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【じゃぱぱ視点】
「てかスタッフって何するの?」
俺らは何もすることがなく、食堂に座っていた。隅っこには、六番ちゃんが本を静かに読んでいる。
「生徒の手伝いとか?火を使うかもだしね」
斜め前のえとさんがそういうと、もふくんが、
「怪我とかするかもだし、俺が手伝わないと!」
「怪我するのは分かるけど、「俺らが」じゃなくて「俺が」なのはなんで?」
俺が半眼で尋ねると、もふくんは、
「いや!別に楽しみたいからとかではないから!」
「口に出てますよ……」
のあさんがため息をついた。
「てか、もふくんが楽しむんやなくて、生徒が楽しむ行事なんやで!大人はそれを見守る仕事なんや!」
たっつんはもふくんに向かって言うと、もふくんはぐっと喉を詰まらせて、目を逸らす。
「で、でも!大人だって子供の時の楽しさとか思い出して一緒にしたいじゃん!」
「わかるけどこれは子供の行事なんやって!」
「大の大人が大声を張り上げて……恥ずかしいですわよ」
ピシャリ。そんな音が聞こえるくらい、たっつんともふくんの言葉が綺麗に止まった。
声の主は、先ほどまで静かに読書をしていた女の子……六番ちゃん。
「そんなに大声を出していたら、外の生徒に聞かれますわよ」
六番ちゃんは、窓から見える楽しそうに話している生徒達を見て言った。
「六番さん、ごめんね、せっかく読書してたのに……」
のあさんが申し訳なさそうに六番ちゃんに謝ると、ふっと微笑んだ。
「遠慮なさらず。ここにいる生徒達が、誰かに頼られる、そんな大人になって欲しいから、貴方方のような手本が必要ですの。お願いしますね」
六番ちゃんは、生徒達の未来のために俺らに話してくれたんだ。
てか、めっちゃ上品だし……え?本当は大人なんじゃないの?
六番ちゃんは、スカートの裾を少し持ち、綺麗な一礼をして食堂を出て行った。
「すご……私だったら絶対に言わないよ、あんなセリフ……」
えとさんは驚いたように六番ちゃんが出ていったところを見た。
「でもさ、なんか圧が見えたような気がしたんやけど……なんか六番が話す時だけ、すごい体が重く感じたし……」
確かに。なんか、THE お嬢様って感じ。
「……もしもし、俺だけど。珍しいね、なんの用?」
急に、静かで冷たい声が聞こえた。
「え………誰…?」
のあさんが、少し怯えた声で言った。俺らは、静かにその声を追いかけた。目の前にいたのは……
「え……七番くん…?」
えとさんが、小さい声で言った。まさか、さっきの静かな声が七番くんなのか?前話した時よりも、すごく冷たかった。
「………それで、そっちはなんか情報掴めたの?お前のことだからすぐ見つけたんだろうけど」
七番くんは、長い廊下を歩きながら、誰かと話している。
「これどうするん?帰るか?」
たっつんが俺を見て言う。確かに、これは盗み聞きだ。
「まさか…!追いかけるに決まってるでしょ…!」
もふくんは目を輝かせて言う。おいおい、もふくんはこれが盗み聞きだって自覚してるんだろうか。
「………………俺、今日の林間学校嫌な予感してたんだ」
『お前の勘は当たるからな』
もふくんの後を追いかけて近づくと、相手の声も聞こえた。男の子だ。
「でも、まだ何も異変は起きてない。俺さっきから森の中とか歩いてたけど、二番が事前に張った結界は破れてないし、怪異の気配も感じない」
『マジか。じゃあ、これからって事かよ。こっちも今そっちのデータ集めてるけど、ハッキングとかはされてない。いつも通りだよ』
「え〜……じゃあこれから怪異が襲ってくるみたいじゃん」
七番くんが周りをキョロキョロ見ながら言った。ヤバい、気づかれてないよな?
『まあ、お前なら薙刀なんか使わずにすぐ倒せるだろ。死のタナトスさん?』
「それは言うなよ。俺の二つ名なだけじゃん。お前だって……」
七番くんが口をつぐんだ。タナトスってなんだ…?
「なあ、タナトスってなんや?」
たっつんがもふくんに聞いた。
「タナトスは、ギリシャ神話の死を司る神だよ。でも、なんでそんな神が……」
「死……」
のあさんが小さく呟いた。
「まるで、私たちにそれが近づいてるみたいじゃん……」
えとさんが怯えて言うと、七番くんがふと振り返った。
「っ!」
俺らは、息を呑んだ。
七番くんの振り返った顔……オッドアイの瞳に光が宿っていなくて、冷めた目で見つめられたから。
「……ごめん、電話切るわ」
『は?ま……』
七番くんは、相手の言葉を待つことなく、電話を切った。
裾が小さく引っ張られて、小さく震えている。のあさんが裾を掴んだんだ。
「……何してるんですか?」
「っ……」
七番くんは、スマホをポケットに入れて話しかけてきた。
口元は笑っているように見える(多分)。でも、目が笑ってない。
「……これからが大変だってのに……めんどくせぇ……」
小さく、そんな言葉が聞こえた。のあさんが泣きそうな顔で俺を見る。えとは、のあさんの背中に手を置いているが、顔が強張っている。一歩後ずさると、七番は肩に担いでいた細長いケースに手をかけて、笑った。
「……じゃぱぱさん、もう晩ご飯ですよ?さ、みんなのとこに帰りましょ!」
「うん……」
俺らは、七番くんの異様な気配にビビりながら、外に出た。
コメント
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第15話読みました!六番ちゃんのあの一喝、めっちゃカッコよかった…普段おとなしいキャラが急に静かな圧を見せるの、ギャップでやられたわ。でもなんといっても七番くんの電話シーンだよね。「タナトス」って二つ名も気になるし、目が笑ってないあの表情が本当に怖かった…!のあさんが泣きそうになってる描写も相まって、林間学校で何が起きるんだろうって震えてる🔥