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犯人?
「そんな…」
「アイツがやっぱり怪しかったものね。」
「証拠の映像も残ってるし、決まりね。」
「ああ。」
あいつ、俺達から逃げられなくなったからって…
こんな事するやつだったか?
「あ…」
「起きたか。」
「誰?僕のことを攻め立てに来たの?」
「とぼけるな。ロシアだ。」
「だから誰?」
「会ったこと何回もあるだろ!」
「知らないよ。」
「キタイ、いい加減に_」
「そもそもキタイって誰?」
「…は?」
「だから、誰なの?人違いだと思うんだけど、だとしたら。」
「…覚えていることを全部話せ。」
こいつ、おかしい。
「僕が二人ほど殺しかけたことだけだよ。君はその事に関する恨み言を言いに来たんじゃないの?」
…まじかよ。
「お前は中華人民共和国、俺はお前のことをキタイと呼んでいる。そしてお前は二国への殺人未遂の容疑がある。」
「じゃあどうなるの、僕は。」
「手続きを経てから処分が下る。順当に考えたら国体の変更、つまり実質の処刑だ。」
「そう、なら今自分の手で消えることにするよ。」
「は!?」
おいおい、どうしたんだ、こいつ。
「落ち着け!正式な手続きを踏むまで待て! 」
「?だって、もうみんな僕のこと嫌いだろ。」
「そういう問題じゃない!」
「そういう問題じゃん。生まれた瞬間衝動的に誰かを殺しかけたんだよ。ならみんな僕のことなんて嫌いだろ?」
「な…」
こいつ、誰かに危害を加えたこと以外の記憶が吹っ飛んでる?だとしたら何があったってんだ。こいつはこんなやつじゃない。最後までネチネチ言い訳を言う。しかも、もしこれで誤魔化そうとしているならば映像を残したまま倒れるなんてヘマはしない。
だとすれば。
「なあ、本当にお前がやったのか?」
「当たり前でしょ?証拠も残っていて、しかも何より、僕自身がそうしたって覚えてる。」
「どういう手口でやったかは、覚えているのか?」
「あんまり覚えていない、ただどこかをナイフでとだけは。」
「…」
言っている手口は一致している。
「刺した、感じなのかな?」
「それ、二人ともか?」
「うん。」
「…」
やっぱり、おかしい。
確かに、北朝鮮の方はそんな感じだったが、オーストリアの方は切っただ。しかも首を。
明らかに一致していない。そうなるとこの2つの事件は無関係?いやそんなわけない。だとすればこいつが北朝鮮を倒そうとする動機がない。
なら、まさか…
「どうして行動を起こしたと気づいた?」
「え?誰かが言ってきたから。よく覚えていないけど、お前のせいだって。みんながそういったんじゃないの?」
「! 」
やっぱり!これはキタイのせいじゃない。犯人の冤罪だ!その声が犯人の声だ!
「その聞こえてきた声、どんな声だったんだ!?」
「男性にしては高めだけど、少年みたいな声。かつ一人称はたしかボクだったはず。」
「ありがとう!じゃあな!」
「バタン」
あの中で少年風の声…空かイタリアかだな。
「というわけで明らかに矛盾が生じているんだ!」
「はぁ!?証拠映像まで残っていんのよロシ! ばっかじゃないの!?そんなのあいつの演技よ演技!」
「!でも、よく考えてみれば映像記録を消せる犯人が映像記録を移し替えていてもおかしくないですよ。」
「たしかにそうだな英國。」
「だとすれば映像はほとんど確証がなくなるわね。」
「しかもよく考えてみれば中国さんがそんなヘマをするとも思えません。普通ならいち早く映像ぐらい消してます。」
「なんかおかしいね…」
「じゃあ、犯人はまだこの中に…」
「だとしたら誰が…」
「キタイは少年風の声と言っていた。つまり空かイタリアだろ。」
「でも、録音音声を編集して流している場合もボイチェンを使っている場合もあるわ。」
「ああクソ!また逆戻りか…」
「フフッ、みんなばかだな。さあてと。」
声なんて、いくらでも変えられる。
「入るぞ。」
「ごきげんよう、なにをなさる気なのですか?」
「…とっととこいつらを始末してこい。今東欧最強のお前ならできるだろう。」
「しかし私には…」
「口答えをするな!それとも何だ、また八つ裂きにされたいのか?」
「申し訳ありません!すぐ参ります!」
「それでいい。私の理想郷を早く作り上げたいんだ。お前は前のようにならないだけ感謝しろ。」
「はい。」
「よろしい。分かったのならさっさとやれ。」
「かしこまりました。」