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最近、なんだか大和からの目線を感じる。あたし、清水千奈。真田家の近くに住んでる委員長の女子。大和とは学校でも顔を合わせるし、最近は放課後もなんだかよく目が合うような気がして…。きのせい?
大和って、普段は冷静で落ち着いてるから、こういう変化に気づくのはちょっとだけ面倒だ。でも、なんとなく気になる自分がいる。大和は…あたしに気があるのかな?それはないとして…。ただ、たまたま目が合うだけ?
放課後、学校が終わったばかりの廊下で、ふと大和を見かけた。大和が何かを考え込むような表情をしているから、つい声をかけようと思ったけど、そのタイミングで大和はすぐに走ってどこかに行ってしまった。私…。避けられてる??
「あれ?どうしたんだろ?」
それだけで終わったけど、なんとなく心の中にモヤモヤが残った。
その日、帰り道に美桜ちゃんに会った。美桜ちゃんは、真田家の次女で、いつも穏やかで優しそうな雰囲気があるから、私もつい話しかけたくなる。
「美桜ちゃん!」
「千奈ちゃん、おひさ!」美桜ちゃんはにっこり笑って、足を止めてくれた。
「帰り道?」
「うん、ちょうど帰るところ。あ、美桜ちゃん、ちょっと相談があって…」
美桜ちゃんはとても優しくて、あたしのことをいつも気遣ってくれるから、つい頼んでしまいたくなる。今日は、ちょっとだけ大和のことを相談してみようかなって思って。
「実は…最近、大和となんか目が合うことが多くて…」
美桜ちゃんが少し驚いたように目を大きくしたけれど、すぐに優しく微笑んだ。「ああ、それは…大和。わけあり。」
「えっ、そうなの?」
「うん。大和って、なかなか自分の気持ちを表に出さないから、意識してるってわかるまで時間がかかるんだよね。でも、きっと何かしら伝えようとしてるんじゃないかな。」
ほお?イマイチわからん。やっぱ高1の人はさすがねー。
美桜ちゃんが少し考えてから答える。「うーん、どうだろうね。でも、大和は決して軽い男じゃないから、もしそうなら真剣に思ってるはずだよ。千奈ちゃんも、気になるならそのまま素直に気持ちを伝えてみたらどうかな?」
そう言われると、急に胸がドキドキしてきた。大和が本当にあたしに気があるのかどうか、まだはっきりとはわからないけれど、美桜ちゃんが言う通り、自分の気持ちを素直に伝えてみるのも悪くないのかもしれない。
「ありがとう、美桜ちゃん。」
美桜ちゃんは優しく笑って、「どういたしまして。応援してる。」と答えてくれた。その笑顔に少しだけ勇気をもらって、あたしはちょっとだけ心が軽くなった。
大和と明日話してみるかな。