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「いやーーーーーーー、おめでとう!!」
若井が俺たち2人に拍手をしている。今日は涼ちゃんの部屋で、若井に俺たちの事を報告していた。
「若井は…その…知ってたの…?ていうか、何をどこまで知ってるの?」
「ん?2人が夜な夜なハグをしまくっているというとこまで。」
涼ちゃんがちょっと!と若井の肩を押して、俺は若井の脚を蹴り上げた。若井は、いって〜!とびょんぴょん跳ねている。
俺たちはそのままソファーに腰掛けた。
「まあ、若井にはその…いろいろ、世話んなったし、一応、ありがと。」
「いーんだぜ!俺たちB!F!F!だからな!」
「お前コロすぞ。 」
「そうだったんだ、若井、ありがとう。」
「おう、俺は2人のキューピットだからな〜、覚えとけよ〜〜〜。」
はいはい、と俺はお茶を飲んだ。
「しかし、元貴相手って、涼ちゃんかわいそ〜、絶対大変だろコイツ。」
「大丈夫だよぉ、元貴優しいもん。」
「涼ちゃん。余計なこと言わない。」
「ああ〜!友達同士のこういうの、こしょばい〜!」
「だったら聞くな。」
若井は俺たちがうまくいったことに大いに満足して、じゃー後は若いお2人で、と帰っていった。
「若井が受け入れてくれて、あんなに喜んでくれるなんて思わなかった。」
「安心した?」
「うん、やっぱり3人だし、俺たちが付き合ったらイヤかな、ってちょっと気になってたから。」
「そっか、良かった。」
俺は隣に座る涼ちゃんの左手を握った。涼ちゃんもぎゅっと握り返す。
「涼ちゃん。俺に愛されてる自信はついた?」
「うん、未だにちょっと信じられないけど、すごく幸せだよ。」
「なんでちょっと信じられないんだよ。」
「ちがう、夢見心地ってこと。」
「夢じゃないよー。」
俺は涼ちゃんのほっぺを軽くつねる。涼ちゃんがほっぺをすりすりして微笑む。
「ねえ元貴。」
「うん?」
「BFFのさ、何かが弾ける音がしたって、あれどういう意味?」
「あー、あれは涼ちゃんを初めて見た時に、一目惚れしたってこと。」
「ええ?そうだったの?」
涼ちゃんが驚きと嬉しさの両方の顔をした。
「涼ちゃんはどうなの。いつから俺のこと好きなの。」
「え、わかんない。わかんないけど、最初は可愛い子に懐かれたな〜とか思ってた。でも、元貴のすごいところとか、ちょっと弱いところとか、いろんな魅力を見て、だんだん好きになったって感じかなぁ?」
「ふーん。」
俺は勝手に顔がにやけるのを誤魔化すために、窓の外を見た。今日は綺麗な晴れだ。
「ねえ、一緒に住む?」
俺は窓を見ながら言った。涼ちゃんは、んー、と考えた後、頭を俺の肩に乗せてきた。
「このまま、近くに住んでるのがいいかな。一緒に住むと、俺絶対元貴にイライラさせちゃうし。」
「まあ確かに。」
「ちょっとお〜…否定できないけど。」
「じゃあ、これからもいっぱい呼び出しちゃおっかな〜。」
「元貴、…俺も元貴に会いたい時、来てもらったりしてもいいかな…?」
「涼ちゃんはダメ。 」
「なんでだよぉ!」
俺はニヤリとして、涼ちゃんにいきなりキスをした。涼ちゃんはびっくりして目をまん丸にして固まっている。
「ウソ。いいに決まってんでしょ。」
「………ホントに、元貴の相手って大変かも…。」
顔を真っ赤にして涼ちゃんが呟く。俺はまた不敵な笑みを浮かべて、後悔してももう遅い、というように、涼ちゃんの首に腕を回してもう一度優しくキスをした。
涼ちゃんと若井、若井と俺、俺と涼ちゃん、それぞれの2人の部屋に、それぞれの物語がある。そこは、他の誰にも踏み入れられない、俺たちだけの聖域だーーーーー