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ということでどぞー!
○目次○
スバ颯
北颯
まこ颯(颯馬がちょいヤバ)
まお颯
英颯
渉颯
桃颯
弓颯
ひい颯
あい颯
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スバ颯
いつからか。彼がとてもキラキラして見えるようになったのは。いや、きっとずっとキラキラしてた。俺が気づかなかっただけで。今、俺は、彼が…神崎颯馬がほしい。
そう望んだ時目の前に彼が現れた。
「明星殿…少し聞きたいことがあってな。今時間は大丈夫だろうか。」
「ザキさーん!!全然大丈夫だよー!!聞きたいことってなに?」
目の前にいたことが嬉しくて思わず抱きついてしまう。
彼の体温が直に伝わって嬉しい。
そしてこの日の彼の反応はいつもと違った。
「む、明星殿……今日は甘えん坊の日なのか?」
そう言って抱き返してきたのだ。
なんだか恥ずかしくて彼の胸に顔を埋め、力を込める。
「…そうか。そのような日もあるよな。聞きたかったことは大したことではないので日を改めるとしよう。」
俺を拘束する手が緩む。
なんで離されるのか分からず力いっぱい彼を抱き締める。
「やだ!なんで離れようとするの!?さっき俺の意思汲み取ってくれたんでしょ?なら、抱き締めててよ!!」
目尻が熱い。視界が歪む。頬に何かがつたう。
「明星殿…すまない…立ったままなのは辛いだろうと思って座らせようとしたのだ。結果、明星殿を泣かせてしまった。本当にすまない。」
そう言って止まらない涙を拭ってくれる彼。
「ううん…俺もごめん。勝手に勘違いして怒鳴っちゃった…。……許してくれる?」
「もちろん、明星殿が笑顔でいてくれることが我の幸せだ。」
俺が笑顔でいるとザキさんも幸せ…??
俺のいいように解釈してもいいの?
「ありがとう……ねぇ、ザキさん。」
空いている椅子に座ろうとする彼を呼ぶ。
「どうした?」
「あのさ、ザキさん俺のこと好きなの?恋愛的な対象として。」
彼はこちらを見て固まりじわじわと顔が赤くなっていく。
「っへ、な、何故そう思ったのだ?」
声を震わせ涙を溜めながら問い返してきた。
明らかに図星だ。
俺はこれ以上にない幸福感で満たされていた。
「だってさ、明らかに他の人と態度違うよ?ザキさんは他の人にも優しいけど、俺には他の人以上に気にかけられてるっていうか…いっぱい甘やかされてる気がするんだよね〜」
「明星殿…い……たか…」
「え、なに?ごめん、聞こえなかった!」
「明星殿は我にそのような想いを寄せられて引いたか。と聞いた」
「いや?全然、むしろ嬉しいっていうか…俺も同じ気持ちだし……」
彼は目を見開いた。そんなに驚くことだろうか。
「あはは…両想いだね。」
そう言って彼の手を握る。
「はは、そうだな。」
彼も同じように握り返す。
そして数秒見つめ合ったあと、教室の床に映された影は重なり合う。
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北颯
○事後翌日
「神崎…またつけたのか……」
そう問うてもなんの返事もしない彼。
今日これを問うのは何回目だろうか。
今までは気に止めていなかったが、今日は撮影があったので仕方なく問うことにしたのだ。
しかし、何度聞いても返事が返ってくることはない。
「…怒ってないから無視するのをやめてくれないか」
「氷鷹殿が悪いのである…いっぱい甘やかされるので嬉しくてつい沢山つけてしまうのだ…」
少し拗ねた様子でいつもキスマをつける理由を話す。
そんな姿が可愛く思えて頭を撫でる。
「ん、くすぐったいのである…」
「…俺はこれから準備して出発しなくてはならないが、神崎はもう少し寝ているか?」
「ん〜…氷鷹殿と一緒に寝るのである…」
「だめだ。何もない日からともかく、今日は撮影があると言ってるだろ」
「む。じゃあ我も行く…だめであるか?」
服を引っ張って上目遣いをしてくる。
俺は、この神崎に弱い。それを分かっていての行動だとしてもだ。
「…仕方ない。撮影が終わるまでいい子にできるか?」
完全に子供扱いである。
同い年だが、心配なものは心配なので許してほしい。
「うむ。氷鷹殿のお仕事が終わるまで我しっかり待っているのである!」
そう言って支度をし始める彼。
少し急いで準備している彼はいつになく嬉しそうだった。
そして準備が終われば俺のもとにいそいそとやってくる。
そんな彼が愛らしい。
あぁ、この二人っきりの時間が永遠に続けばいいのに。
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まこ颯 嫉妬
「え、い、今なんて言ったの?そしてこの状況何!?」
なんでこんなに驚いているかというと最近付き合い始めた神崎くんに縛り付けられているから。
「遊木殿がいけないのである。我という者がありながら我をしっかり見てくれないから…」
そう言いながらいつも持ち歩いている刀を引き抜いて僕に見せた。
「…えっと、これは?」
「遊木殿のために毎日丁寧に研いだのである。とっても切れ味が良いので痛みを軽減できると思ってな。」
妖艶な笑みを浮かべている彼を見て分かった。
神崎くん僕のこと殺すつもりだ。
人間の嫉妬はここまでヤバいのかと関心してしまう。
「ちょ、神崎くん!僕が悪かったよごめんね?ずっと寂しい思いさせてたってことだよね。僕、付き合うってよくわかんなくて、これから一緒に僕達なりのお付き合いをしませんか?」
少しだが彼の瞳に光が戻った気がした。
「…その言葉信じてもよいのか?ほんとに…ほんとであるか?」
「うん、本当だよ。だから安心して?」
コクンと頷いて拘束を解いてくれる彼。
僕はお礼を込めて彼の頬を撫でる。
そして、彼はその手に擦り寄ってきた。
「我、遊木殿のことをこれからもずっと慕い続ける所存である。」
目を細め頬を赤らめる彼。
そんな彼を見て胸が高鳴る。
命の危険に晒されたのにそれがどうでもよくなるくらいに愛おしいと思った。
そう思った僕も大概おかしいのかもしれない。
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まお颯
いきなりだが、俺は神崎の髪の毛が好きだ。
動く度に一緒に宙を舞う髪を美しく思った。
付き合った今も髪の毛が大好きでよく触らせてもらっている。
神崎から聞いた話だが俺が意識していないだけで二人っきりの時は必ずと言っていいほど髪の毛を触っているらしい。
そして今も彼の髪を触っている。
「衣更殿…ずっと思っていたのだが、衣更殿は我にではなく髪の毛に惚れたのではないか?」
ずっと無言だった神崎が口を開く。
考えたこともなかった。俺は純粋に彼が好きだ。もちろん、きっかけは髪の毛だが…。
「そんなことないぞ?俺は神崎が大好きだよ。…まぁ、意識するきっかけになったのは髪だけどな」
「…そ、そうか……では、髪だけではなく我のことも触ってくれぬか?」
そう言って神崎は俺の脚に跨ってこちらを見つめる。
俺は同意の意味を込めて緩く抱き締めた。
「今からたっぷり触って可愛がってやるから覚悟しろよ?」
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英颯
※ズ!軸
「生徒会長殿、我に何の御用だろうか。」
静かに紅茶を嗜んでいると待っていた人物の声が聞こえた。
「やあ、神崎くん。待っていたよ。特に用事はないのだけれど会いたくなってしまってね。」
彼に近づき頬を撫でる。
ぴくりと少し身体が跳ねたのが分かる。
徐々に赤みを増す彼を見ていると愛らしくてつい口付けをしてしまう。
角度を変えて何度も何度もキスをした。
「んっ…はっ…ぁ、生徒会長…殿ぉ……」
息を切らせて涙目で見つめる彼は僕の心を乱すには十分だった。
これが無自覚なのだから恐ろしい子だ。
「悪い子だね、神崎くんは…僕がその身体に教えこんであげよう。」
そう言うと怯えたような期待しているような目でこちらを見上げる。
「さあ、調教の時間だよ。」
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渉颯
「神崎くん。今日こそは着て頂きますよ!」
今日は可愛い服を沢山仕入れましたからね。
是非着て頂きたいものです。
「日々樹殿!何度言えば分かるのだ!我は着ないと言っているだろう!!」
羞恥で頬を染める彼なんと愛らしいのでしょう。
そんな顔をされてしまっては、無理矢理にでも着せてしまいたくなる。
自然と口角が上がり気づけば彼を担いでいた。
「ひ、日々樹殿!?早く降ろすのである!!」
じたばたと暴れる彼を落ちないように担ぎ直せば諦めたのか凄く大人しくなった。
「おや?今日は随分と諦めが早いですね。偉いですよ。」
「たまには、その…恋人の要望にも応えねばならないなと思い…今日くらいは…と」
「素直なことはいいことです。今日はたくさん可愛がってあげますからね。」
似合う服を見繕うのは私、それを脱がすのも私です。
誰にも邪魔させません。
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桃颯
「神崎せんぱーい!!一緒に帰ろー!」
見覚えのあるシルエットにすぐさま飛びつく。
神崎先輩は英智様には劣るけど大好きな人!!
僕と神崎先輩は付き合ってるの。
これはまだ誰にも言ってない秘密だよ。
「っ、あぁ…姫宮か。もちろん良いが、伏見殿はどうした?」
「弓弦?弓弦なら今日は午後から仕事があるって言ってお昼からどっか行ってたよ。」
いつもこうだ。
僕が話しかければ他の人のことを聞いてくる。
いつもは気にしなかったけど今日はもう限界!
「ねえ、それよりさ神崎先輩…今日、神崎先輩のご飯食べたーい。だめ?」
「いいぞ。何が食べたいであるか?」
「んーとね、ハンバーグと……あ!!神崎先輩ってふわとろオムライス作れる?」
「ふわ…とろ…?普通の『おむらいす』と何が違うのであるか?」
「えっとね…玉子を切ったらね焼けてない玉子がとろとろ〜って出てくるの!!この前動画を見てたら見つけたの!!凄いんだからね!」
「そうか。では、作る前にその動画を見せてくれぬか?」
「いいよ!……神崎先輩ってさ、」
この先の言葉は出てこなかった。
否、出せなかった。
嫌われると思ったから。
思っちゃいけないんだろうけどなんか意識されてない気がしてモヤモヤしたんだ。
だから足を止めて声をかけた。
「どうした。姫宮っ…ん」
神崎先輩が振り返った時僕はネクタイを引っ張ってキスをした。
「神崎先輩と僕は付き合ってるんだよ?少しくらい意識してよね…」
「…ずっとしておるし。」
頬を赤らめ目を逸らして言う神崎先輩にドキッとする。
「だ、だって…僕といるとき、ずっと余裕そうにしてたじゃん!!てっきり僕…意識されてないのかと…」
「姫宮…我はずっと姫宮を意識しておるし慕っているのである。」
神崎先輩の大きくて少し冷たい手が僕の顔に触れる。
僕はその行動するときの神崎先輩を知っている。
「神崎先輩…ごめんね。でも、それはだーめ。帰るまで待ってね」
この神崎先輩を知っていいのは僕だけだよ。
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弓颯
「神崎様、お手伝いしますよ」
共有ルームでご飯の支度をしている神崎を見た伏見は声をかけた。
「伏見殿…お気持ちは嬉しいのだが、これは我だけでやると決めたので…」
そう言ってそそくさと奥の方へ行ってしまう。
伏見はそれを追いかけ壁へ追い詰める。
いわゆる壁ドンというやつだ。
「そんなことを言われてしまったら私とても寂しいです。」
「そ、そうか…だが、これは我がやらねば意味がないのである…こればかりは譲れぬぞ。」
「どうしても教えて下さらないのですね。私…とても傷つきました…」
ぐすん、と泣き真似をしてみせる弓弦。
それを真に受けて焦っている颯馬。
「あ、ぇっと…こ、れは…最近伏見殿が仕事を詰めすぎていると聞いて作っているものである。だから…伏見殿が、手伝ってしまうと意味がなくなってしまうのだ。」
予想外の返答に目を見開いている弓弦。
まさか、自分のことを心配して作っている物だとは思わなかったからだ。
「な、なんであるか…余計なお世話だったか?」
「そんなことはありません!私がこんなに思われているなんて思いもしなかったので…神崎様が私の為にここまでして下さるとは…」
「……おるし。」
「?神崎様今なんとおっしゃいました?」
「我…伏見殿のことを慕っておるからこのくらいしても良いだろう……」
普段の彼とは思えない程消え入りそうな声で言う。
「そうだったのですね。神崎様が私と同じ気持ちで安心しました。これからよろしくお願い致しますね。」
彼を抱き締め頬に口付けを送る。
「お、おぅ…よろしく頼む…」
「ふふ、ということで私にご飯を振舞ってくださいまし。そして食べさせてください。」
冗談だ、と言おうとした時に彼が重ねて言った。
「あぁ、伏見殿がそう申すならそうしよう」
柔らかく笑む彼を見て胸が締め付けられる。
あぁ、この方はなんとずるい方なのでしょうか。
もし、神様が存在するのであればこの空間をもう少し味あわせてください。
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ひい颯
「天城、少しいいだろうか。」
そう言って僕の教室を訪ねてきたのは恋人である紅月の神崎先輩。
後輩の教室に来るのは慣れていない為か少し周りの目を気にしている様子だった。
「うむ!もちろんだよ、神崎先輩!」
席から立って神崎先輩の方へ向かう。
もう少しで昼休みが終わるという時にどうしたのだろうか。
忘れ物でもしたのかな。
そう思いながら神崎先輩に近づき目の前まで来た。
「どうしたのかな?神崎先輩、わざわざここまで来るなんて珍しいね。」
よく見れば顔が赤くなっていることがわかる。
「…場所を変えるのである。」
なにか考えがあるのだろうと頷いて先輩に着いていく。
着いた先は海洋生物部の部室だった。
中に通され、辺りを見るとまるで水族館に来たかのような感覚に陥った。
水槽を眺めているとカチッと鍵が閉まる音がした。
「神崎…先輩?何をしているの?もうすぐで昼休みが終わっちゃうよ。早くしないと授業に遅れちゃうよ。」
「…最近仕事の都合が合わなくて触れ合えていなかっただろう。『おふ』の日が被っても天城は『ゆにっと』や『さーくる』の『めんばぁ』と遊びに行ってしまう。我はここ数日本当に天城と付き合っているのか疑った。我だけが天城を好きなのではないかとも思った。だから今それを確かめようと呼んだのだ。」
神崎先輩は今にも泣きそうでとても苦しそうだった。
僕が神崎先輩をここまで苦しめていた。それを今実感した。罪悪感で言葉が出なくて黙ることしかできなかった。
「天城は…我を、好きではないのか?それならば何故…」
気づいたら僕は先輩を抱きしめていた。
離れることがないように強く強く抱きしめた。
「あま、ぎ…?なん、で…」
「神崎先輩。不安にさせてごめんね。無知で不器用な僕を許してほしいな。僕は先輩が思ってるよりずっと先輩のことが好きだよ。」
今までの謝罪と少しの下心を込めて先輩の首筋へ口付けを送った。
この前調べたこと。キスする場所にはそれぞれ意味がある。首筋へのキスの意味…先輩は知ってるかな?
「あ、ぇ…」
顔を真っ赤にしてはくはくしている神崎先輩。
とても愛おしくてもっと欲しくなってしまう。
「…天城。その…いつでもいいぞ…我の…全てを天城にやる。」
ネクタイとベルトを緩めて恥ずかしそうにこちらを見つめる先輩は可愛くて色っぽくて僕を誘惑するには十分だった。
「泣いても辞められないからね…神崎先輩。」
2人が部室を出たのは日が沈んでから。
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あい颯
「白鳥…なぜ何もしてくれないのだ?」
「…は、ぇ?」
神崎先輩今なんて言ったの?
何もしてくれないのか?どういうこと?
藍良はいきなり言われたことが分からず固まってしまう。
「だから、何故我を求めずにこうやって何もせずに過ごすのだ?白鳥はそれで満足なのか?」
「へ?あ、っとぉ…俺は神崎先輩と一緒に居れたら嬉しいんです。そういう下心がないとは言い切れないですけど、申し訳ないというか恐れ多いというかぁ…でも、神崎先輩がしたいなら俺も覚悟決めます!」
「その、覚悟というのは…何の覚悟なのだ?」
「え?神崎先輩が言ってるのって俺の事を抱きたいんだと思ったんですけど違うんですか?」
それ以外に何があるのか逆に教えてほしいくらいだ。
颯馬は藍良の言葉を聞いて頭を抱えた。
直接抱いてくれと言えず回りくどい言い方しかできない自分に嫌気が差した。
同時に、これくらい察してくれと思う自分もいた。
流れる沈黙を破るように颯馬が口を開いた。
「…白鳥が抱いてくれ。」
「え…!?な、ななな…お、俺が!?神崎先輩を?だ、抱いていいの!?」
「いいと言っているだろう。今更取り消すことはしないのである。」
「俺…初めてだから勝手とか分からないけど、辛くなったら言ってくださいね?」
そう言って神崎先輩の頬に手を添える。
それに応えるように先輩は俺の手に擦り寄りチラリとこちらを見た。
あまりにも綺麗で気がつけばキスをしていた。
触れるだけのものから濃厚なものまで制止の合図が入るまで続いた。
自分でも驚くほどがっついていて引かれないか心配していたが、先輩は真逆でそれ以上を期待している目をしていた。
そこから先の記憶は曖昧で、唯一覚えていることがあるとするならば神崎先輩がとても可愛かったことかな。
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end