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番外編含めた全9話、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。これからもサーティーンと相棒を幸せにする物語を紡いでいけたらと思います!皆様の感想や『次はこんな甘さが見たい!』ってリクエスト、気軽にコメントで教えてくれたら嬉しいです♪
相棒が好きだ。
泣かないで欲しい。
離したくない。
笑って欲しい。
ずっと側にいてくれ。
相棒が、俺の一番、大切な――
……画面の向こうの相棒は、
いつになく沈んでいて、
今にも死にそうな顔をしていた。
話しかけても、当然声は届かない。
俺たちの間には、越えられない壁がある。
声をかけて慰めてやるどころか、
抱きしめることすら出来ない。
それでも俺は、いつもみたいに、
届かない声を相棒にかけたんだ。
すると、相棒が動揺したと思ったら……
……会話が出来ていた。
俺はこのタイミングなら、自分の能力で相棒をこちら側に引きずり込むことが出来る。
そう、確信して……。
……俺は空間を切り裂いた。
そして、奇跡としか言いようがないが、
……相棒がコンパス内に来れた。
「えっ! さ、サーティーン!?
本物!??」
コンパス内に来た相棒は、俺を見るなり、
目を見開いていた。
やっと目が合った。
会話が出来た。
……触れることが出来た。
俺の心が、歓喜しているのがわかった。
街を紹介しながらブラブラ歩く。
いつになく緊張していたのか、女性にかける声に拍車がかかる。
隣を見るとムスッとしている相棒。
…もしかして、やきもちか?
「へぇ、かわいいじゃねーか。おいおい、そんな顔すんなよ……俺っち、困るわ〜。」
思わず本音がちょっと溢れて、慌てて軽く言葉を付け足した。
…危ねぇ危ねぇ。
ピザ屋で他のヒーローにも大事な相棒を紹介した……ここに居るならいずれ会うしな。
しかし、まさか零夜の野郎がいるとはな…
ジャンヌはいいが、あいつは論外だ。
俺の相棒に触るんじゃねぇ。
「相棒の手助けは俺っちがやるから大丈夫でーす。……零夜の手なんかいらねぇっつーの!」
思わず相棒を抱き寄せて、零夜からガードする。
…ちょっと強く抱きしめちまったせいか、
相棒はびっくりした顔をしてた。
相棒が心配で、結局ジャンヌの行き先に向かえば、可愛い格好した相棒が知らねぇ男にベタベタ触られていた。
カッとなり、そいつの腕を捻り上げて撃退し、泣きそうに震えてる相棒を抱き寄せる。
「……俺だけの相棒なんだからよ……だから、ああいう時は俺を呼べよ……」
「……すぐ行くから。」
………あいつ、後でぶっ倒す。
その夜、疲れただろう相棒に俺っちのベッドを使わせて眠らせた。
俺の家に、大事な相棒がいて、
安心したように眠っている。
眠る相棒の頭をそっと撫でる。
…幸せだ。
ずっとこうしていられたらな……
「帰る手段がわかったよ。」
翌朝、 そう、零夜に告げられたのだ。
原因はコンパス内に発生した微弱なバグが、一瞬相棒の世界とリンク、さらにそのタイミングでコンパスを起動したことによる接触のようだった。
なぜ、相棒がここにこれたのか。
原因がわかり、それによる対策もボイドールが考えてくれている。
なのに、俺の心は晴れない。
相棒が帰る?
せっかくここに来れたのに?
あんな、相棒を泣かせる世界に?
…また、
画面の向こうから見るだけの日々に?
帰り道、そんな考えばかりがぐるぐる頭の中に駆け巡る。
「……何か、考え事?」
相棒の言葉にドキッとした。
「……ねぇ……サーティーン。」
いつになく、真剣な相棒の顔。
…お別れの挨拶かもしれない。
「どうしたァ、相棒。
急にしおらしくなっちゃって!
俺っちと離れ離れになるから寂しくなっちまったか? な~んて!」
おどけた様にしないと、耐えられない。
「……そうだよ。寂しいよ。」
…相棒は寂しいのか。
俺の本音、話しても大丈夫だろうか。
「……俺だって……相棒と、ずっと一緒にいたいに決まってるだろ……!」
強く、本音をぶつける。
「俺はずっと画面の向こうで相棒を見てた。
……相棒が辛くなっていくのを、俺はただ画面の向こうで見ることしか出来なかった……。」
あんな日々はもうたくさんだ。
失いたくない。
そう訴えるように相棒を見つめる。
「……サーティーンが大好き。
離れたくない、ずっと一緒にいたい。
……あなたと一緒にこの世界にいたいの。」
相棒も俺と同じだったのか?
もう、隠す必要もないのか……
「俺は、相棒が好きだ。
離れたくない。
ずっと側にいてくれ……大事なんだ。」
相棒と気持ちの確認が取れ、俺は空間移動タイプのバグを固定した。
…もう、一生離さねぇ。
俺だけの、相棒だ。
「……私の目、
今はもう死んだ魚の目じゃない。
サーティーンと一緒にいたから、
生きた目になったんだ……。」
そう言った相棒の目は、もう死んだ魚のような目じゃなかった。
生きる希望に満ちた、
生きた魚の目をしていた。
……相棒の目、生きてる。
俺も、相棒のおかげで生きてる。
「……明日も朝飯作ってやるからな。
文句言うなよ、相棒。」
そう言って、相棒の額にキスを落とす。
……口はまた今度ってな。
〜fin〜