テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
shk視点
恋愛経験ゼロ、彼女いない歴=年齢。
生まれてきて20年。
気づけば、そんな肩書きがついていた。
中高は男子校だったから女子との関わりはゼロ。
大学に入ってからも、ゲーム仲間と遊ぶだけで女の人と話すことなんてほとんどなかった。
でも、そんな自分を恥ずかしいと思ったことは無い。
俺にはゲームがあるし、なにより今の生活に満足している。
どこぞのサークルの男みたいに必死こいて彼女をつくる必要なんてないのだ。
俺は、今のこの生活を守るだけ。
平穏な生活の方が俺には合っている。
バイトから帰宅後。
ひとり暮らしをしているアパートに帰ってくると、隣の部屋の前に何やらたくさんのダンボールが重ねられているのが見えた。
どうやら、引越しのダンボールらしい。
俺がこのアパートに来た頃から、隣は空室だった。
やっと入居者が入ったのか、とその時はあまり気にせず、自身の部屋へ帰宅した。
ピンポーン
「!」
大学が休みの日曜日。
いつも通り部屋に籠ってゲームをしていると、部屋に間抜けな音が響いた。
(営業か…?)
ヘッドフォンを外して、モニターを見る。
ドアの前に立っていたのは、若い男だった。
白いロンTにジーパン。
カジュアルな格好をしているから営業ではないだろう。
それでも少し警戒しながら、ドアを開ける。
「…はい」
「あ、こんにちは!」
ドアを開けると、立っていたのは黒髪の感じが良さそうな男だった。
男は爽やかな笑顔を浮かべながら、持っていた紙袋を差し出す。
「隣に引っ越してきました、きんときって言います」
「あぁ…シャークんです」
「よければ、これ。受け取ってください」
「どうも…」
紙袋を受け取り、再び男を見上げる。
目元の泣き黒子が特徴の、癖のないイケメンだ。
さぞかしモテるのだろうな、なんてことを考えながら、視線を逸らす。
「このアパートとかってルールとかあります?ひとり暮らし初めてで…」
「いやルールは全然…あ、でも」
「?」
「壁は薄いんで、そこは気をつけた方がいいかも…」
デカイ声とか丸聞こえだし、ボイチャとか気をつけなきゃいけないんだよな…
「へぇ、なるほど…」
「…?」
俺がそういうと、きんときさんは少し考えたあと、再び笑顔を浮かべた。
「じゃあ、頑張って声抑えるようにしますね」
「…え?」
「ありがとうございます、それじゃ」
きんときさんはそれだけ言うと、自身の部屋へ帰っていった。
声を抑える…?
「どういうことだ…?」
脳内に考えを巡らせるが、頭がこんがらがるだけだった。
…まぁ、いい声だったし、歌の練習でもしてんだよなきっと…たぶん。
shk視点
「よっしゃGG!」
次の週の日曜日。
画面と向き合い続けること3時間。
ようやくランクをひとつ上げることができた。
達成感に満ちたまま、ゲームをログアウトする。
(もうこんな時間か…)
気付けば、時計は21時を回っていた。
晩飯を食ってないせいか、グゥっとお腹が鳴るのが聞こえる。
なんか適当につくろうと、つけていたヘッドフォンを外した時。
「…?」
壁から、音が聞こえた。
左隣の壁…きんときさんか。
隣人の声が聞こえるなんてよくあることだし、気にせず冷蔵庫を開けに行く。
今日は昨日買った惣菜で…
『ッだめっ…!』
「!」
冷蔵庫を開けたタイミングで、隣から切羽詰まったような声が聞こえた。
「…?」
不思議に思って冷蔵庫を閉じ、壁に耳を当てる。
壁の反対側の音を聞こうと、聞き耳を立てたときだった。
『んあぁっ♡♡』
「ッ!?」
聞こえてきた声にびっくりして、壁から飛び退く。
い、今の声って…
『あっ♡あぁっ♡♡♡』
『だめっ♡そこだめぇっ♡♡』
俺の部屋に響く、明らかに情事中の声。
耳にはいる声に、顔に熱が集まる。
思い浮かぶのは、先週やってきたきんときさんの顔。
部屋に女の子連れ込んでんのか…あんな爽やかな顔してるくせに。
とにかく恥ずかしくて、ご飯を食べる気にはならず、再びヘッドフォンを被る。
爆音で曲を流せば、外部の音が遮断され、少しずつ心も落ち着いてきた。
(今日は…夜通しゲームしよう)
そう決めて、再びゲームの起動スイッチを押したのだった。
「…」
あれから1週間。
『あっ♡あぁっ♡あんっ♡♡』
『やめ、やめてっ♡♡もうだめッ♡♡♡』
毎日のように声が聞こえる。
しかも俺が帰ってきたタイミングを見計らっているかのような時間帯。
どうしたものかと頭を悩ませる。
『あっ♡♡あんっ♡、ひ、♡』
こうしている間も聞こえてくる声。
どんだけ女とヤッてんだ…
隣人の性事情なんて知りたくなかった…
お陰で寝不足だ。
今度会ったら文句言ってやる。
そう決めて、布団を頭から被った。
翌朝。
「ねむ…」
月曜日。
ゴミ捨てをしてから、再び部屋に戻る。
朝の気温はとても低い。
手が悴んでしまいそうだ。
白い息を吐きながら、アパートの階段を登る。
「…!」
アパートの廊下に出た時。
微かに、話し声が聞こえた。
とっさに物陰に隠れて様子を伺う。
見ると、きんときさんの部屋のドアが開いていて、中で誰かが話しているようだった。
(女か…?)
昨日は特に盛り上がってたし、きっとそのお相手だろう。
どんな女の人が出てくるか見てやろうと、息を潜めたときだった。
(えっ…)
口から出かけた声を慌てて押し込む。
部屋から出てきたのは、俺より少し背の高い、若い男。
きんときさんも、遅れて出てきた。
玄関先で何やら親しげに話している。
(え、男…?)
女を連れ込んでるんじゃ…?
じゃあ、あの声は…
俺が目を見開いていると、男ときんときさんの距離が近づいた。
一瞬時が止まる。
そして次の瞬間…キスをし始めた。
「っ…」
男がきんときさんの腰を抱いて、頭に手を回す。きんときさんはそれに答えるように、男の首に手を回した。
目の前に広がる光景に息を飲む。
「じゃあね、きんとき。また呼んで」
「気が向いたらね」
きんときさんは男とそれだけ交わすと、部屋のドアを閉めた。
部屋から出てきた男に見ていたのがバレないように、物陰に隠れる。
男が階段を降りていったのを確認して、ホッと息を吐いた。
誰もいなくなったアパートの廊下を見つめる。
きんときさんが、男が好きだったなんて…
じゃあ、聞こえてた声もきんときさんの…?
顔がボッと赤くなる。
寒さは、もう感じなかった。
あれから1ヶ月。
ゴミ捨て場で会う度に気まずくはなるが(俺が勝手に)、それ以外は特に変わりはない。
バイトやレポートに追われるうちに、先日の出来事はすっかり頭から抜け落ちていた。
「つかれた~…」
3連勤のバイトから帰って、足がもつれそうになりながらアパートの階段を登る。
体は疲労で限界だった。
息を切らしながら自身の部屋の前まで行く。
「かぎかぎ…あれ、」
ポケットに手を突っ込んでから気づいた違和感に、体の動きを止める。
「……ない」
ポケット、バッグ、財布の中。
どこを探しても、あるはずの鍵が見つからない。
最後に見かけたのは…バイト先のロッカー…。
たぶん、そこに置いてきたのだろう。
「まじかよ…」
凄く疲れているのに、部屋に入れないという現実を前に、アパートの廊下に座り込む。
ネットカフェ行こうにも、もうそんな気力は残っていない。
そうしている間にも、冬の都内には冷たい風が吹き込んでくる。
「どうしよ…」
「…あれ?」
「!」
どうしようかと頭を悩ませていると、階段の方から声がした。
「どうしたの?こんなところに座り込んで」
階段を上ってきたのは、黒髪の男…きんときさんだった。
仕事終わりのタイミングなのだろうか。
スーツ姿で廊下を歩いてくる。
「いや…鍵忘れてきちゃって…」
視線を外しながらそういうと、きんときさんがフッと笑う声が聞こえた。
「そりゃ大変だ」
「…」
「行く宛ては?」
「いや…まだ…」
「…ふーん」
きんときさんはそういうと、座り込む俺に視線を合わせるようにしゃがんだ。
「じゃあさ、」
「?」
「俺の家泊まる?」
「…え?」
きんときさんの家…?
泊まる…?
きんときさんの部屋と、きんときさんの顔を交互に見る。
頭に浮かぶのは、先日の光景…
「でも…」
「ここにいたら風邪ひいちゃうよ?」
「…」
「遠慮しなくていいからさ」
きんときさんの言葉に頭を悩ませる。
確かに、このままでは凍えてしまうし、かといって行くあてもない。
うー、と喉を唸らせる。
「…じゃあ、お邪魔します」
俺の言葉にきんときさんは嬉しそうに笑った。
「どうぞー、ゆっくりしてって」
きんときさんに招かれるがまま、部屋に踏み込む。
廊下を抜けて広がるのは8畳ほどの部屋。
ベッドやソファの上にぬいぐるみがバランスよく置かれている。
同じ間取りのはずなのに、PC関係ばかり置かれた俺の部屋より、生活感があり、尚且つお洒落な部屋だった。
少しだけ迷ったあと、ソファの上に座る。
「寒かったっしょ。今風呂沸かすからね」
「あ、ありがとうございます…」
そういうときんときさんは風呂場へ消えた。
出会ってまもない人間を部屋に泊めるなんて、相当なお人好しなのだろう。
申し訳なさを感じながら、部屋を見渡すと、シンクに溜まった洗い物が目に入った。
立ち上がって、台所に立つ。
たくさんの調味料が置かれた台所。
(泊めてもらうんだし、洗い物くらい…)
袖を捲って、スポンジと洗剤を手に取る。
蛇口から出るのは冷たい水。
冷たいけど、我慢できないほどではない。
少し身震いしながら食器に手を伸ばした。
「え、洗い物やってくれたの?」
洗い物がほとんど終わったタイミングで、きんときさんが戻ってきた。
「あ、はい…ただで泊めてもらうのもアレなんで…このくらいしかできないっすけど…」
「いーよ全然!むしろ助かる!」
きんときさんはそういうと、テーブルの上にあったリモコンを手に取った。
ボタンを押すと、テレビがぱちっとつく。
「ご飯は大丈夫?」
「あ、はい。バイトでまかない食って来たんで」
「おっけー」
画面に流れるのは、最近話題のバライティ番組。
「シャークん、おいで」
きんときさんに言われ、ソファに座らされる。俺のすぐ横に、きんときさんも座った。
(距離近い人だな…)
そう感じながらも、別に不快ではないため、テレビに視線を移す。
「テレビとか久々に見た…」
「あ、そうなの?」
「俺の部屋テレビ置いてないんで」
モニターは何台かあるけど、それもほとんどゲーム用。
テレビに映っているのはタレントやお笑い芸人。
申し訳ないが全員分からない。
「最近の子ってそんな感じなんだね」
「最近の子って…きんときさんもそんな変わらないでしょ」
そういえば…きんときさんはいくつなんだろう。
ふと浮かんだ疑問をそのまま口に出す。
「俺?俺はねー、今年で23。」
「あーじゃあ、3つ上…」
思ったより離れてなかったな…
「仕事とかは?」
「普通に会社員。広報の仕事してる」
きんときさんはそういうと、ニコッと人当たりの良さそうな笑顔を浮かべた。
「シャークんは大学生?」
「はい。〇〇駅近くの大学で…」
「え、ほんと?俺、そこの大学出身だよ?」
「あ、そうなんすか」
「うん。いやー世間は狭いねぇ…」
きんときさんは、そう言って再びテレビに視線を移す。
風呂が沸くまでの数十分。
大学や、きんときさんの仕事の話をしながら、楽しく時を過ごした。
…その頃には先日見た光景のことなんて、すっかり忘れていた。
それから数時間。
きんときさんはどうやらゲームが好きらしく、風呂を入らせてもらってから2人でゲームをすることにした。
「何やりたい?」
「んー…ス〇ブラとか?」
「おー戦闘系ね?」
きんときさんからコントローラーを受け取る。
ゲーム機をテレビに繋いで準備完了だ。
「負けた方、なんか奢りね?」
「いいっすよ」
大学やバイト以外の時間は全部ゲームに費やしてんだ。
負けてたまるか。
「えー!!負けた!」
「よっしゃ!」
「ねぇー!もういっかい!」
「それさっきも言ったじゃないっすか!」
テレビに向き合うこと2時間。
全勝無敗で、勝負を決めることができた。
きんときさんは悔しいのか頬を膨らませて画面を睨んでる。
「アイス奢りで」
「えー!」
「約束したから」
「無慈悲…」
悔しそうな顔をするきんときさんに頬が緩む。
何時間でもこうしてたいくらい楽しい時間だった。
「あー楽しかった」
きんときさんはそういうと、ゲームの電源を落とす。
「もうこんな時間だし、そろそろ寝よっか」
「あ…はい」
きんときさんの言葉に頷いて、床から立ち上がる。
「あ。ねぇ、」
「はい」
「俺の部屋、布団ひとつしかないんだけどさ…」
「俺ソファでいいっすよ」
「え、ほんとに?体痛くならない?」
「別に。それにきんときさんは明日仕事でしょ」
「マジか。じゃあ遠慮なく」
ソファに座ると、きんときさんが洗面所からブランケットを持ってきてくれた。
「これだけじゃ寒いかな?」
「…まぁ…たぶん」
「そうだよね。暖房つけとくけど、寒かったら言って」
「あざっす」
クッションを枕にしてソファに寝転がる。
ふかふかのソファだから、案外寝心地がいい。
「じゃあ、電気消すね」
「はい」
パチっと電気が消され、部屋は真っ暗になった。
それから少し経った。
先ほどのゲームの興奮が冷めず、眠れないまま天井を眺める。
まさか、きんときさんとこんな仲良くなるとは思わなかった。
あんまり実感がわかなくて、ボーッと天井を見ていると、ベッドの方から声がした。
「シャークん?まだ起きてる?」
「起きてますよ」
修学旅行のときの学生のような小声で聞いてきたきんときさんに思わず笑いがもれる。
「シャークんってゲームよくやるの?」
「結構やります。小さい頃からの趣味みたいなもんで…」
「へぇ、そりゃそうだよね。強いもん」
静かな空間で会話するこの空気が心地よくて、寝返りをうつ。
向きを変えると、向かいのベッドに寝転がるきんときさんの姿が見えた。
暗いせいでほとんど顔は見えないが、シルエットはぎりぎり見える。
「…ねぇ、シャークん」
「なんすか」
「……寒くない?」
「え、」
確かにブランケット一枚だけだが、暖房をつけてくれたおかげでそこまで寒さは感じない。
「いや、そんなに…」
「…そう」
「どうしたんすか」
「んー、いやさぁ…ちょっと寒いなって」
「暖房強くします?」
「んーん。そうじゃなくて、」
「?」
静かな声が、部屋に響いた。
「シャークん、こっち来てくれない?」
「…え?」
きんときさんの言葉に耳を疑う。
表情を見ようにも、暗くて表情が読めない。
「お、俺が…?」
「うん」
混乱する頭を抑え、言われるがままベッドへ向かう。
「きんときさ…ッうわっ!!」
俺がベッドに近づいた途端。
布団から腕が伸びてきた。
グイッと手を引かれ、ベッドに倒れ込む。
「きんとき、さ…?」
目を開けると、至近距離にきんときさんの顔があった。
床ドンのような体制できんときさんの上に乗ってしまっている。
心臓がドクッと大きく跳ねた。
「え…」
俺が固まっているときんときさんがフッと笑った。
「ねぇ、シャークん」
静かな声だった。
月明かりがきんときさんの顔を照らす。
こんな状況でも特徴的な泣きぼくろが主張した。
「シャークんって彼女いる?」
「え…?」
このタイミングで…?
「いないっすけど…」
「…へぇ」
きんときさんの腕が、俺の腰に伸びる。
「っ…」
そこでようやく、先日見た光景を思い出した。
マズイと思っているのに、月明かりに照らされたきんときさんに釘付けになる。
「元カノは?」
「…いない」
「ふふ、そっか」
きんときさんが優しく笑う。
逃げるタイミングはとっくの昔に逃してた。
「シャークん、男に興味ある?」
ゴクっと唾を飲み込む音が響く。
部屋は驚くほど静かだった。
きんときさんの細長い指が、俺の手を掴む。
そして、俺の手を自身の頬にあてた。
上目遣いで俺を見上げる。
「…試してみない?」
俺が頷くのときんときさんの腕が服に伸びるのは、ほぼ同時だった。
「あっ♡あっ♡んんっ…♡♡」
あの声。
「あぁ♡んぁあっ♡♡」
壁越しに聞いたあの声。あの声が今、俺の下で聞こえる。
「ん、ふ、♡♡ぁ、あっ♡♡♡」
「…痛くない?」
「ん、へーき…♡」
きんときさんに教えてもらった通りに指でナカを解す。
初めて触るソコは、想像の何倍も熱くて、きんときさんの声も相まって自身の体温まで上がる感覚がした。
「そ、♡…じょーず、だよ♡」
「っ…」
「あぁっ♡んぁ♡♡そこっ♡きもちっ♡♡♡」
ナカにある少し膨らんだ部分を押せば、きんときさんの身体が大きく跳ねる。
反応がよくなったことをいいことに、指を増やして更にナカを広げる。
きんときさんがこんな可愛い人だなんて知らなかった。
…一緒に寝た男は、みんなこのきんときさんを
見ているのか。
そう思うと、心の底に何か黒い感情が渦巻くのを感じた。
「あっ♡ぁあ♡♡だめ♡いくっ♡♡♡」
「いくいくッ♡♡♡あッ♡いくッ♡♡♡♡あ゛ぁ♡♡♡♡♡」
絶頂の余韻でガクガク震えているきんときさんの上に覆い被さる。
「…ね、挿れていい?」
俺の言葉にきんときさんは、汗ばんだ顔で妖艶に笑った。
「ふふっ…いーよッ♡」
きんときさんが俺のスラックスに手をかけた。
ゆっくりと、楽しむように脱がされていく。
そして、俺の下着に手をかけたとき。
そのタイミングできんときさんの動きが止まった。
「えっ…?」
「?」
「デカくない…?」
きんときさんはそういうと、困ったように笑った。
「そうなの?」
「うん。…はじめてかも」
困り眉で俺を見上げるきんときさんに、ふつふつと加虐心のような感情が湧いてくる。
「コレ、はいるかな…」
不安そうにするきんときさんを無理やり押し倒す。
「え…?」
「ごめん、がまんできない」
「ま、まって、、ッお゛っ!!!?♡♡♡♡♡」
一気に奥まで押し込めば、聞いたことないきんときさんの声が聞こえる。
「お゛っ♡あっ♡♡おぉ、♡♡♡あ゛ッ♡♡♡♡」
初めてはいるナカは、やっぱり熱くて、邪魔になったロンTを脱ぎ捨てた。
真冬とは思えないくらい体温が上がっていく。
「あ、♡おぉ゛♡♡♡ほっ♡♡」
「あ゛♡やめ♡♡やめへっ♡♡♡♡」
壁越しでも聞いたことない声。
綺麗だったのに、ぐちゃぐちゃに乱れてしまったきんときさんの顔。
ピンクに染まる身体。
どれも俺だけが見ているものだと思うと、口角が上がった。
「あ゛ぁ♡♡あ゛♡♡♡ぉ♡おぉッ…♡♡♡♡」
「ね、動いていい?」
「だ、だめっ♡♡やらっ♡♡」
きんときさんの言葉を聞かないまま、腰を動かす。
熱いナカに擦られて頭にモヤがかかったような快楽が俺を襲った。
「お゛♡♡が、♡♡♡あッ゛♡♡♡♡」
「あーやべ、止まれん…」
「お、♡おッ♡♡あ゛、♡♡♡ひぎっ♡♡♡♡」
加減なんて分からないから、ただ自分の欲のためにきんときさんに抱きついて腰を振る。
「やら、♡しらな、♡♡こんなの、しらな、、♡♡♡♡」
「はじめて?ほんと?♡」
「あ、♡♡ほんとっ♡♡♡あ、だめ、♡♡♡♡」
「俺の好き?♡」
「すきっ♡すきだから、♡♡とまっへッ♡♡♡♡」
「無理」
止めようと伸びるきんときさんの腕を掴んで、頭上でまとめる。
溢れるほどの快楽に、きんときさんの瞳がぐるりと上を向いた。
口は開きっぱなしで舌がだらしなく垂れる。
「お゛ッ♡♡♡♡ほ♡♡♡ッ♡♡」
「あーかわいい♡」
「あ゛ぁ、♡♡あ゛ッ♡♡♡♡」
普段の綺麗な声とは違い、潰れた汚い声を出すきんときさんに、顔が歪むのを感じる。
暑くて邪魔な髪の毛をかきあげると、ナカがキュウっ♡と締まった。
「あ゛♡♡おッ♡♡お゛っ♡♡♡♡」
「ね、ナカ出していい?」
「あ゛♡や、♡♡ひぃッ♡♡♡」
「ははッ答えられねーか♡」
汗や涙でぐちゃぐちゃになったきんときさんに口をつける。
初めてのキスは、甘く蕩けてしまいそうで、想像の何百倍も気持ちよかった。
手を恋人繋ぎにして、ラストスパートをかける。
「あッ゛♡♡あっ♡♡んぁ♡♡」
「ごめん、でる」
「お゛♡♡♡あ゛ぉッ♡♡♡♡ひッ♡♡♡」
「くっ、あッ…♡」
「あ゛♡お゛♡♡♡ぉ゛♡♡あ゛っ♡」
はぁ、はぁ、と息を整えながらナカにいれたモノを抜く。
「あッ…♡あぁっ…♡♡」
絶頂の余韻でビクビクと震えているきんときさんの後孔からタラリとナカに出したものが垂れた。
きんときさんは疲れてしまったのか、今にも寝そうな目で天井を見上げている。
髪を撫でていると、だんだんと目を閉じていった。
裸のきんときさんに布団をかける。
「…あー…さむ…」
残された俺は、冷気に体を震わせながら後処理をするのだった。
kn視点
大学4年の時。
就職も決まって、最後の学生生活をエンジョイしているときに、当時付き合っていた彼氏の浮気が発覚した。
ほとんど居候状態だった俺は家を追い出され、ちょうど就職のタイミングと重なったので、ついでに引っ越すことにした。
新しいパソコンや実家のリフォーム代。その他いろいろの物に金を使っていたため、貯金はほとんどない。
そんななけなしの貯金で借りたのが、今のアパート。
古いし、駅から遠いし、割と立地のよくないアパート。
せっかく大企業に勤めることになったのに、なんで俺がこんなアパートなんかに…と当時は文句を垂れていたが、そんな文句はすぐになくなった。
『あ、こんにちは!』
『…こんにちは』
隣の部屋に挨拶に行った時に、出てきた人…シャークんに、一目惚れをした。
鋭い目つきに、低い声。
そんな見た目とは相反して、優しいところや素直なところに心を掴まれた。
なんとかして関係を持ちたかったけど、彼はどうやらノンケらしい。
でも、それでも、俺は諦めたくなかった。
シャークんが童貞っぽいことをいいことに、それから俺は『イタズラ』をはじめた。
壁が薄いことを利用して、部屋にセフレを呼んで毎日毎日セックスした。
わざと壁を使って立ちバッグしたり、声のボリュームを上げてみたり。
イタズラは割と効いたみたいで、ゴミ捨て場でシャークんと顔を合わせるたび、彼は気まずそうに逃げていった。
最低なことをしている自覚はあった。
でも、それでもやめられなかった。
シャークんにはビッチだと思われそうだったが、それでよかった。
彼氏に振られたばかりで俺も自暴自棄になっていたのかもしれない。
彼と関係をもてればそれでよかった。
「…」
パチリと目を開ける。
見慣れた天井が視界に入った。
どうやら、もう朝らしい。
眠い目を擦りながら、起き上がる。
「っ…」
腰がズキっと痛んだ。
痛みに顔を歪ませていると、廊下の方からシャークんが出てきた。
「おはよ」
「あ、うん…おはよう」
気まずくて、視線を逸らす。
シャークんがあれほど立派なモノを持っているのには驚きだが、あまり付き合いたいとは思わなかった。
もう、捨てられるのは御免なのだ。
シャークんも、きっとこんなビッチとは付き合いたくないだろう。
「身体大丈夫っすか?」
シャークんがベッドに座った。
「うん…平気」
付き合えなくてもいい。
俺はただ、シャークんとの関係を続けられれば…
「あの。鍵戻ってきたら、きんときさんに合鍵渡していいですか?」
「え?」
「できればデートは週1くらいでしたくて…俺、金ないからそんな遠くはいけないけど…」
「え、え…?」
なんの話…?
俺が首を傾げていると、シャークんも同じように首を傾げた。
「え…付き合ってるんすよね?」
「…え?」
付き合ってる…??
「誰と誰が?」
「え…俺ときんときさん」
「…」
純真無垢な瞳を向けるシャークんに、身体が固まる。
あぁ、そっか忘れてた…
この子、童貞だった……
「え、え、違うんすか…?」
「あー…」
1回ヤッたら恋人になると思ってるんだ…
…まぁ、こっちの方が都合がいいし、このままでいっか。
「いいよ。付き合お」
そう言ってシャークんに抱きつく。
「…俺のこと、捨てないでね」
俺の言葉にシャークんはニカッと笑った。
「捨てるわけない」
その笑顔に俺も笑いがもれる。
あぁ、いいかも。
シャークんなら、俺のこと愛してくれそう。
そんな根拠のない自信が底から湧いてきた。
「だいすき」
どっちから言ったか分からない言葉が、部屋に響く。
寒さは、もう感じなかった。
あとがき。
誤字・書き忘れがおそらくたくさんあります。許してください。
コメント
10件
本当にこんな素晴らしい作品をありがとうございます😭💖もうshkkn界の覇王です。ビッチknと童貞shkの組み合わせもう本当に好きで…壁から声が聞こえる、って声を出すたびにknはshkのことを考えていたということですか…?デカブツshkも凄く好きです、各描写がとても丁寧で思わず見入ってしまいました。童貞shkの優しいところと少しSっぽさも兼ね揃えているところあまりにも好きでした…😭😭😭shk視点の時点で既に叫んでいたのですが、まさかkn視点があるとは思わず大歓喜しました、そして大変好きでした。 心から感謝します🙏💞✨️
特大のありがとうをいっぱい伝えたいです… とんでもなく大好きです‼️
一目惚れしたきんちゃんも童貞で1回やると付き合うって思ってるしゃけも大好きです、🙄🥰🥰