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ピピッ
「…う〜ぅわ、たっか…」
久しぶりに出した熱は思った以上に高くて、体温計を放り出しベッドに腰掛けうなだれる。
(今日はなんもできないなぁ…)
レダーが投げた体温計を拾い、数値を確認したケインは、
「個人医に来てもらいましょう」
と、横になるよう枕を整え動けないレダーをゆっくり仰向けに寝かせた。
処方された薬を飲み、横になってうとうととしていると、レダーは懐かしい夢を見る。
タコ署長の元、街のあちこちで起こる犯罪の対応に追われる毎日。
が、期間限定で新人たちのヘリ教育担当を受け持った事があった。
「サーマルしながらヘリ避けるって難しいけど…頑張ります!」
「みてみてー!レース2分切ったよー!次はどこら辺を目標にすればいい?」
向上心が溢れ出る2人は特に吸収が速い。
「いいねいいね〜」
楽しかったなぁ。
今頃何してんだろ。
「…店長?」
「…ぁ」
目が覚めると、額に冷やした濡れタオルが。ひんやり気持ちいい。
「おはよー、ケイン」
「よく眠れたみたいですね」
「んぅ〜〜〜っ、確かにスッキリしたわー」
体を起こし、大きく伸びをした。
「笑ってましたよ」
「えっ?」
ベッドサイドでグラスに水を注ぎながら、ケインは続ける。
「楽しい夢を見てたようで、笑ってました店長」
「…」
フッと思い出し笑いをして、もう一度ベッドに潜る。
「そっか」
2日間お休みな街も楽しく視聴してます。