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私
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名前 ⇨ 〇〇
『』 〇〇
「」 角名倫太郎 宮侑
() 角名倫太郎の考え
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角名倫太郎という人間は、基本的に省エネで生きている。
練習はサボらないが、必要以上の熱量は出さない。他人の人間模様を「観察」するのは好きだが、自分がその渦中に飛び込むのは御免だ。
そんな彼の平穏なルーティンが狂い始めたのは、図書委員でクラスメイトの「あなた」と、放課後の図書室で言葉を交わすようになってからだった。
きっかけは、角名が居眠り目的で座っていた窓際の席。
『あの、角名くん。そこ、もうすぐ西日が強くなるから、こっちの席の方が涼しいよ』
あなたが控えめに、でも真っ直ぐに角名の目を見て言った、その瞬間。
(……あ、今の。動画撮りたかったな)
なぜそう思ったのか、角名自身にも分からなかった。
あなたの少し困ったような眉の下がり方や、夕日に透けた髪の色。スマホのレンズ越しではなく、肉眼で見たあなたの「一瞬」が、心臓の奥に妙な残像を刻んだ。
それからだ。角名の「観察対象」が、バレー部の双子の喧嘩から、あなた一人に絞られたのは。
「……角名。お前、最近スマホいじる回数減ったんちゃう? 代わりに、あっちのクラスの図書委員のこと、穴あくほど見とるけど」
部活の休憩中、宮侑がニヤニヤしながら絡んできた。
「……別に。見てないよ」
「嘘つけ! 視線がもう、獲物を狙うスナギツネそのものやんけ」
否定しながらも、角名は内心で舌を打つ。
自覚はある。
あなたはいつも一生懸命で、返却された本を重そうに運んでいたり、友達と笑い合っていたり。そのどれもが、角名の「日常」を侵食していく。
(これ、アプローチってやつをしないと、誰かに取られるな)
角名は、意外と独占欲が強い。
一度「自分のもの」と決めた獲物は、逃がさない。それがコートの中のボールでも、コートの外の恋心でも。
「ねえ、これ。お礼」
ある日の放課後、角名は図書室のカウンターに、あなたが好きなメーカーのカフェオレを置いた。
『え? お礼って、何?』
「昨日、消しゴム貸してくれたじゃん。あと、……俺の話、いつも聞いてくれるから」
実際は、消しゴムを借りたのは口実で、話を聞いてほしいのは角名の方だった。
あなたは驚いたように目を丸くし、それから
『ありがとう、角名くん』
と、花が綻ぶように笑った。
その笑顔を見た瞬間、角名の中で何かが「カチリ」と音を立てて嵌まった。
余裕ぶっているフリは、もう限界だった。
「……あのさ。俺、バレーしてる時、結構かっこいいんだよ」
『えっ?』
「今度の練習試合、見に来て。……あんたにだけ、見ててほしい」
それは、彼なりの精一杯の、そして強引な「アタック」の始まり。
試合当日。観客席の端に、約束通りあなたの姿を見つけた瞬間、角名の集中力は極限まで高まった。
「……っしゃあ」
面白いように決まる速攻。相手を翻弄する、胴の強いスパイク。
決めるたび、彼は必ずあなたの方を振り返る。
「見てた?」と言わんばかりの、挑戦的な、でもどこか甘い視線。
試合後、体育館の裏。
汗を拭い、少しだけ息を切らした角名が、あなたの前に立った。
「……どうだった。かっこよかった?」
『……うん。すごく、すごかった。角名くんのこと、見直したかも』
頬を赤らめて俯くあなた。
その反応は、角名の期待を優に超えていた。
彼は一歩踏み込み、あなたの逃げ場を塞ぐように壁に手を突いた。
「見直すだけでいいの? 俺、あんたの『特別』になりたいんだけど」
『え、それは……』
「……俺、あんたのこと撮るより、あんたに撮られたい。……いや、違うな。あんたの隣で、同じ景色見たい」
普段の飄々とした態度はどこへやら。
角名の声は少し震えていて、でも視線は射抜くように強い。
「……好きだよ。俺と、付き合って」
沈黙が流れる。
角名の耳に、自分の心臓の音がうるさく響く。
やがて、あなたがゆっくりと顔を上げ、小さく、でもはっきりと頷いた。
『……私で良ければ。よろしくお願いします』
その瞬間、角名の顔から緊張が消え、いつものような、でも今までで一番優しい笑みがこぼれた。
彼はあなたの手を握り、引き寄せて耳元で囁く。
『……捕まえた。もう、逃がしてあげないからね』
稲荷崎の「スナギツネ」は、最高に執着心の強い恋人になった。
彼のスマホのカメラロールが、これからあなたの笑顔だけで埋まっていくのは、言うまでもない。
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角名と恋愛💗
いいね少なくて泣いてしまう👊🏻
コメントもください😖
2026 3月26日