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葛葉さん受け集。

第22話 - kgkzの喧嘩。

828

2025年07月11日

#にじさんじBL

#葛葉受け

#葛葉総受け

#葛葉愛され

#葛葉

#短編集

きい。

注意事項

地雷さんや苦手な方はそっと閉じてください

この作品はご本人様と何一つ関係ありません

コメントをする際には批判ではなくアドバイスをしてください。

それでは楽しんでいってください！

加賀美ハヤトさん視点。

その日は疲れていた。音も声も雑音にしか聞こえなくて目の下の隈を誤魔化しながら仕事をした。家に帰れば休める、その一心で。だからこそあんな事を言ってしまったんだと思う。いや、思いたい。家に帰ると葛葉さんが居た。恋人に久々に会えたのに私は面倒くさいと思ってしまった。お茶を出さなきゃいけない、泊まるのなら布団を敷かなきゃ、パジャマになりそうな服を探さなきゃ。まだ私は働かなければいけないのか、そう思ってしまった。私に気づいて駆け寄ってくる葛葉さんの足音が頭に響いた。いつもなら愛おしいと思う仕草も声も邪魔だった。だから

『不愉快です。』

「えっ？加賀美さん、、、？」

大きく見開かれた赤い瞳が眩しくて目を逸らす。未だかつてこんなにも葛葉さんがいらないと思った日はない。

『うるさいんですよ、そもそも夜中に連絡の1つも無しに人の家に押しかけますかね？常識が無いというか非常識ですよ。それに私は仕事をしてきたんです。あなたがゲームをして涼しい部屋で休んでいる間に必死に働いてたんです。そもそも養ってほしいとかヒモになりたいとか私の事も金ヅルとしか思ってないんじゃないですか？帰ってください。』

「でも…違うんです！そうじゃなくて、、」

『帰ってください！！！！』

手に持っていた鞄を床に叩きつけると葛葉さんの肩がビクッと揺れた。葛葉さんの顔は見なかった。見たくなかった。立ちつくす葛葉さんを置いてリビングのドアを閉める。しばらくしてから玄関の開く音とすすり泣く声が聞こえた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

あれから1週間、葛葉さんとは会っていない。

あの後はシャワーも浴びずに眠りについて起きたのは翌日の昼だった。だから気がつくのが遅くなってしまった。キッチンに置かれた色とりどりの料理に。どれも前に私が好きだと言っていた物で配信でオススメしたウイスキーまで冷やしてあった。そしてカレンダーに付けれてた付き合ってから1年の文字に。

気づいてからはもう時すでに遅しで電話も連絡も既読にならない。葛葉さんは配信もしていない。家に行っても居なかった。そして現在に至る。１週間だけ休みを貰って葛葉さんの家に泊まっている。でも、もう今日が最終日。葛葉さんの好きな物を作って家を掃除して布団を干して、どれだけ待っても葛葉さんは帰ってきてくれない。あの日に戻れたら私は自分をぶん殴ってやりたい。大切な記念日を忘れた事も葛葉さんに酷い事を言った事も料理に気づかなかった事もちゃんと話を聞かなかった事も全て謝りたい。だから

『帰ってきてください…。葛葉さん。』

ポロポロと涙腺が壊れた様に涙が出てくる。

嗚咽も止まらなくてただみっともなく鳴き叫ぶ。後悔からか情けなさからか噛んだ唇からは血の味がした。

ガチャ

「ただいまー。」

葛葉さん視点。

玄関に見慣れた靴が合った。まさかと思ってドアを開けるとそこには変わり果てた加賀美さんが居た。泣いていて唇は乾燥していて噛んだのか血が滲んでいる。最後に見た時よりも濃い隈に細くなった体、どこを見ても異常な光景で思わず固まってしまった。

『葛葉さん！！！』

「うわっ、加賀美さん？なんで泣いて💦」

力強く抱きしめられた。まるで離さないとでも言うかのように。その間も泣きながら謝罪の言葉を言い続ける加賀美さんに戸惑ってしまう。何か仕事で嫌な事があったのか？

「大丈夫ですか？仕事で何かありました？」

トントンとリズム良く背中を叩く。泣き声が収まった所で腕の力を緩めて目を合わせる。