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私の家に到着し、荷物も全部ダンボールにつんで運び終えた。
「愛衣ー、どうしてぬいぐるみなんて持ってきてんの」
『あ、リーナベルちゃん?これママが買ってきてくれた大切なやつだから!』
「ま、いいじゃねェか。女子ってぬいぐるみとか好きだろ?」
「…おばさんが一人でディズニーシー行きたくないって最後までごねてたけど、無理やり買ってこさせたぬいぐるみね」
「…ミナさん、一人でシー行ったのか。男気あるじゃねぇか」
『師匠、それママに言ったら殺されますよ』
そもそも女なのに男気道場に通ってる私もどうかと思うけど。まぁ皆で暮らす時間は楽しいからいいけど!
「うし、忘れもんはねぇか?」
「『はーい』」
「じゃ道場へ帰るぜ!」
再び車は走り出した。
気づいたら外は真っ暗になってて、人っ子一人いない。
道路の暗がりから誰か襲ってきそうで、少し怖かった。
「そういえばどうして真白と愛衣は二人で住んでんだ?!」
「…あぁ、ちょいとばかし事情があってな」
『あれ、師匠知ってるんで?』
「…え、な、何があったんだ?!」
「俺よく覚えてないんだけど、俺昔は個性があったみたいでさ。超回復?って個性みたい。幼稚園にも行ってないガキの頃さ、親に内緒で愛衣と一緒に冒険に出たんだ」
『…それは覚えてる。丁度こんな時間だったね』
「サンタに星をプレゼントしたくて、二人で星を取りに行ったんだっけ」
『そうそう、夜空の星。気がついたら真白が消えててさ。ずっと手を繋いでたのにね、急に消えちゃって』
「俺もその後の記憶はなくてさ。その時俺の個性が消えたらしくて。その事故のせいで俺の体の回復機能が人より衰えちゃってさ。俺を探しに出た親父も帰ってきた時には個性が消えてて」
『…ショック吸収だったっけ』
「うん、そう言ってた。それで親父、今アメリカで個性が戻らねーかって治療を受けてて。また誰かに襲われるとまずいから、愛衣の親父さんも付き添ってるんだ。愛衣も親父さんの個性も強い個性だから」
「…確か、ゲーマーって個性だったよな。ゲーマーの個性持ち以外に新しい力を付与して自分も強くなる個性だ。俺も昔世話になった」
「…なるほど、それで真白と愛衣はずっと一緒にいんのか」
「うん、今俺の個性はないから愛衣の力を借りててさ」
「…実は俺も真白の捜索に出てたんだ。その時ライさん、愛衣の親父さんと仲良くなってよ」
『なるほど、師匠とパパってそういう縁だったんですね』
「それから真白も親父さんもあまり外に出なくなってんだ。だから真白が一人でトレーニングをしてた時は驚いたぜ」
「あー…、あの時はごめんなさい。もうしません」
夜の真っ暗な静寂が襲ってくる。
夜寝る時も早いから、こんなに暗い世界は始めてだ。…守らなくちゃ、真白を守らなくちゃ。