テラーノベル
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※この作品は私の前垢にて投稿していた《拝啓、本当の幸せを求める君へ_。》という作品のリメイク版です。
↑リメイク前を観たい方は、こちらの方を検索してご覧ください。
※小説の中で、暴言等の要素を含みますが 、これらを肯定したり、助長したりなどの意図は一切ございません。
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話をしていると、外から建物が崩れ落ちたような轟音と、悲鳴が街中に響いた。そして、その音はランダ宅にも聞こえていた。
《なっ、何の音!?まさか地震…?誰か下敷きにでもなってたら……!!》
その瞬間、ランダの中で自身の父親がフラッシュバックした。あの日、自分達を助けるために身代わりになった父を。
《…行かないと》
ランダは食卓を立ち、外へ向かう。
《えぇっ!?ちょ、ランダ!!》
だが、時すでに遅し。ランダは家を飛び出しており、声は届かなかった。
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息切れしながら向かった先には、建物が崩れ、火が燃え広がる街があった。怪我人も多数いるようだった。
《もう火がこんなに…誰か!!怪我人を運べる人は居ませんか!!》
彼女は周りに呼びかけつつ、できる限りの怪我人を街の外へ運んでいった。
それから数分後、怪我人は全員、街の外の病院に運ばれて行った。
自分も避難しようとしたが、何か忘れているような気が…。
《…!!姉さん!!》
その大きな声と共に家の方から悲鳴が聞こえた。悲鳴の正体は恐らくリヨだ。
息切れしているにも関わらず、ランダは一生懸命に、家の方へ走った。
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《…ハァハァハァ…姉さん!!何処!?》
見回すが、辺りにリヨらしき人影は無い。
そんな時、地面に落ちてあるチョーカーを見つけた。これは自身の母親の形見でもあり、リヨが大事にしていたものでもある。
《おいバカ、早く撤収しないと見つかる》
《ごめんって〜すぐに行くからさ?》
チョーカーを見つめるランダの背後には、謎の人影が二つ。
ヒソヒソ話をしていたようだが、耳がいい彼女には全て丸聞こえ。
《!?誰だお前ら!!待てっっ!!》
《………チッ》
ランダが駆け抜けた次の瞬間には、その人影はなくなっていた。 わずか1秒の間に。
《おーい!!ランダさん!!もうこの街は駄目だ!!急いで!!》
謎の人影に気を取られていたランダに、他の住民が呼びかける。
彼女は仕方なく、自身の命を最優先にする事にし、街の外に向かった。
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その後、何週間もの時間をかけ、街の火は消火された。
ランダも街に戻り、自分が住んでいた家に戻った。幸い、家はあまり燃えておらず、無事だった。
《…俺のせいで姉さんが…俺、姉さんがいなかったらどうしろっていうんだよ…》
涙に塗れたチョーカーを、ランダは力強く握りしめた。その手の中には、勇気と決意があった。
《…ここで弱音を吐いたって姉さんは帰ってこない。絶対に助け出さないと》
ランダは目一杯カバン一杯に使えるものを詰め込み、新たなる新天地へと駆けていくのだった。
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《…ただいま戻りました。〇〇様》
《ご苦労様であった。それより例の者は》
《捕まえてあります。ですが、ターゲットではない者を捕まえてどうするのです?》
《それで良いんだ。あいつは必ず取り返しに来るだろう。その時にZ計画を実行する。成功すれば、世界は我らヴァルキューレの物になるのだ!!》
《…成程、実に興味深いですね》
《…さぁ、来るがよい!!ランダ!!》
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❏補足
謎の集団《ヴァルキューレ》
おそらくリヨを連れ去ったであろう集団。
現在は目的は不明であるが、どうやら
ランダを狙っているようだ。
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→次回
《行く手を阻む者》
コメント
3件
追記:2025/03/26 物語が分かりやすくなるように画像を追加しました!
まってました!
お疲れ様です…!🍵 今回も凄いクオリティでした!次も楽しみです✨