高橋 亮介。
爽やか黒髪イケメンで勉強できてスポーツもまぁまぁできる奴だ。女子にだって人気がある。
勉強できなくて顔もそこまでイケメンじゃない俺みたいなやつにも優しい。
明日は数学のテストなのに全く勉強していない。
もしも、高橋の考えてることがわかったらテストだって満点間違いなしなのに〜
まあ、そんなこと出来ないんだけど(笑)
カリカリとシャーペンの音
ペラペラテスト用紙をめくる音
チクタクと、時計の針の音
テスト中なら本来こういう音が静かな教室で聞こえるはずなのに…なんでだ!?
「りょぉうすけぇ//も、むりぃ…」
「理玖、挿れるよ…」
「あ、あっ、でっかぁい//」
今、俺の頭にはクラスの高橋と俺がえっちする映像的なのが流れてる。なんだよコレ!?
しかし、ブチッと突然、途切れてしまった。
俺は混乱のあまり、数学のテストなのに全部の空欄を武家諸法度で埋めてしまった…
「はぁーー…」
大きなため息をつき、机に突っ伏した。
あの映像はなんだったのか考えてみたが、皆目見当もつかない。
それにしても…俺、
あんなエロ漫画みたいな顔しないし!!
男に挿れられてあんあん言わないし!!
想像しただけでゾワゾワしてきた。
「りっくん、どしたの?うまい棒食う?」
友達の石川が突っ伏している俺の口にうまい棒を突っ込んできた。
「んうっ!ぶはっ!なにすんだよ!」
俺は胸の前でバッテンを作ってみせた。
「ふーん。んで、ふぁにがあっふぁの?(なにがあったの?)」
石川はうまい棒をサクサクサクサク食べ始めた。
「ちょっ、俺の上で食うな!こぼれるだろ!」
「( ̄ー ̄)/Ⅰ モチャニヤァ」
なんか、その顔ムカつく…
たくっと言い、上から降ってきたうまい棒の粉を払い落とした。
気を取り直して、テスト中のことを小声で話した。
「ヒィッwwwwwwアハハハwwwwww腹死ぬwww」
「てぇんめぇ!人の気持ち考えろやぁ!!」
一発殴ってやろうと思い、石川の胸ぐらをつかんだ。
が、俺の腕を後ろから誰かに止められた。
「暴力はあんま良くないぞ。何やってんだお前ら」
もうひとりの友達、前田がやってきた。
「前田ぁ。りっくんさ、テスト中にあの高橋とエッチする夢見たんだってwww」
前田の耳元で石川がニヤニヤしながら言った。
「りっくん、もしかして高橋のこと…」
前田は真剣な顔つきになった。
「断じてちがぁぁうー!」
俺はまた胸の前でバッテンを作ってみせた。
「てか、次の授業、バスケじゃねぇ?」
石川が教室を見渡した。つられて見ると、教室はいつの間にか俺たち3人しかいなかった。
「やっべ!急ぐぞ」
バタバタと廊下を走って更衣室に向かった。
「「ギリギリセーフ!」」」
親友なだけあるのかなんかハモった。
「ぎりぎりアウトだ」
体育教師の坂本がすかさずツッコんできた。
「お前ら、遅刻した罰に授業終わったら片付け手伝えよ」
「ええ〜…」
めっちゃ面倒くさい。
もうすでにチームが決まっていたらしく俺は赤いゼッケンを渡された。
ゼッケンを着ながら相手チームを見ると高橋と目があった。
高橋は俺と目があうと違う方を向いてしまった。なにか怪しい…
すると、またあの映像が流れ始めた。
「もぉ〜。りょうすけ、りくのこと見すぎっ!また、えっちなこと考えてんの?」
「だってお前がかわいすぎるのが悪い」
「りょうすけだってかっこよすぎるよ〜//」
↑俺の見た目をしたこいつ誰だ!俺はこんなこと絶対言わない。
そういえば、昨日、高橋の考えてることがわかったらとか考えてたし…
もしかしたらあれは高橋の考えてることなのかも…
でも、そういうこと考えてなさそう。
女子に告られても断るし、男子のそういう会話入んないし…
確かめてみなきゃ、高橋かどうか…
あれ、やってみるか…
「うっふん♡(棒読み)」
この前、石川に見せられたグラドルみたいなポーズをやってみた。どうだ高橋!
「りっくん、どうした?頭おかしくなった?」
前田がくすくす笑った。
「お母様、息子さんは頭がおかしくなっています。笑わせたら治ります!」
石川が医者みたいに言った。
「先生、この子を治してあげてください。おねがいします!」
前田がウソ泣きした。
「任せなさい。その子を押さえてください」
前田がガシッとセクシーポーズしている俺を押さえ、石川がこちょこちょし始めた。
「ちょ、やめ…あひゃゃゃゃゃwwwちょっ、待…んーーー!腹痛いwwwwww」
高橋がこちらを見ていた。すると、今度は頭の中に髙橋の声が聞こえた。
前田と石川ずるい…俺も理玖に触りたい。
あ、自分から行けばいいんだ。
「おい、村松嫌がってんだろ。やめたげて」
さっき聞こえた通り、高橋は『自分から』俺たちの方に来て、グイッと俺の腕を引っ張ってこちょこちょ地獄から開放してくれた。
それを見た二人はニヤニヤニヤニヤしている。
お前らは俺をイラつかせる天才か!
「村松ってこちょこちょ弱いの?」
高橋はつかんだ俺の腕をまだ、離さなかった。
「えー…まぁ…弱いほう」
俺は確信した。俺の頭に流れてくる映像は高橋の妄想で、聞こえてくる言葉は高橋の考えてること。
でも、高橋は人間だからいろんなこと考えてるはずなのに俺が関係してることばかり…
なんか、わけわかんなくなってきた。
どうすれば解決できるのかな。
「赤チーム、青チーム集まれ!」
坂本先生がクラス全員に聞こえるようでっかい声で言った。
「俺、赤チームだから行くわ」
高橋の手から腕をパッと離した。
よし、頑張ろ!女子にモテるために!
このバスケをきっかけにモテモテになったらいいな。
「りっくん、前見ろ!」
「へぶっ!!」
石川の注意に気付いたら、もう遅かった。
バスケットボール🏀は俺の顔面にきれいにクリティカルヒット★した。
「村松ごめん。大丈夫か?」
「だいじょうぶ…(ガクッ)_(┐「ε✗)_ 」
「村松白目むいてるぞ」
「むらまつぅーー!!」
「ん?ここだれ?!俺はどこ?!」
目が覚めたらベッドで寝ていた。
鼻がズキズキする。
顔面にバスケットボールくらって即途中退場とかダサい…
うえーん(´;ω;`)モテモテ計画失敗した。
しばらくすると、保健室のドアが開いた。
入ってきたのは高橋だった。
とっさに寝たふりをしてしまった。
「理玖…」
高橋は俺の名前をボソッと言った。
すると、頭の中にまた高橋の声が聞こえた。
理玖と両思いだったらどれだけ幸せなんだろう。
両思いだったら、俺だけが理玖を独り占めできる
のに…
理玖、昔のことなんて覚えてないよな。
ムカシノコト??なんのことだ?
俺、高橋になんかしたか?
にしても、寝てる理玖もマジ可愛いな。
天使みたい。いや、天使か。
触ってもバレないかな。
えっ!待て待て待て!高橋、どこ触る気だ!
高橋が近づいてくる気配がした。なんかいいにおいする…
高橋のひんやりした手が俺の髪の毛を触った。
なんだか、心地いい。
てか、これ妄想の中の俺達みたい。
どんなに高橋が俺のことを好きだろうと高橋の気持ちに応えることは出来ないと思ってるのに…
なぜか今、俺はドキドキしている。
俺は早く高橋が教室に戻ることを願った。
「りっくん、大丈夫だった?」
昼休みに教室に戻ると前田が心配してくれた。
「あー。ちょっと痛いけど大丈夫大丈夫。」
「お前、高橋にお礼言ったか?」
石川がチュッパチャップスをペロペロしながら言った。
「なんで?」
「ばっか!お前、高橋がお姫様抱っこで保健室まで運んだんだぞ」
石川はばしっと俺の背中を叩いた。
「お前ら王子と姫感がすごかったぞ」
前田が付け足すように言った。
ありがたいがお姫様抱っこっていうのはちょっとしゃくに障る…
「ほら、早く言っちまえって!理玖姫」
石川が高橋の方に無理矢理俺を連れていった。
「高橋〜。りっくんが言いたいことがあるって」
おぃ!石川ぁ!どうしてくれんだよ!めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん!
「えっ!えーと…その…」
なんて言えば…
「あ、ありがとぉな」
チラッと高橋の様子を見た。
「そんな、気にするなよ。」
高橋がにっこり笑った。か、顔がいい!!
すると、高橋の妄想映像が始まった。
「アナタハツマヲアイスルコトヲチカイマスカ?」
「誓います。」
リーンゴーン🔔💒
「あ、りょうすけおかえりなさい」
「ただいま」
「ねぇ、ご飯にする?お風呂にする?
それとも…オ・レ…?♥」
ブチッ
なんで、お礼いったぐらいでそこまで妄想できるんだ!?。・゚・(ノ∀`)・゚・。
高橋の想像力豊かすぎるだろ!
でも、完璧イケメンの高橋が照れるとことか見てみたい。
ちょっとからかってやろ( ̄ー ̄)ニヤリ
「あー転ぶー(棒読み)」
俺が転んだとこを大丈夫大丈夫してどんな妄想するのか気になる。
高橋は勢いよく椅子から立ち上がった。
タイミング良く、俺が転ぶ前にキャッチ出来た。
「あ、あ、あ、あ、//」
「大丈夫か?」
や、優しい!か、顔がいい!照れる!
「もお、りっくんはドジっ子だな」
石川が舐めおわったチュッパチャップスの棒をガジガジした。
その瞬間、高橋の妄想映像が流れた。
それは、俺の予想していたものとは全く違っていた。
それは、転んだ男の子を女の子が慰めているものだった。
その男の子はなぜかどことなく俺に似てる。
もしかして…
高橋、俺の小さい頃を想像したのか?!
高橋のことだからまた、結婚とかそのへんだと思ったのに。
想像で俺の小さい頃を完全再現とかすげえな高橋!
その力を妄想以外で使えたらいいのに…
高橋の映像にいたあの女の子みたことあるよ~なないよ〜な。
うーん。思い出せない…
テレビに出てた子かな?まあ、いっか
「たかはし〜。お前っていつから村松のことが好きなの?」
「たぶん、前世ぐらいから」
「キッッッッモ!」
赤城が変態バリアと言い、下敷きでガードをした。小学生かよ。
「それは、俺がまだ小さかった頃…」
「回想に入るんだ…」
俺は女の子によく間違われた。
男なのにかわいいと言われ続け、母に言われて無理矢理子役の仕事をすることに…
どうせ、売れずにすぐ終わると思っていた。
が、母が頑張ってマネージメントしたおかげか売れてしまい、仕事ばかりしていた。
その時の俺は年齢の違う大人と仕事をするより同年代の男の子と遊びたくて仕方がなかった。
その日、俺は撮影中に抜け出して近くにある公園に行った。
そこで村松 理玖に出会った。
「りく!お前の持ってるお菓子よこせ!」
「あ!なにすんだよ!返せ!」
「返してあげなーい(笑)」
いじめられてるみたいだ。
かわいそうにあんな奴にいじめられて。
助けてやるか。
「返してあげなよ。それ、お前らのじゃないんだろ。」
いじめっ子の手からいじめられっ子のお菓子を奪って返してあげた。
「あ、ありがと」
「どういたしまして」
いじめっ子のほうは俺の態度が気に入らなかったようで、ボソッと
「女のくせにうるせぇよ!」
とつぶやいた。
「あ?」
いじめっ子は当時の俺の地雷を踏んだ。
そして、俺の右手がこいつの顔面にクリティカルヒット☆した。
「いってぇ〜〜〜。・゚・(ノ∀`)・゚・。」
女の子みたい、可愛い、と言われることに嫌気が差して公園に来たのにこいつもか!
怒りが収まらなかった俺は、そいつをボコボコにしてしまった。
「もういいよ!お菓子返してもらったし。殴るのやめてあげて」
いじめられっ子が殴る俺を止めに入った。
自分に意地悪してきたやつが殴られていたのを見て泣いていたようだ。
な、な、な、なんて慈悲深い子なんだ!!て、天使だぁ!!
「き、君名前は?」
「僕…俺はむらまつ りくです」
りくくんかぁ。僕って言いかけて俺にしたとこ可愛いいいい。
「あの名前は…?」
「りょうすけ。りょうちゃんとでも呼んで」
「俺、りょうちゃん好き」
鼻血ぶっしゃ〜〜🩸
「かっこいいし優しいから」
りくはふわっと笑った。
ここに天使がいまーーす(^q^)
「りょうちゃん、鼻血でてるよ」
「そんなことはどうでもいいよ。
けっ、結婚しよ!」
俺はガッとりくの手をつかんだ。
「けっこん?う、うん」
「こうして、俺と理玖は結婚の約束をしたのでした。(^_−)−☆」
「お前が無理矢理言っただけだろ!当時の村松、結婚の意味わかってねぇだろ!」
赤城が下敷きガードで俺の頭をバシッと叩いた。
すると、赤城の彼女がやってきた。
「赤城くんと高橋くん何話してるのぉ?私も入れてぇ」
その女がベタベタと俺にくっついてきた。
「えっ…離して…」
引き剥がそうとしたら赤城が言った。
「おい!高橋にくっつくな!薄々気づいてたけど、お前高橋狙いで俺と付き合っただろ!」
「ええっ!そ、そんなことないよぉ〜」
女はすごく目が泳いだ。
「誤魔化しても無駄だ。別れよ」
赤城はズバッと言い放った。
すると、女の口調がさっきまでのぶりぶりじゃなくなった。
「最初からてめえのことは興味ねぇよ!さよなら!」
女はどかどかとでかい足音で教室から出ていった。
「赤城、お前すごいな…」
「いろんな可愛い女の子と付き合ってきたからね。お前は一途すぎんだよ!」
赤城は椅子に勢いよく座った。
「理玖以外の生物を好きになれるか!なれない!」
これは、絶対に譲れない。不可能と言っても過言ではない!
「じゃあさ、いつものと、猫耳付きと、ツンデレと、セクシーと、可愛い、5人の村松が現れたら誰を選ぶんだ?」
「な、なんだって…!?」
(⚠高橋氏の妄想劇場にお付き合いください…)
「「「「「りょうすけ!誰を選ぶんだ!」」」」」
「理玖が5人?!だ、誰を選べばいいんだ?!」
「俺だよな」
いつもの理玖が俺の手をつかんだ。
「理玖にゃんを選んでニャン」
理玖にゃんがスリスリしてきた。
「別に俺は高橋のこと好きなんかじゃないし…でも、高橋が誰かのものになるのが嫌なだけで…」
ツンデレ理玖がツンっとそっぽを向いた。
「りょーすけ。」
セクシー理玖がベロチューをした。
「僕、りょうすけと一緒にいたいです!」
可愛理玖がもじもじしながら言った。
「やばい…りょうすけのりょうすけが目覚めそう」
「目覚めさせるなよ」
赤城がスマホを見ながら言った。
「おい!亮介!これ見ろ。」
赤城のスマホを見ると、
クラスLI◯Eに
〔放課後、家庭科室!理玖女装なう〕
というメッセージと
嫌な顔して女装してる理玖、女子と前田の写真が送られていた。
おそらく送ったのは石川だ。
「見に行こうぜ」
「もちろんだ!赤城!」
俺たちはすぐさま家庭科室へ向かった。
「お願い!このとおりだから!」
放課後、ス◯バに寄って帰ろうとした俺たちは同じクラスの女子、中原に呼び止められた。
「どうしても、村松くんの力が必要なの!」
女子にこんな風にお願いされたことないから嬉しい!!
「ぜひ、やらせて下さい!!」
「じゃあ、これ着てね」
渡された服を見て、ギョッとした。
「村松くん、ちょー似合ってるよ!お願いしてよかった!」
「りっくんかわいーぞ!」
渡されたのはフリフリのピンクのワンピースだった。しかも、メイクとウイッグまで付いたハッピーセットだ。
「流石に悪いからアイス奢るよ」
「ハーゲン○ッツでもいいか?」
「いいよ」
中原はニヤリと笑った。
「どんとこいやあぁぁぁぁあぁ!写真でも動画でもなんでも撮れ!」
「りっくん、がに股やめてwww内股にしなwww」
前田と石川が腹を抱えて大爆笑している。
イラッとするが、めったに食べることがないハー○ンダッツのために頑張る…
「お邪魔しまーーす!!」
いきなり、家庭科室のドアが開き、入ってきたのは
髙橋と赤城だった。
高橋とバチっと目があった。
お決まりの高橋妄想劇場が始まった。
「「「「「高橋が俺を女の子にしたんだぞ!責任取れよ!」」」」」
な、なんか今日の高橋の中の俺、5人に増えてる?!
しかも、猫耳とかほぼ全裸みたいなやつまでいるんだけど?!
「どうして、ここにいるってわかったんだ?」
前田が赤城たちに聞いた。
「クラスL◯NEに書いてあったから!」
赤城はスマホの画面を見せてくれた。
送ったのは…
「い〜し〜か〜わ〜!!」
「りっくんめんご☆めんご☆(=´∀`)テヘ」
石川が高橋の後ろに逃げた。
「村松はどうして女装してるんだ?」
高橋が石川を引き剥がしながら聞いた。
「私がお願いしたの」
中原が手をあげた。
今度は高橋の声が聞こえた。
こいつがお願いしたからこういう服着てんだ。
なんか、妬ける
中原ぁ〜。高橋が嫉妬しちゃったよ!
しょうがないな。
「高橋、手貸して!」
「いいけど」
俺は高橋と恋人つなぎをしてみせた。
「えっ!なんで」
「女子としてるみたいで嬉しいだろ」
高橋の顔を見ると頬がほんの少し…赤く染まっていた。
なんだか俺もドキドキして苦しい…かもしれない…
いや!きっとワンピースのせいだ!
女子用だからきっと小さいんだ!
高橋の妄想に困らされるし、高橋をからかおうとするとやり返される。
でも、悪くないと思う自分がいる。
これからも高橋の考えていることが知りたいと思った。
続く!(かもしれない!)
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