目黒は渡辺を連れて帰って来た。
きっと、東條は見てるだろう。
渡辺をソファに座らせ、コーヒーを淹れる。
目黒ー行ってくる。
渡辺ー危ない。
目黒ー大丈夫。
渡辺ーここで待ってる。
目黒ーん。
目黒は家を出て、向かいのチャイムを鳴らした。
東條ーやぁ、目黒くん。
目黒ーお話があります。
東條ー中へどうぞ。
目黒ー玄関で結構です。
東條ー話って何かな?
目黒ー渡辺が倒れました。原因はあなたですよね?
東條ー僕?
目黒ー渡辺は1番仲の良い友達です。それを恋人だなんて言ったんでしょ?
東條ー違ってないと思うけど。
目黒ー聞いてました?友達なんですけど。
東條ー親密な関係に見えたけど?
目黒ー覗き穴からですか?
東條ー僕の密かな楽しみなんだ。
目黒ー趣味悪いですね。
東條ーホントに友達?
目黒ーそれ以外ありません。
目黒は毅然とした態度で言い放つ。
東條は、ちょっと寂しそうな顔をした。
目黒ー俺たちが、もし恋人なら何かあるんですか?
東條ー僕ね、可愛い恋人がいたの。
あっ、男だけど。
その彼が、世間体を気にして離れて行ったの。ショックでね。
目黒ー俺たちと、どう関係あります?
東條ー渡辺くんは幸せそうな顔してて、羨ましかった。恋人と上手くいっているんだと思った。
目黒ー大事な友達です。俺は、あの人を尊敬しているし、渡辺は、俺を可愛がってくれます。
東條ーいい友人関係なんだね。だから、渡辺くんは幸せそうな顔してるんだね。
目黒ー俺たち2人が一緒だから楽しいし、親密になれる。
東條ー渡辺くんには悪いことしたね。怖がらせちゃったし。
目黒ー今後、渡辺には近づかないでください。
東條ー約束しよう。
目黒ーでは失礼します。
東條の家から帰って来た目黒。
渡辺は心配そうな顔をしている。
目黒は笑って両手を広げる。
飛び込んでくる渡辺。
渡辺ー大丈夫?
目黒ー言えるだけ言ってきた。
渡辺ー東條さんは?
目黒ー翔太くんに悪いことしたねって。
渡辺ーもう、気にしなくていいの?
目黒ー1番仲の良い友達ですって言ったら、初めは信じなかったけど、俺がそれ以外ありませんって言ったら分かってくれたと思う。
渡辺ー1番仲の良い友達?
目黒ー外ではね。家の中では大事なパートナー。
渡辺ーん。
目黒ー翔太くんが幸せそうな顔をしてるって。
渡辺ー友達であり、パートナーであるし、俺は幸せだもん。
熱いキス。
何度もキス。
目黒ー晩ご飯作るけど、翔太くんはお粥ね。
渡辺ー何で!
目黒ーそんなに痩せて、食べても吐くでしょ?
渡辺ーお婆ちゃんみたい。
目黒ー重湯よりマシでしょ?
渡辺ーお粥でいい。
どんな話だったか詳しくは聞かないけど、頼もしいパートナーだ。
これからは、もっと早く頼れるようになりたい。
完