたのか、うなだれていたが……。
シャビル:「まあ、そうだよね。
それで戻ってくるんだよね?」
リオ:「はい、用事が済んだら戻ってくる予定です。
大聖堂のガウチョ大司教に報告しなければいけないので。」
シャビル:「そっか。うーん。なら良かった。
用事というのは聖ナスヴィー協会の関係なんだね。なら、戻ってこないとね。うんうん。
それじゃあ、どれくらい行ってるんだい?」
リオ:「それはわかりません。
用事が終わったらとしか……。」
シャビル:「うーん、そっか。わかったよ。絶対に戻ってくるんだよ!約束だよ。
じゃあ、ちょうど時間もいいし、一緒に夕食を取ろう。」
リオ:「はい。ありがとうございます。」
それから、みんなで夕食を食べながら、おしゃべりして時を過ごした。
いつもにも増して、シャビル王子がお喋りになっていた。しつこいくらいに帰ってくるように念を押されたのも含めて。
本当にいい人だな。ふふふ。
◇◇◇◇◇
次の朝、リオたちは早速、ドクストン王国に向けて出発した。今回は隣国までの行程になるので長旅になりそうだ。
リオ:「ゼータ!サラン!よろしくね!」
ゼータ:「うん…わかったよ!」
サラン:「承知しましたわ!」
ゼータとサランが大きくなって、凛々しい姿で毛並みも輝いている。
これぞ、神獣って感じだな。
前より速いスピードで北に向かっている。
乗り心地は最高!景色は置き去りに!
途中、魔物と遭遇しつつも、圧倒的に討伐を繰り返し、ドクストン王国を目指していった。
◇◇◇◇◇
一方、数日後、ドクストン王国にて。
リオたちより早く、レキたちがドクストン王国の王都に辿り着いた。しかも、途中、冒険者たちの殺戮を繰り返しながら。
マリス:「レキもだいぶレベルが上がったようね。」
レキ:「そうだな。結構殺しまくったからな。」
マリス:「ここでもやることがあるんでしょ?」
レキ:「そう。ここには迷宮がある。
当然、迷宮内には大勢の冒険者がいるからな。
これは狩りをしないわけにはいかないよな。」
マリス:「ふふふ。徹底してるわね。いいわよ。
人間の恐怖に怯えた顔が堪らないわー。
そのあと、震えながら命乞いをするのよね。
虚勢を張ってたくせに脆いわー。」
レキ:「マリスがいると楽勝だからな。
笑いが止まらないな。ははは。」
それから、レキとマリスは冒険者ギルドに立ち寄っていた。
受付:「今日はどのようなご用件ですか?」
マリス:「私の冒険者登録よ。お願いできる?」
マリスは翼を隠しているため、魔人とはバレていない。そもそも、魔人が存在しているとは夢にも思ってないので、当然かもしれないが。
受付:「はい、大丈夫ですよ。登録料が10000ペロになりますがよろしいですか?」
レキ:「ああ、これで。」
レキは大銀貨を1枚受付に渡した。
受付:「はい、右手をこちらに置いてください。
はい、完了しました。冒険者証をお渡しします。失くすと再発行に手数料がかかりますのでご注意くださいね。」
マリス・オズボーン Fランクハンター
マリスは冒険者証を受け取って、レキと一緒にギルドを出た。
レキ:「問題なく登録できたな。」
マリス:「そうね。まあ、問題があっても皆殺しにしたけどね。」
レキについては、すでに冒険者登録はしている。カランマ・グランベルという偽名でだが。
当然、レキもFランクハンターである。
レキ:「ほんじゃ、早速行くか。
ここの迷宮はFランクでも入れるらしいからな。」
マリス:「そうね。行きましょう。殺戮に。」
◇◇◇◇◇
その頃、サザンオール王国では、ギルドの調査団が拠点の調査から帰ってきて支部長であるグレコが報告を受けていた。
グレコ:「それで、拠点は丸焦げで跡形もなくなっていたわけね。」
調査団:「そうだな。目ぼしいものは何一つなかったぞ。行き損だったな。」
グレコ:「それならそれでいいのよ。
ありがとね。報酬を受け取って帰ってもらってもいいわよ。」
何かは残っていると思ってたけど、ゼビウスのやつ、無茶苦茶するわね。
あいつ向いてないわ。
まあ、とにかく、本部にはそのように報告しときましょ。
◇◇◇◇◇
サザンオール王城のアルベル王子居室にて。
アルビル:「ハガン。戻ったか。」
ハガン:「ああ。危なかったが、調査団より一足先に拠点に着いた。
ほとんど、丸焦げ状態で跡形もない状況だったが、アズワドの部屋の位置にこの金庫だけが残っていた。
鍵は解錠できなかったんでそのまま持って帰ってきたぞ。」
アルビル:「そうか。よし。よくやった。これで証拠は残ってないな。最悪の事態は免れたな。」
ハガン:「で、この金庫はどうする?」
アルビル:「そうだな。あいつに開けさせよう。」
ハガン:「ん?ああ、あいつか。
だったら、呼びにいかそう。」
アルビル:「頼む。アズワドのことだ。何か隠し持っていたんだろうよ。計画失敗の補填にもらっておくとしよう。今後の話はそれからだな。」
ハガン:「わかった。じゃあ、継続ってことだな。」
アルビル:「そうだ。アズワドはいなくても、他にもツテはある。このままじゃ、終わらねえよ。」
◇◇◇◇◇
戻ってドクストン迷宮の入り口。
ここは王都内の北のはずれに位置している。
迷宮の入り口には、管理人が2人並んで立っており、冒険者証の確認をしているらしい。
管理人:「お前たち2人か?冒険者証を見せろ!」
管理人の高圧的な態度にレキとマリスはイラッとしたが、黙って冒険者証を渡した。
管理人:「ふっ、2人ともFランクか。いいぞ。」
レキには哀れな目で、露出度の激しいマリスには舐め回すようないやらしい目で見ている。
これにもイラッとしたが、黙って冒険者証を受け取り、迷宮の中に入っていった。
◇◇◇◇◇