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私は朝が苦手だ。朝起きることが苦手であり、吐き気がすることが多い、学校にも行けなくなった。小学一年生の時のように、早く起きて、学校に行きたいと思えるような生活がしたかった。
何が駄目だったんだろう、私は、何か、駄目なことをしてしまったんでしょうか。
なんて考えてると、ドアがコンコンとノックする音が聞こえる、その後に、
「ご飯、置いとくね、学校、行けたら行ってね…」
と、静かで、悲しい声がする。
今日は、行けるかな…。今、ドアを開けて勇気を振り絞ろうかな、そんなことを考えて、立とうとしたが、体に力がはいらなかった。立てない、動けない、金縛り?ううん、違う、なんだ、勇気がないのか?少し外に出たいな、お母さんに迷惑をかけるのはもう嫌だな…その時頭によぎった言葉は、自殺だった、もっと迷惑がかかるんじゃないか、、でも、生きてく理由もない、なら死んでもいい…なんて…。
私は朝、母が置いてくれたご飯を静かに食べた、少し時間が経っていたので、冷めていて、ご飯が冷たい。ご飯を食べ終わったらやることがなくなってしまった。正直、散歩をしたい気分だ、着替えて外にでも出ようかな。上下セットの黒いジャージを着て外に出てみた、少し風が吹くだけで寒くなる、学校に行かなくなって久しぶりに外に出たからか、まだ秋なのに体が弱って寒く感じてしまうのかもしれない。訳もなくフラフラと歩くのもあれなので、子供の頃、お母さんと行った展望台でも、行ってみようかな。
久しぶりに歩く街並み、何も変わってない訳でもないが、あまり変わらない風景だった。
窓から見えた場所、何故か愛おしく思えてしまう。見える景色を、楽しみながら歩いていると目的地についた。お母さんと来た時よりも、低くなったような気がする。背が伸びたのだろう。あの時は、楽しかったな…なんてね。階段を登っていくカンカンという音がやけに頭に響く。上に着いた時には下から見た時よりも高く感じた。此処から飛び降りたら、死ねるんじゃって思うくらいに高かった。そう思った時には柵に手をかけ、飛び降りようとしていた、そんな時に限って、人に声をかけられるなんて思いもしなかった。
「ねぇ、君?」
と声が聞こえて慌てて手を柵から離した。
「…なん、ですか?」
久しぶりに喋ったもんだから途切れ途切れで喋ってしまう。
「この高さじゃ、完璧に死ねないよ。」
「そ、そうなんですね」
黒髪で、何か、特徴的なクロスタイをつけているミステリアスな青年だった。というか、なんで私が死のうとしてたって分かったのだろう。
「まぁ、死ぬのは辞めといた方がいいと思うね。ただ痛いだけな気もするし」
「は、はぁ…?」
「じゃぁね、俺は行くところがあるから」
なんか、嵐のような人だったな、取り敢えず帰るか。外に出たら疲れちゃった。家に帰ったらゆっくり寝ようかな。不思議な人だったな。
翌日の昼、はぁぁっと大きめの溜息が出るほど疲れたし、秋なのに死ぬほど部屋が寒い。
布団の中まで寒いな、そういや昨日の人、何しに行ったんだろう…。
そういや、今日は、家にお母さんがいる、要するに階段を降りてしまったら、親に会う訳だ、一人でいたいな。学校も友達いないし、みんなに嫌われてるし、私、あまり馴染めてないし、でも、傷ついた私が悪いんだよね。両親にも会いたくないな。愛されたい。なんて考えてると、下から
「乃音、(のん)貴方に会いたいって人が来てるわよ、」
と大声で叫ぶお母さんの声。でも、動きたくない、人に会いたくない、帰ってくれお願い。でも行かなきゃ、また迷惑かけちゃうな。重い体を一生懸命に動かしながら起き上がり、下に降りていく、、そこにいたのは、
昨日の、あの青年だった。
「やぁ。」
私の頭の中は疑問だらけだった。
「ちょっと、来てもらってもいい?」
私は首を縦に動かして、頷いた。
「君、乃音ちゃんは、何故、昨日死のうとしてた?」
「特に」
そう答えるのがいいと思った、誰かわからない、信用できない人に、相談することでもないんだからね。
「そうか、じゃぁ、生きた方がいいね!」
「…は?」
あ…は?とか言ってしまった、まぁ、同い年のように見えるしいいか。
「ちなみに貴方、名前なんて言うの?」
「俺の名前気になる?教えなーい」
気に障る言い方をするな、この人苛々してしまいそうだ。
「じゃぁ、年齢は?」
「18歳だよ、多分君と同じだよ」
「そう、じゃぁ、同い年だ。」
「それで、君が聞きたいのは、なんで此処に来たのかと、なんで、此処が分かったか?でしょ」
エスパーかな、いいや違うな、誰もが気になることだからだ。
「因みに、此処に来た理由は、仕事だよ、仕事」
「仕事?」
「そう、俺はカウンセラーだ。」
どうせ、嘘なんだろうな、だって18歳が仕事なんて。
「なんだ、貴方に話すことはないよ?」
「そう言うと思ったからね、君のお母さんにね、何日間か泊まらせてもらおうかと、だから俺は君の家に泊まることになったんだ」
この人、もしかして、変態か、それともストーカーか、なんかなのかな?
「君、いま、失礼なこと考えなかった?」
「全然」
「取り敢えず私、一人になりたいから、こないでね」
部屋に戻ってから考えた、もう人に会いたくないし、会話もあまり弾まない私があの人と、普通に話せたのか、わからない取り敢えず眠ろう。疲れた。