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長尾軍陣地
「やれやれ……御館様……
ひとりで出ていった挙句、敵の前で酒を飲むとは何考えてるんです」
長尾政景は、呆れた顔で目の前の景虎を見つめる。
「いや、ちょっと煽ったら出てくれるかなと思ったのだが……出てこなかったな。
あと、逆賊を見ながら飲む酒は美味いぞ。
次は一緒に行かないか」
「い き ま せ ん 💢」
即答だった。
「残念だ……」
景虎はそう言うと、何事もなかったかのように酒を注ぎ、ぐびぐびと飲み始める。
「少なくとも煽り自体は効いてたのだがな。
鉄砲とか弓で必死に倒そうとしてきたから」
「そういう問題ではございませんぞ。
一応、総大将なのですよ💢💢
何かあったら士気に関わります」
「そう言われてもなあ。
城から出てきてくれたら決着はつくぞ??
包囲だと正直、時間かかるからな」
また、ぐびぐびと酒を飲む。
「とりあえず酒を飲む手を止めろーーー💢💢」
政景はとうとう我慢できなくなった。
「久しぶりに少し話さねばなりませぬな」
「御館様💢」
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その頃、別の場所では。
「ふむ……鉄砲で威嚇しましたが、怖がっただけで出てきませんか」
方円は小田原城を眺めながら、静かに呟く。
「まあ予想通りですわ。 臆病な北条らしい、ふふふ」
隣にいた元山賊の頭が、ニヤリと笑う。
「ご指示通り、丑三つ時になりやしたら、
定期的に夜間の担当が鉄砲を打ち込むようにいたしやす。
俺たちは寝るけど、向こうは寝かせませんよ。 ガハハ」
「よーし、俺はそれ担当だから備えて寝るか」
そう言った下っ端は、その場に横になる。
「……ぐうぐう」
「……えっ」
方円が目を丸くする。
元山賊の頭は大笑いした。
「もう寝やがった! ガッハッハッ笑」
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一方、海の上では。
「暇じゃのぉ…… 海の上は」
里見義堯がそうぼやいていると、里見兵の一人が何やら道具を取り出した。
「そういうと思いまして、賭け事の道具持ってきやした。 半か丁か、張った張った!」
「ガハハハハ! 面白い!」
義堯は嬉しそうに笑う。
「読みが当たったやつは、今日の食事に原酒をつけてやろう。 ガハハハハ!」
「そう来なくっちゃ。 俺は半だぜ笑」
別の兵は首を横に振る。
「俺はやめとく。 少し寝るよ。
夜間に見張る担当もいるからな。
一緒にやってくれるやつは、一緒に寝ようぜー」
「おう!」
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そして小田原城内。
「……あー、あいつら賭け事始めやがった」
北条綱成は城外の里見勢を見ながら、羨ましそうに呟いた。
「いいなー。 やろうぜー。
どうだ小太郎、やらねえか???
試合で勝った方が酒を奢るってのは」
風魔小太郎は少し考えると、ニヤリと笑った。
「いいでしょう。
鍛錬になりますし、気晴らしに乗った!」
その様子を見ていた北条氏康は、思わず頭を抱える。
「嘘だろ……おい……」
隣の多目元忠も、深いため息をついた。
「……はあ…… (まじか……)」
一方、北条幻庵は城外の里見勢を睨みつけている。
「ええい、里見め! 海から高みの見物か……
ぐぬぬぬぬ💢」
そんな大人たちをよそに、北条氏政は楽しそうに手を振った。
「頑張れ、こたろーう!」 “(ノ*>∀<)ノ”
綱成が振り返る。
「ええっ泣
若……俺は応援してくれないんですか」
小太郎も笑いながら答える。
「へっ。
若はこちらの味方ですし、綱成殿、酒絶対奢ってもらいますよ!」
氏康と元忠は、しばらく無言で顔を見合わせた。
「………………」
「………………」
やがて氏康が小さく口を開く。
「わしらも諦めてチンチロリンで……」
「や り ま せ ん 💢💢」
即座に元忠が遮った。
「戦の最中だと言うに、うちの連中は💢💢」
幻庵が頭を抱える。
幻庵はため息をつきながら、元忠へ声をかけた。
「すまん、部屋に来てくれ。
一緒に兵法書読んで考えないか、今後の方針」
「そうですな。 そうしますか……」
「……はあ」
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その頃、城外。
「やれやれ(´-ω-)
北条家はめちゃくちゃだな笑」
出浦昌相は呆れたように呟く。
そして風魔の忍びに変装すると、堂々と城内へ紛れ込んだ。
「申し上げます。
少し向こうの動きを調べて参りました。
おそらく博打は油断させる策かと」
「なにっ!!」
幻庵が勢いよく振り返る。
「やはりそうだったか」
元忠も頷いた。
「では、まだ調査がありますゆえ。
失礼いたす」
そう言い残すと、忍びは煙とともに姿を消した。
「……すまん。 綱成殿、一時停戦だ……」
激しく試合をしていた小太郎が突然綱成へ声をかける。
「おいおい、急にどうしたんだよ小太郎…」
試合を遮られ、少し不機嫌になる綱成。
気にせず小太郎は氏康に告げる。
「殿、確かあんな同士はうちにはいなかったが……?」
ほかの忍びたちは困惑する。
「兄貴……ええ😭
数日前も一緒に飲んでたじゃないですか。
あいや……兄貴は鍛錬してたから、宴には参加してなかった……から」
小太郎は頭を抱えた。
「おおい……同士、酷いじゃないか。
宴があるならそっち優先したわ泣」
だが、すぐに真顔へ戻る。
「……じゃなくて。
あいつはうちの里のやつではない。
上手く風魔の忍術を真似ているが、匂いまでは誤魔化せなかったようだな……」
「な……なんですってえええ😭
そんないいやつだったのに、始末しないといけねえのか……」
幻庵が叫ぶ。
「あいつかあ!!!
以前、報告をしてきた兵は!!?」
「追えー💢💢」
綱成は待ってましたとばかりに立ち上がった。
「待ってました♪
小太郎、どっちが早く首取れるか勝負しようぜ」
「その勝負、乗った!!!」
元忠はもう何も言わず、顔を覆った。
「┐(´д`)┌」
その横で、氏康がサイコロを取り出す。
「よし、このサイコロで……
綱成が先なら偶数、小太郎なら奇数……」
「殿はいい加減、賭け事から離れてください💢💢」
「そうだよ笑 父上までどうしちゃったんです」
氏康は少し寂しそうに呟く。
「少しはわしだって気晴らししたいんじゃ。
今川に見捨てられ、叔父上に教育という名の説教をされ、妻には殴られる。
いいだろう、 少しくらい泣」
「………………」
元忠の目から、なぜか涙が流れた。
「………………泣」
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その頃、城外では。
「むっ…… 城の方が騒がしい……な」
出浦盛清は、城内から聞こえてくる騒ぎ声に耳を澄ます。
(多分バレたー笑
流石に風魔小太郎は強敵だなあ笑
まあもう城の外いるから、それがしを仕留めるのは無理なんですけどね笑^^)
そう思いながら、悠々とその場を離れていった。
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「どこにもいねえな」
綱成が辺りを探し回る。
小太郎も苛立ったように叫ぶ。
「さっさと出て来やがれ💢💢
俺たちと勝負しろ!一対二でな!!!」
綱成が少し考える。
「おいおい、それは良くないだろ。
正々堂々とサシで……」
そして少し間を置く。
「……いや、今は流石に…そんなこと言ってる場合ではないか。
今回は小太郎にしたがって……
✨や る よ✨」
「いるんだろーー! 出てこーーい💢💢」
風魔の忍びは小さく呟いた。
(そんなに大声で言わなくても聞こえてるのでは)
しかし、しばらく待っても返事はない。
「本当にいませんね…… もう逃げられたのでは😭」
その頃、すでに城外へ逃げていた出浦は、遠くから叫び声を聞いていた。
「おいおい、叫び声が城の外まで聞こえるぞ笑
北条のやつら災難だな笑 耳がおかしくなる。
さーて、帰るかな笑」
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その頃、長尾の陣では。
「であるからにして…… 一緒に……少しは……
大将としての自覚を持っていただいて……」
政景の説教は、すでに一時間近く続いていた。
「そう怒らないでくれ。 もう1時間話を聞いた」
景虎はそう言いながら、そっと酒へ手を伸ばす。
「まだ足りないようですな💢💢」
「もういいではないか。 酒を飲ませてくれ♪」
「よくありません💢💢」
「しかし、さっきから同じようなことをずっと言っておるぞ」
景虎は政景の隙を見て、勝手に酒を注ぐ。
ぐびぐびぐびぐび。
「もうひとりでは行かないから」
「はあ……」
「ということで、次は政景。 お主が行ってきてくれ。
さらに煽って城からおびき出してきてくれないか」
ぐびぐび。
政景は目を細める。
「御館様、酔うておられますな??」
「酔うてない。 まだまだ飲める」
さらに酒を注ごうとする。
政景は無言で景虎を見つめる。
「( ^ω^ )」
そして、無理やり酒を取り上げた。
「あっ……」
景虎の顔が固まる。
(この笑顔はやばい😱)
「ぎゃ……」
コメント
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ああもう、この話めっちゃ好き……!🤍 戦の最中なのにみんな好き勝手やってて笑っちゃった(笑) 景虎様、酒飲みながら敵陣前で煽るとか無敵すぎるでしょ……政景さんのお説教1時間は草。 北条サイドも綱成と小太郎の勝負とか氏康の涙とか、キャラ立ちまくりで最高だった〜 出浦さんの変装&逃亡も鮮やかで、忍者の仕事っぷりにちょっとときめいた。 次、景虎様どうなるんだろ……続き気になる〜!
富来 えび
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富来 えび
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