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そして私は街へ出て、文房具店へ向かった。
メモには
・ノート4枚+自習用
・メモ用手帳
・消しゴムストック(2個)
それを見ながら歩いているとすぐに文房具店の扉の前に着いた。この新しく出来た文房具店は大きい分商品も多いので文房具には困らない。扉を開けると小洒落た内装の店内が目に広がった。
棚を横から見ながら歩いていると見慣れた人が目に付いた。Circle先生だ。私は迷うことなくCircle先生に話しかけた。
「こんにちは」 一瞬、びくっと肩を跳ねさせて私の方へ振り向いた。油断していたらしく、いつも見ていた姿からは想像出来ないような行動がとても可愛らしかった。
「…?」不思議そうな顔をされてしまった。あまり覚えていないのだろう。
「先生…ですよね?Paper schoolの」わざと分からないフリをして質問した。気づいてくれるかな。
「…!!ああ!挨拶を返してくれたあの子か!」なにかぴんと来たらしい。多分思い出してくれたのだろう。良かった。
「そうです!○○と言います、お会いできて嬉しいです!」好印象を残すため、にっこりと笑った。
「そうか、そうか。それは嬉しい!私はMiss Circleだ。ところでなぜこの文房具屋へ?」親指を顎に当て、不思議そうに尋ねられた。
「授業用のノートや文房具のストックを買いに来たんです」迷わず答えた。
「へえ。この店、便利だもんな。人気なのに人が多すぎず、少なすぎずでゆっくりと商品を選べる。」優しい笑顔と共感の言葉が私の心をどろどろと溶かしていく。口から想いがだらだらと出そうになるのをぐっと堪えた。
「そうなんです、結構に出来てくれて助かってます!」貴女の近所でもあるよね。いつもここに来ているの?絶対に言えない言葉を心の中で語りかける。
「私も結構近所だからここにお世話になってるよ」
ビンゴ。
「それでは、私はこのあたりで失礼します。」そろそろおかしくなってしまう。
「ああ。」離れる際、手を軽く振って貰えた。私も勿論振った。顔は赤くなっていないはず。こんなところでバレるなんて御免だ。
さて、そろそろ買い物をしなくては。必要なものを選び、レジに出した。お洒落な商品が多く、少し悩んでしまった。しかし時間はまだある。そうだ、今日の晩御飯でも買おう。うーん、ミートソースパスタとかいいかも。お肉、ニンニク、トマト缶だけ買えばあとは家にあるはず。
家に着いた。
お肉やニンニクなどを入れる。お肉がぽろぽろとしてきたらウスターソースや塩を加える。そして仕上げにバター、胡椒を入れたらソースの完成だ。とても楽で助かる。そしてパスタを茹で、皿に移す。後はソースをかけ、チーズをかける。
…我ながら美味しくできたと思う。味がとても美味しい。ソースと混ぜ、フォークにくるくるとパスタを巻くととても美味しそう。1口食べる。ソースの味、ニンニクの香りやぱらぱらした肉の食感が美味しい。手は止まる事を知らないかのようにパスタを口に運ぶ。美味しい。
まあ、料理が出来ない野郎なんてCircle先生に選んで貰えないだろう。
口を拭き、皿を台所へ運ぶ。一息つこうとソファーへ座る。
今日はCircle先生と話すことができた。本当に本当に本当に嬉しい。これを機に日記を書こうかな。読み返して一つ一つを思い出せるようにしたい。以前から観察してはメモを取る、というのしていたが日記はしていなかった。ノートのストックは多めに買ってきたので早速書くことにした。
9⁄05
今日は入学式があった。Circle先生に挨拶をして貰えた。学校が終わった後の文房具店でも偶然見つけて、話しかけた。覚えてくれていたらしい。………
日記を書き終え、本棚に入れる。本棚にはこれでもかと言うほど魔法や料理に関する本がぎっしりと詰まっている。魔法の本人至ってはどれもこれも魅了魔法のものばかりだ。
一つ手に取り、パラパラとページをめくる。何回も読み返した懐かしい本だ。
攻撃魔法も基礎は学んでいるが、勿論Circle先生を傷つけるつもりは無いわけで。護身用であり護衛用だ。いつか使える時が来たらいいなあ。そうしたら…
他の本も手に取って読んでいるとあっという間に時間が過ぎた。もう8時だ。明日からは夢のような学校生活が始まるに決まっている。
お風呂に入って、もう寝よう。