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ピヤノ(攻め)
アキラ(受け)
急にピヤノの部屋に呼び出された。
何の話だろう?
自分がこれからどんな目に遭うかなど知る由もなく部屋のドアに手をかけた。
入ると中にはいつもと違う雰囲気のピヤノが立っていた。
「…ほんと、懲りないですね、アキラさんは」
静かにそう言った声に、アキラはようやく自分が“やらかした”ことを自覚した。
「 あ、ちょ、待ってピヤノ…それは冗談で――」
「冗談、ね。じゃあ僕がこれからすることも”冗談”ですよね?」
ピヤノは穏やかな笑みを崩さないまま、アキラの腕を軽く掴んでベッドへ押し倒す。細くしなやかな指がアキラの顎をすくい上げた。敬語のまま、声色だけがひどく冷たい。
ピヤノの優しさに甘え、構われたくてよくイタズラを仕掛けていた。心のどこかでピヤノは結局許してくれると思っていたのだ。
「何回目ですか、僕のコードいじったの。朝まで戻すのにかかったんですけど?」
「ぴ、ピヤノサン…それは、ほんのちょっとしたイタズラっていうか…」
「――はぁ。アキラさん。僕、そこまで優しくないですよ?」
さっきまで笑っていた目は見る影もなく冷えきっていた。礼儀正しくて、普段は一歩引いた冷静な彼――そのピヤノが、今は上から見下ろしている。
始めてみる表情だった。
「….お仕置き、ですから。覚悟してくださいね?」
ピヤノの口元がふっと笑った次の瞬間、アキラのシャツのボタンが一つ外される。
「ちょっ、ちょっと待てピヤノ! マジで一回冷静になろう!? 俺が悪かった! ちゃんと謝るから、さッ!?//」
触れるか触れないかくらい触り方に鳥肌が立つ。
こんなエロい触り方どこで覚えるんだよ!?//
「謝って済むなら、警察いらないって言いますよねー」
「なんでその例えなの!? オレ、犯罪者扱い!?」
「僕にとってはそうですよ?」
ピヤノの指先がアキラの肌を撫でるたび、怒りというより、楽しんでいるようにすら見えた。
「ほ、ほんとに、ピヤノ怒ってるのか….?」
「ふふ、どうでしょうね?」
そう言うと初めて見る表情で笑った。