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ー翌日ー
俺の隣に悠惺はいなかった。
ぐっすり眠ったせいで、ベッドから出たのに気づかなかったんだ。
こんなこと、初めてだ。
「悠惺ー。どこにいるの。悠───」
俺は目を見張った。
衝撃的な光景に。
悠惺が足枷の鎖を自分の首に巻いて、そのまま横たわっていた。
「あぁっ!あああああっ!!悠惺っ!!!」
俺はどこから間違っていたんだ。
悠惺に、自殺させるような、なにかを、しでかしてしまった。
いつ、いつ───
あっ、最初からか
悠惺は、冷たくなっていた。
随分前に、死んでいたようだ。
悠惺の近くに、置き手紙があった。
「お父さん。お母さん。
私は望んで死を選びました。
この10日間、私は耐えられないことをされてきました。
毎日の行為に疲れました。
育ててくれてありがとうございました。
最後に迷惑をかけることを許してください。」
そこに書かれてあったのは、俺に宛てられた手紙──では無かった。
「ーっ、そんな…そんな……悠惺!!」
「ああ!悠惺っ!!どこにも行かないでくれ!!」
「優斗…俺はここにいるよ。」
その声がして、はっ、と目を覚ました。
「ゆ、悠惺…幽霊じゃ、ないよなぁ。」
「うん。ちゃんと、生きてるよ。」
そう言って悠惺は俺を抱きしめてくれた。
なんの夢を見たのか、わかっていたようだった。
大好きな人が自殺。それ以上に嫌なことはないだろう。
「悠惺…。俺、自首するよ…。」
その言葉を聞いて悠惺は、一瞬驚いて
「やっと、前の優斗に戻ってくれた。」
と言った。
「辛いことしてごめん。トラウマ植え付けてごめん。一生残る傷をつけてごめんなさい。こんな俺を……許してくれ。」
泣いて謝る俺を悠惺は黙って抱きしめていた。
トゥルルルル、トゥルルルル
「すみません。警察ですか?」
『はい、〇〇警察署です。どうされましたか』
「佐々木悠惺君を誘拐したのは、俺です。」
『えー続いてのニュースです。
行方不明の男子高校生が見つかりました。
名前は佐々木悠惺(16)さん。
出頭したのは井原優斗(16)男子高校生です。
同級生だったといいます。
佐々木さんは容疑者の家で約10日間監禁され、複数の痣が見られました。
現在病院に搬送され、命に別状は無いとの事ですが、精神面に異常が見られています。
井原容疑者は、
愛し方を間違えてしまった
と供述しています。』
ー[完]ー