「異性として彼を」
急ぎ足でホームに続く階段をあがると、ちょうど電車が入ってくるところだった。
「今から電車に乗るね」と 赤桐(あかぎり)くんにメッセージを送り、電車に乗る。
赤桐くんとはこの電車で乗り合わせていて、彼はふたつ先の駅から乗ってくるはずだ。
私と赤桐くんは、これから都心の大きな公園で開かれている、「秋の紅葉まつり」に向かう。
食べ物や雑貨の出店も多く、気軽に楽しめそうだと、数日前に赤桐くんが見つけてきてくれたイベントだった。
晴(はる)さんに報告をすると、「楽しんできてくださいね」とメッセージをもらったけど……思い出すと胸が痛い。
でも、それ以上に胸が痛んだのは―――晴さんに毎日続けていたやりとりを終わろうと言われた時だった。
仕方のないことだとわかっていても、やりとりはかけがえのない大切なものだったから、「わかりました」と簡単に言えなくて……。*********************
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