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なるほどスンッの前世がその外交官だったのか…あれ?烏楼とスンッって確かカレカノ関係……((
第2話もめっちゃ面白かったよおおお😭✨ 烏楼くんの夢?記憶?が蘇ってくる感じ、エモすぎて胸がぎゅーってなった… あの「スンッ」って言いかけた名前、絶対鬼檻さんと関係あるよね?!気になりすぎる! 黒カード&リムジン軍団のネタも笑ったし、バナサモと抹茶ちゃんのいじり合いも可愛かった〜💕 続きが待ちきれないよ!烏楼くんの記憶、ちゃんと取り戻せるのかな…泣
終業のチャイムが鳴る。
7限目の終わった後は憂鬱が少し残る一方で、放課後という自由を楽しみに思う学生たち。
「起立、礼。」
日直が言い終われば、部活動、習い事のある学生たちは蜘蛛の子を散らすように教室を出ていく。
また、ここは東京都秋葉原の私立校、遊ぶ場所はいくらでもある。
人気のチェーン店に駆け込むJKもいる。
さて、3-E、式部 烏楼は、自身の座席で突っ伏していた。
疲れた、と同時に終わったという安心感が流れ込む。
なぜなら、この自由な時間こそが、
学生にとっての楽しみなのだから。
「烏楼氏!この後アキバでアニ◯イト巡りするでござるよ!ふんすふんす!」
クラスメイトの若村 舞蹴は、オタク特有の口調で話しかける。
『顔も性格も家系も申し分ないのに口調と趣味がダメ。』
クラスの中心女子からの評価は⭐︎10の内5。
ちなみに、そんな彼の父親は内閣の防衛大臣である。
烏楼は眠気眼で舞蹴を見る。
「ん〜…二人が来たらな?」
「わかったでござる!」
舞蹴は、昨日買ったばかりのあ◯にゃんのクリアキーホルダーを弄る。
彼のグッズに対する扱いは丁寧。
彼にもし彼女ができれば、きっととても大切にするだろう。
「烏楼!すまん遅れた💦」
「式部先輩っ!」
2-Aの甘焦 紗華、紗華の彼女である1-Cの百橋 抹茶が教室に駆け込む。
3年は階段が一番下なので、いつも烏楼たちの教室を集合場所にしていた。
「おーいバナサモ、先輩を付けろ先輩を。」
「え〜…烏楼パイセン…」
紗華の愛称は「バナサモ」
甘焦がバナナ、紗華は「シャケ」なのでサーモン。
略してバナサモである。
紗華は気だるそうにしながらも仕方なしに烏楼を先輩呼びする。
そんな紗華を見ながら笑う抹茶。
「本当に何故バナサモ氏に彼女ができたのか疑問でござるよ…」
「酷くない!?俺の扱い酷くないか!?」
「…仕方ないよ紗華」
「おい抹茶!?」
抹茶も煽り散らかすタイプであった。
紗華はいじられる側なのである。
「あ、ほら!早くしないとカフェ限定のグッズ売り切れちゃう!」
「な!抹茶氏それは聞いてないでござる!」
「まちゃ言ってないもん!ほら行こ!」
烏楼達はドタバタと荷物を持って教室を出る。
学年が違いながら、4人は確かに友情を持っているのだ。
秋葉原にて。
なんとかグッズを大人買いできた舞蹴。
「これでウ◯娘コンプリートでござる!」
「新作パフェも堪能できた〜っ!」
「お礼に奢るでござる!」
「い、いいのか?」
「さすが太っ腹だな!」
そう言ってブラックカードを取り出す。
「「「え???」」」
流石防衛大臣の息子、金持ちである。
烏楼は目を擦ってもう一度確認する。
確かにブラックカード、本物である。
「舞蹴…ついにヤクに手を出したか…」
「ち、違うでござるよ烏楼氏ぃ…💦」
「なんでブラックカードなんて持ってんだよ…」
「これは魔法のカードでござる!ふんすふんす!」
「おい待てまさか借k」
【残高 【自主規制】万円】
「…なんでこんなに金持ってんだよ」
「知らないでござる。」
店を出た4人。
舞蹴は駅が少々遠いということで、自宅用のリムジンを呼んだ。
頭がおかしいと思う紗華と抹茶だが、烏楼はもう慣れた。
「そういえば、父上が自宅用に新しい外交官を雇ったでござるよ!」
「また!?」
「舞蹴、これで公私合わせてもう10人目だぞ。」
「そんなに雇う必要あるかよ!?」
「それは父上に言うでござる」
舞蹴自身も呆れてそうだった。
「今度はどちら様でしょうか…」
「北海道出身の鬼檻 駿氏でござる!」
「怖そうな名前!?」
「いや、結構優しいでござるよ?もうすぐ来るでござる!」
どうやら風邪で休むことになった執事に変わって、来てくれるらしい。
黒塗りのリムジンが烏楼達の前に止まる。
烏楼は慣れていそうだったが、紗華と抹茶は硬直。
「駅まで送るでござる〜♪」
「え、これ…え???」
紗華は幻覚を見ている気がしてならない。
烏楼は魂が抜けていた。
「お帰りなさいませ、舞蹴様。」
「紹介するでござる!新しい外交官の鬼檻 駿氏でござる!」
紺色の星空のような髪、赤い瞳、整った顔立ち。
鬼檻 駿と呼ばれた青年は、一礼して後ろの扉を開ける。
無駄一つない動き、流石外交官といったところだろう。
一つ一つの丁寧な動きを、烏楼はじっと見ていた。
「ささ、早く乗るでござる。変な虫が来る前に!ふんすふんす」
「その語尾やめな…w」
「笑うでないぞ烏楼氏!」
暗転
数日後だったか、紗華は用事があると言って昼休みは来なかった。
「どこ行ったんでしょうか…」
抹茶は心配そうにお結びを食べる。
紗華が呼び出されることは少なくない。
だが、こんなに来ないことは初めてだった。
「ふんす!これは告られの予感でござる!」
「烏楼氏!様子を見にいくでござる!」
「えぇ〜…俺様が?」
舞蹴はノリノリである。
やはりアニメオタクは違う。
「抹茶氏を見に行かせるのも悪いでござるし…拙者はそういうのに耐性がないでござる!」
「なんで俺様が恋愛耐性あると思うんだよ!!」
烏楼は呆れながらも席を立ち、屋上へ向かう。
螺旋階段を駆け上がり、屋上の手前まで一気に辿り着いた。
こっそりと屋上の扉の隙間から様子を見る。
…だがタイミングが悪かった。
紗華と誰かが言い合いになっていた。
そして…
(…は?)
屋上から突き落とされる瞬間。
烏楼はスローモーションに見えた。
じっとしてはいられない。
烏楼はすぐに先生を呼ぼうとする。
だが、親友が死ぬかもしれないというショックは大きい。
ふらつきながら、階段の手すりを掴む。
しかし、足を踏み外す。
螺旋階段は止まることを知らず、烏楼の視界も、記憶も、全てここでふつりと消えた。
烏楼は自室で目を覚ます。
目には涙を浮かべ、浅く呼吸をしている。
謎の浮遊感に包まれたまま、烏楼の記憶は夢と共に消えていく。
嫌な夢を見た。
いや、見るべき夢だっただろうか。
過去の記憶を殆ど失っていた烏楼にとって、記憶の断片ほど大切なものはない。
だが、自分の死因がこんなにあっけなかったことに悲しみを覚えた。
紗華との記憶も、友人達との記憶も。
全て、全て、思い出してしまったから。
「鬼檻…駿…。」
「いや、スンッ…。」
間違いない、あの舞蹴の外交官だった人物だろう。
今ならわかる、既視感の正体が。
スンッは、本名も何もかも忘れていると言っていた。
きっと、今すぐには話すべきではないだろう。
烏楼は、集合時間までずっと一人、自室で泣いていた。
けれど、わけもわからずポロポロと流れる涙と違って、
それはまだ暖かかった。
すみれ色の髪は、朝露に濡れたようにしっとりと。
朱色の瞳は、宝石の如くに揺れた。
城内廊下にて。
紗華とすれ違った烏楼は、唐突に聞いた。
「あの時、何の言い争いをしてたんだ?」
「…好きな人が被ったみたいな、そんな話。」
紗華は、少し悩んでから答えた。
きっと嘘なのだろう。
けれど、深く掘り下げる気はない。
それこそ、昔の傷を抉るようなことはしたくない。
「…そっか。」
烏楼はそれだけ言って歩き出す。
それだけ聞ければ十分だった。
それだけで、まだ自分がいるという証明がつくから。
きっとまだ、知ってはいけないことがある気がした。