4月の始まり。花が咲く頃。大きな花に、小さな花。なんだって花というものは綺麗なのだ。
あれはもう、今、JKの私からして、3.4年前になるのだろうか。花というのは大きいのが全てだと勘違いをしていた。
4月6日。中学校に入学する。小学校では大きな花でも小さな花でも無い、要するに、中立的な立場だったと言えばいいのだろうか。好きな人が居た。でも大きな花にならない私は恋なんて一度も実らない。だから入学という節目を利用し、中学校では大きな花になってやろうと企んでいた。
でもそんな思惑も1週間も経たないうちに無惨に散った。小学校からかき集められたバラバラのクラス。私が小学生から嫌いだったあいつらと同じクラスになってしまった。更に他の小学校からも同類のやつらしか集まらない災厄で最悪なクラス。他のクラスからもビビられていた程だった。先生にでさえ舌打ちする様な、弱い者いじめをする様な腐った人間しか、そこには居なかった。
3年間のいじめと不登校生活が始まった。
当時は『ゴミ』『汚物』『病原体』。これが私の名前。本名でなんて呼ばれただろうか。椅子に座ろうとしたら画鋲があるなんて日常茶飯事。
階段から突き落とされ殺されかけたこともあった。
花なんて馬鹿げてる。花どころかただの枯れ葉じゃ無いか。いや、枯れ葉にもなれないそれ以下なのだ。
それでも私は花になりたかった。
負けたくなかった。だってどう考えたってあっちが枯れ葉なのだから。
蕾にさえなれない。情けない。
人生とはどこに転がるのだろう。
花とは有名な種類もあれば、マイナーなものまで数えきれ無いほどあるのではないか。庭園にあるものから道端の花まで多種多様。
私はまだその時は気づけなかったのだ。
どんな花でも輝けるなんて。大きさが全てだと。
『絶対にみんなよりも大きな花になる。』
私は中学校入学と同時にダンスを始めた。余談だが、ダンスを始める前はピアノとクラシックバレエを習っていたが、あえなく挫折。
ダンスを始めたあの頃はTWICEが流行り始めた時期。K-POPがまた再熱したあたりだった。
私もTWICEに夢中になった1人だった。彼女たちに憧れた。別にアイドルになりたいと思った訳では無いけれど、世の中には『好きこそものの上手なれ』なんて言葉がある。ダンスなら頑張れるんじゃないか。強みになればと思って始めた。
私の中では学校で花を咲かせ、ダンスでも花を咲かせる。まぁ、夢の見過ぎだとは本人自身も思うが、そんな理想を持っていた。
しかし、そんな理想も1ヶ月も経たずに散った。
最終的には3年間のいじめと不登校生活になるのだが、1年生の6月辺りまでだろうか。その辺りまではちゃんと毎日登校していた。辛い学校生活の中、レッスンは唯一の楽しみ、息抜き、ダンスの沼にすぐにハマった。『あぁ、何故もっと早く始めなかったのだろう』そう思った。
5月。決定的な事件が起きたのはあの体育祭であろう。
当然、孤立している私は1人だ。だが、1人だろうが何事もなく終わればそれで良いと思っていた。
体育祭自体は難無く終わった。終わって教室に戻り、それは起こる。
クラスメイトの女子1人がこんなことを言い始めた。『今日さ、体育祭の打ち上げやらない?』そしてみんな賛同して急遽、開催することになった打ち上げ。
補足しておく。私が通っていた中学校ではトラブル防止の為か、打ち上げ等の行為は禁止となっていた。
まぁ、ここまで見ていてくれてるあなたなら分かるだろう。所詮あのクラスに居た者全員が学力は関係なく人間的に『馬鹿』なのだ。今ではそんな風に切り捨てられる。
馬鹿しかいないクラスじゃ学校のルールなんて関係なし。しかも、場所は居酒屋、親無しで開催しようとしていた。馬鹿丸出しの話である。今でこそあんな馬鹿の会に参加しなくて良かったと思う。けれど、あの時は”もし、その場に行く事が叶うなら、少しは受けて入れて貰えるかもしれない”こんな事を考えた。
だか、私なんか、誘われるわけがないのだ。
家の都合で参加しない者も居たが、基本誘われては居た。
そう、私以外で。開催しようとした。
だが、とある女子が、私が誘われていないことに気づいてくれて、LINEをくれた。『誘われた?』と。
だから私は『誘われてない』『知らなかった』と返信をした。しかしその30分後くらいだろうか。
見知らぬアカウントからLINEが来た。そのアカウントは打ち上げ主催の男子だった。LINEなんて交換してなかった。なのに、来た。誰かが裏切って私のアカウントを上げたのだろう。
その男子はLINEでこう言った。
『来るな。打ち上げに来るな。もう予約済みだから人数増やすの無理だし、お前なんか来たら邪魔で仕方がない』
わざわざこんな事を言うためだけにLINE使うとかゴミ以下の人間が使う手法であるが、その当時は深く傷ついた。
ちなみにこの男子だが、3年生になった年、この中学校の生徒会長になった。こんな奴を生徒会長にする馬鹿な中学校と先生がいるもんだなぁと、悪い意味で感心してしまった。”悪い意味で”。
この出来事を境に更に嫌がらせはエスカレート、いじめへ発展したのだ。
ついに私は恐怖で中学校の敷居を踏めなくなる。
こんな重い話が何故『君の花になる』というのか。
しかしこの3年間の不登校生活を得て高校生になった展開の後、『君の花になる』の意味が分かるはずだ。
*『君の花になる』ー*
これは、私が『君の花になる』という言葉を見つけるまでの過程を書いた、ノンフィクションの作品である。
コメント
2件
続き待ってます!
なんか感動した、、 続き待ってます(*^^*)