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きらり 、 と煌めく届く筈の無い水平線に手を伸ばす 。
当たり前の様に空を切って宙ぶらりんになった右手を 、 開いたり閉じたりしてみて 。
『 … ねぇ 、 あっと 』
隣から 、 大好きな人の声が聞こえる 。
耳を擽る 、 心地の良い声 。
「 なぁに ? 」
彼の方を向き 、 ふら っ と右手で彼の左手を握る 。
頬を朱に染めてふひ 、 なんて笑う彼がなんとも手放し難い 。
『 綺麗だね 、 お前は 』
月みたい 、 なんて言って斜め上を指さす 。
すらりと伸びた其の人差し指が 、 俺の方に向く 。
『 恐ろしく遠く感じる 』
生暖かい風が吹く 。
包み込んでくれる様な 、 まだ夏の抜け切っていない秋の風 。
風で顔に張り付いた髪を 、 はらりと其の右手で払い除けてくれる 。
「 じゃあ 、 まぜは太陽だね 」
からりと笑う俺の大好きな笑顔が 、 真夏の太陽を想起させる 。
俺には似ても似つかない 、 恐ろしいくらいに爽やかな人 。
『 … 俺達 、 会えないね 、 じゃあ 』
再度風が吹く 。
何処か寂しそうな横顔が 、 本当に遠くへ行ってしまいそうで 、 もう二度と会えなさそうで 。
「 .. 会うよ 、 毎日 。 」
「 朝起きた時にはお早うって言って 、 夜寝る時にはお休みって言うもん 。 」
「 … 絶対離れない 、 から .. 」
駄々を捏ねているみたいになった俺を 、 くすりと笑って撫でる 。
暖かい其の手が 、 此の人は生きているんだって実感させてくれて 。
『 … うん 、 離すつもり無いよ 』
『 これからは冗談でもこんな事言わない 、 ごめん 』
其う言って 、 俺を抱き寄せてくれる 。
大好きな彼の香りが鼻腔を擽る 。
離れ難くて 、 彼の胸に頭をぐりぐりと押し付けてしまう 。
頭上から小さな笑い声が聞こえてきた 。
「 .. やくそく 、 ね 」
左手の小指を 、 彼の右手の小指に絡める 。
右手の小指を解かれ 、 其のまま恋人繋ぎの状態にされる 。
『 うん 、 約束 。 』
にひ 、 と笑うまぜ 。
其れ 、 其の顔 。
愉しそうに笑う顔も 、 太陽そのもので大好きだけど 。
俺の事で笑っている 、 心底幸せそうな顔が堪らなく好きだ 。
「 … ふふ 、 すき 、 だいすきだよ 」
『 ん 、 おれも 。 』
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中秋の名月 に 合わせて 出したかった -`🙌🏻´-
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