すいませんー、納得いかなかったので修正入ります。
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kr side
言われた場所、中庭で待っている。
きんさんは仕事があと少し残っているとのことで、多少遅れるらしい。
私は庭を回って花を楽しんでいた。
ふと、気づいた。この花綺麗…
何色とも言い難い、儚く美しい雰囲気を漂わせる一輪の花に夢中になった。
自然とその花に手を伸ばす。
もう少しのとこで茎に手が届かず、一生懸命にとろうとする。
――あ、届きそう――
途端、体がグンッと後ろに引っ張られる。
びっくりして振り返る。
?「…お前、何してんだ?、」
どうやらこの人が私の肩を掴んだようだ。
背後に近づく気配にすら気づけなかった。
男性にしては小柄な体型。
よく潤った唇に、鋭い歯が見え隠れする。
高く、筋の通った鼻。
緑色に輝く鮮やかな瞳はゆらゆらと揺れて困惑と怒気が見てとれる。
とても綺麗な顔立ちの人だ。
間が空いたとこで彼が言った。
?「おい、何してたんだって」
ついつい夢中になってしまった。
kr「あ、きんs…きんときさん待ちでして、暇を持て余してました」
危ない危ない、この呼び方意識してから先輩の前でも言っちゃいそうになる。
と、訂正し直す。
?「…きんとき?いつ来んの?」
なぜそんな事を聞くのだろう。
そう思いながらもしっかり答える。
kr「仕事が終わり次第でしょうか…」
?「……」
彼のギラリと光る目が私を見据える。
何か気に障ることでも言っただろうか。
?「ここの花、勝手に触られでもしたら困るから他のとこで待ってて欲しいんだけど」
kr「…あ、すみません。」
私はそそくさと、その場を離れようとした。
すると今度は腕を引っ張られる。
kr「わ、え…なんですか?、」
?「……」
彼は無言で私を引っ張ってどこかへ連れていこうとする。
kr「?、あ…あのぉ……?」
返事は返ってこず、引っ張られるがままに身を任せることに。
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着いた先は、キッチン。
彼は私を近くの椅子に強引に座らせると、棚へ向かった。
何かを探しているようだ。
彼の動きを追っていると、一つの瓶を取り出した。
中から取り出して私の前に差し出してきた。
どうやらクッキーのようだ。
無言の彼に私は困惑するも、食べろと言っているのだろう。
サクッ
1口食べるとその美味しさに感動した。
kr「美味しい!」
?「ん、良かった」
さっきまでは見せてくれなかった優しげな笑みを零す。
?「んで、今暇なんでしょ?」
と、彼は楽な体制に座って言う。
kr「そうですね…きんs、きんときさんが来るまで待機です」
また間違えてしまった。
?「きんときのこと、きんさんって呼んでんの?」
…さすがにあんなに間違えれば気づいちゃうよね。
kr「あ〜、まぁそう呼んでと言われまして…w、」
?「ふーん…」
ちょっとばかり不満そうに答える。
kr「今更ですが、お名前を伺っても…?」
少し黙った後、教えてくれた。
sh「…シャークん」
kr「僕はきりやんです。新人の身ですが、よろしくお願いします!」
たしかNakamu様の謁見の時に並んでいた執事の一人だったかなと、記憶を頼りに思い出す。
sh「あーNakamu様に気に入られてたあれ君か」
kr「!?…気に入られてるなんて、そんな…、」
まさかそういう認識をされていたとは。
sh「入ったばっかでお気に入りにされる人は珍しいならな〜」
kr「他にもそういう方がいらっしゃるのですか?」
是非とも仲良くなっておきたい、その一心だ。
sh「俺だよ」
kr「…はい?」
…
もしやシャークんさんもってこと…?
sh「そんな困惑じみた目すんなよw」
と私を見て笑う。
sh「てか、きんときもそう」
kr「!?そうだったんですか…」
驚きの発言だ。
そういえば、この前きんさんがNakamu様から助けてくれた時、Nakamu様もあっさり引いてたな。
それなら、きんさんがお気に入りなのも納得だ…
sh「他にも何人かいるし」
kr「気に入られる基準みたいなのあるんですか?」
sh「さぁ?俺にもそれはわからんよ」
とりあえず、ここでシャークんさんと仲良くなっておいて損は無い。
なんならこの人本当に良い人だし?
モンモンも考えに耽っていると、彼が口を開いた。
sh「ねぇ、俺もあだ名で呼んでよ」
kr「あだ名…ですか?、」
突然どうしたんだろうと、不思議に思う。
sh「そう。だってきんときだけずるいじゃん」
今ここで彼との距離を縮めるチャンスだ。
kr「ではなんてお呼びすれば良いでしょう?」
sh「お、呼んでくれんの?じゃあ”しゃけ”で」
途端に彼の目がキラキラと輝く。
kr「しゃけさん…ですか?」
そう呼ぶと、
sh「そう!よろしくなっ、やん!」
と、彼も私の事をあだ名で呼んでくれるみたいだ。
kr「!…ふふw、」ニコッ
嬉しくなってつい、笑みが漏れる。
さっきとは打って変わって、可愛らしく笑う彼にまた見惚れる。
部屋に沈黙が生まれた。
急に静かになると調子が狂ってしまう。
ふと、彼を見ると彼は真っ直ぐに私を見据えていた。
kr「どうかしましたか…?、」
sh「いや、可愛く笑うんだなーって」
kr「…え、//」
想像もしてなかった言葉に、驚く。
自分でも顔が紅く染まっていくのがわかる。
sh「えw、顔あっか…w」
可愛く笑うのはあなたもですよ!
そう言いたいが、羞恥心のせいでうまく言葉が出てこない。
バンッ!
shkr「「!?」」
突然扉が開いたもんだから2人して音のした方を向く。
kr「きんさんっ!?」
kn「ッしゃけぇ〜??」
そこに立っていたのは、怒りを露にしながらも笑みを浮かべるきんさんの姿が。
sh「え、きんときじゃん。どした?」
kn「~ッ、どうしたじゃねぇよ!!せっかくのきりやんとの時間が台無しだ!」
kn「中庭探し回って全然いなくて!聞き回ったらしゃけがきりやんどっかに連れてったって、やっとわかって…!、」
sh「あ、…ごめん」
…いや、これは十中八九私が悪い。
きんさんは深い溜息を吐くと私を見た。
kr「すみません!、待ち合わせ場所にいなくて、探すのは大変なのに…」
kn「あ〜、いいよ。俺も待たせちゃってごめんな…」
一気に萎んでいく彼を目に、罪悪感が募っていく。
kr「…今からでも、間に合いますか?、」
引き気味にそう問うと、
kn「!…もちろん、すぐ行こ!」
途端に彼の表情は笑顔に変わる。
彼は私の手を掴むと、振り向いて言った。
kn「そゆことだから。ばいばい、しゃけ」
sh「え、俺置いてかれるんだ」
今度はしゃけさんが寂しそうにしている。
kn「当たり前。先にきりやんと約束したのは俺だし」
え〜、と不服そうな顔をする。
少し黙るとしゃけさんが私に向かって、
sh「…なら今度俺と話そうよ、やん」
と、拗ねる1歩手前の声色で言ってきた。
断るのも良くないし、仲良くなりたいのは事実なので
kr「はい!楽しみにしてますね!」
そう言うと手を振って部屋を後にした。
最後、扉の隙間から見えた彼の表情はとても幸せそうな顔をしていた。
コメント
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初コメ失礼しますっっっっっっっ!!!たまたまおすすめに流れてきて、それで、あの、、はい!あの、神作ありがとうございます…、、、。。お忙しい中ではあると思うんですけど、続きめちゃめちゃ楽しみです😭😭😭😭😭😭😭😭😭