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俺の瞳は、いつだって遠くを捉えていた。
その狙いは、果てしない戦場のどこかに漂う死の影。
冷たく乾いた風が頬を撫で、煙と鉄の匂いが鼻を刺す。
けれど、そんな世界の中で唯一、確かなものがあった。
“スマイル”
彼の声は俺の耳に、囁く風のように届く。
sm「シャークん、此処は危険だ。こっちに__」
此奴は魔法使いだった。
腕の中で疼く魔力を静かに操り、
敵の動きを先読みして守り、
俺の弾丸が命中するまでの時間を稼いでくれた。
俺らは戦場の暗い闇に光を灯すバディ。
…でも、今は違う。
彼の姿は、俺だけに見える。
指を伸ばしても、その輪郭は煙のように揺らぎ、
掌の中をすり抜けてしまう。
あの日、彼は消えた。
命を懸けた魔術の儀式の中で。
仲間たちは口を閉ざし、俺に嘘をつく。
nk 「………彼はもう、この世にはいない」
_と。
けれど、俺の耳にはまだ彼奴の声が響く。
幻か、それとも___夢なのか?
夜が深くなると、夢と現実の境界は薄れていく。
彼奴は微笑みながら遠い星の話を聞かせてくれた。
sm「お前は見えるだろ。あの光。」
俺は、震える手で狙いを定める。
だが、その先にあるのは、敵の影ではなく、 彼の消えた痕跡ばかり。
戦争は終わらない。
現実は俺を追い詰める。
それでも、俺は彼と共に生きている。
彼の名前を決めたのも、
彼を暗闇から連れ出したのも、
彼の初めての友人も親友も、
…初めての恋人だって
全部俺だ
彼がこの世にいなくても、俺の中で呼吸している。
・・・
銃声や鉄砲の音が響く。空には槍が飛ぶ。
ある夜、星空の下で俺は決めた。
もう、彼を探すのはやめようと。
夢の中でなら、いつまでも会えるのだから。
俺はこの世にお礼を言い瞼を閉じ、最後の呼吸を吐き出す。
今身体中から溢れる、生暖かい真っ赤な液体を感じるのも今日で最後
ぼやけて見える視界も、真っ暗になっていく。
すると、薄明かりの中に彼の姿が浮かぶ。
俺は手を伸ばした
「……す…ま……ぃる…」
sm「………頑張ったな」
俺は夢の中でスマイルの手を取った。
硝煙の匂いは消え、二人は静かに夜明けへと歩き出す。