私は彼から水族館で買った小さなイルカのぬいぐるみを抱いていた。
彼と出会って、平日や休日でも楽しい時間を過ごした。その時間はあっという間に流れて気づいた頃には数ヶ月が経っていた。
今日は彼の誕生日だ。
なので今は彼の帰宅を待っているところだ。
数時間経ったが彼からメールも来ず電話がなかった。何かあったのかとそわそわした。
その数分後に彼から電話が来た。
私は彼に何かあったのかと聞こうとしたら彼から疑うような言葉を言った。
“別れよう”
私はその意味が分からなかったが、彼がゆっくりと詳細を話した。彼は、
“好きな人ができて…
その人と今日はデートしている“
と言ったのだ。
私は、ゆっくりと頷き
”そうなんだね…“
と呟き、
”彼にもう会えないんだね…
今までありがとう。
お誕生日おめでとう“
と言った。
彼からは”ごめん”だけ伝えて気まずそうに電話を切った。
私はまたぬいぐるみを抱きながら“ありがとう”と呟いた。
なぜか涙は出なかった。
でも、心残りはあった。
私は家の中の電気を消して寝室に行き、ベッドで静かに涙を流した。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!