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〜*Hina*〜
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#ご本人様には関係ありません
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会社を出て、人通りの少ない街灯の下。いるまはなつの手を恋人繋ぎでがっちり固定し、歩みを止めた。「……なつ。さっきから『〜です、だぞ』とか『〜ます、だもん』とか、語尾が渋滞してるよ。……ここは会社じゃない。俺たちのプライベートだ」
「……わかってる……けど。急に切り替えるのは、難しいんだ……よ、いるまさん。……あ、いるま」
「ダメ。やり直し。……今から俺が言う言葉を、完璧なタメ口でリピートして。できないなら、今日は家までおんぶして帰る(という名の公開処刑をする)からね」
なつは顔を真っ赤にして「……脅迫だろ、それ」と零した。けれど、いるまの目は本気だ。
「いい? いくよ。……『いるま、今日もお疲れ様』。はい、言って」
「……いるま、……今日もお疲れ様。……これでいいか?」
「うん、合格。じゃあ次はこれ。……『いるま、明日の朝ごはん、楽しみにしてる』」
「……いるま、明日の朝ごはん、楽しみにしてる。……っ、……恥ずかしいんだよ、これ!」
リズムに乗せられて、少しずつ敬語の壁が崩れていく。いるまは満足げに微笑むと、なつの顔を両手で包み込み、至近距離で見つめた。
「最後。これが言えたら特訓終了。……一番大事なやつだよ。……『いるま、大好き』」
「…………っ!!」
なつは絶句した。一番ハードルの高い言葉を、この至近距離で言わされるなんて。
逃げようとしても、いるまの大きな手が優しく、でも逃がさないように頬を固定している。
「……言えないなら、さっきの罰ゲーム……」
「……わかった! 言えばいいんだろ、言えば!!」
なつはギュッと目を閉じ、絞り出すような声で、でも今度は混じり気のない言葉を口にした。
「……いるま。……だい、……大好き。……バカ!」
「…………っ!!(沈黙)」
あまりの破壊力に、今度はいるまの方が崩れ落ちそうになった。なつの真っ直ぐな、敬語の混じらない「大好き」。
いるまは感極まってなつを強く抱きしめ、その首筋に顔を埋めた。
「……合格。……合格どころか、満点。……なつ、もう一回言って。……あぁ、もう、……心臓が持たない……」
「……一回だけって言っただろ! 離せ、このバカ部長!」
「『バカ部長』じゃないでしょ? 『バカ、いるま』でしょ?」
「……っ、……バカ、いるま!!」
結局、特訓のおかげで(?)完璧にタメ口で罵れるようになったなつくんと、それを世界一幸せそうに受け止めるいるまくん。
夜道に響く二人の笑い声は、もう「上司と部下」のそれではなく、ただの愛し合う恋人同士のものだった。
コメント
1件
ああ〜〜もう!!最高だったわこれ!!(語彙力) いるまさんの特訓、めっちゃスマートで優しいのに「公開処刑」って脅しがまたニクいよな…。なつが「大好き」って絞り出したとこ、こっちの心臓も持たんかったわ。敬語がタメ口に変わっていく過程が丁寧で、ラストの「バカ、いるま!!」が自然に出てくるのがもう……尊すぎて倒れるかと思った🔥 ほんと、二人の関係性の変化が可愛くて仕方ないです!