バシャ
水をかけられる
…お友達から
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私は学校が好きだ
たまにお友達から嫌なことをされるけど、遊びみたいなものだ
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私の家は、森の近くに建っている
朝の鳥の鳴き声
夜に見えるコウモリ
雨の時の蛙
雨が降ったあとの、葉から滴る水
私は、この森が好きだ
晴れの日には、リスに会える
曇りの日には、猫に会える
すごく落ち着く空間なのだ
いつか、お友達を呼んで紅茶をたしなみたいな
その時は、バケットにたくさんの
ビスケットを入れて…
2つほどりんごを入れるの
…
いつも、こうやって妄想をしている
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「おはようございます」
いつも通りクラスに入って挨拶を交わす
先生「おはようございます」
挨拶をする子は少ないらしく、よく私は先生に褒められていた
私は、褒められることが大好き
褒められると、やる気が出てくる
「おはよう」
隣の席にはお友達がいる
友人「おはよう…!」
様子がいつもと違く、違和感がある
「どうしたの?」
友人「席、見てみなよ」
私の席を見てみると、花瓶に花が刺さっていた
「これ…あなたがやったの?」
友人「…wそうだよ」
お友達が花を…?
最初は悪い意味に見えたが、友人がやったことを聞いて、良い意味に捉えることにした
今日は日直だ
日直は、授業の始まりの挨拶をする義務がある
「喉乾いたなぁ…」
友人「水筒取ってこようか?」
いつの間にか声に出していたらしい
「ありがとう」
ごくごくごく
水筒の中に普通はお茶、水を入れるだろう
でも私はフルーツティーを入れる
フルーツティーもお茶なのだけれど
放課後の森でたしなむフルーツティーが美味しいの
いつもと同じ、パッションフルーツの味を入れていたのに、なぜか少し違う味がした
先生「では、授業を始めます」
急いで水筒を片付ける
「起立、礼」
「着せ……」
「ゴホッゴホッ」
急に喉に違和感が…
友人「www」
友人「大丈夫?w」
「だ、大丈夫ゴホッ」
あのフルーツティーに何か入っていたのかな…?
でも、私は気にしないことにした
私のお友達は、心配もしてくれる優しいお友達
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「こっち!こっち!」
ついに、今日お友達を森に呼ぶことができた
森には 小さい切り株と、大きい切り株が並んでいるところがある
私はいつも小さい切り株を椅子にして、大きい切り株を机にしている
友人「へぇ~、何か暗くて気味悪い」
「そうかな…?」
家から持ってきたバスケットを切り株に乗せる
中には、ビスケットとサンドイッチを入れてきた
そして、お友達用のフルーツティーも、もちろん持ってきた
味は、レモン味
「たくさん持ってきたから、食べてね」
あれ?りんごが入っていない
「ちょっと忘れ物を取ってくるね」
友人「はーい」
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「戻ってきたよ…?!」
そこには友人の姿はなかった
その代わりに、グチャグチャのサンドイッチが目に入った
私が頑張って作ったサンドイッチ
不幸中の幸いと言うものか、ビスケットは全て無事だ
私は、友人のいない席で茶を飲む
今は、森の中は薄暗い
お友達は、本当はお友達ではなかったのかもしれない
そう思って、涙が押し寄せていた時、
森の中が明るくなった
「え…?」
それと同時に、鳥の優雅な声が聞こえてきた
蝶が舞っている
花が開花した
その時、私の心は軽くなった
「ふふっ…」
無理して、あの人をお友達と言う必要はないみたい
だって、この森がお友達なのだから
お友達は、私を勇気づけてくれる優しいお友達
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