テラーノベル
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今日は、なんだかいつもより、体が重く感じた。
なんか、暑いなーと思い、首に手を当てると、すごく熱い。
あー、熱あるのかなとか呑気に考えながら、薬と体温計を取りに行こうかなとか働かない頭で考える。
アニキに移すのも悪いから、マスクもしておかないと。
しばらく、動くのがだるくって、ベッドでしばらくうだうだしていると、部屋のドアが開いた。
「…まろ?」
少し眉を下げたアニキが心配そうに覗いてきた。
「大丈夫…?顔色悪いんやけど…」
正直、アニキが何を入っているのか理解できなかった。
例えるなら、5時間目の数学で右耳から入って左耳から抜けていくから頭に言葉が残らない感じ。
ベッドで寝ている状態の俺の顔を覗き込んで、額をあわせる。
俺の首に触れているアニキの手や、おでこが冷たくて気持ちいい。
「、熱いな。 風邪?」
少し、息苦しいような気がしてきた。頭も痛いし、体に服が張り付いて、気持ち悪い。
「汗すごいな。 タオルと薬、あと体温計も欲しいよな。 食欲は、ある?」
話している言葉は、なにも聞き取れないけど、アニキがどこかへ行ってしまう、そんな気がした。
それが嫌で、手を伸ばす。
でも、スカッと音がなりそうなくらいきれいに空振りをした。
その瞬間に、心臓にぽっかり穴が空いたような、下に落ちて溶けていくような、そんな感じがした。鼻がツンと刺激を受ける。
そしたら、手にヒヤッとする感触があった。
アニキの手だ。あにきってこんなに冷たかったっけ。
「リビング行くだけやから、な?」
今日、俺だめだな。 そう直感的に思った。
そう考えているうちに、あにきは、いつの間にかいなくなっていた。
気持ちを紛らわすように、枕に顔を埋める。
「戻ったよまろ。」
俺好みな中音的なハスキーボイスが聞こえた。
あぁ。情けないな。
アニキがおでこに貼ってくてた熱冷ましシートが気持ちいい。
「38.8度…、 まろ、暑い? 寒い?」
頭が冷えてきて、やっと聞き取れるようになってきた。
「…あ゛つ…い。」
思ったより声がかすれていて、びっくり。
ピ、という機械音とともに、冷たい風が振ってくる。
、いい感じ…。
「水飲む?」
コクッと頷くと、アニキが頭を支えてくれて、ペットボトルを傾けて飲ませてくれた。
少し飲んだら、「薬飲んで」というアニキの声といっしょに、口に薬を入れてくれて、また、ペットボトルを傾けて飲ませてくれた。
その後、額の汗をタオルで拭ってくれる。
ガンガンと頭痛がする。
だんだん、吐き気がしてきた。
眠気が襲ってくる。
だけど、寝たくない。
異変に気づいたのか、あにきが「寝ていいよ」と声をかけてくる。
でも、あにきがいなくなってほしくなくて置きていると、あにきの手が延びてきた。
そのまま両手で頬を優しく挟んだ。
「どこも行かんから、寝ろって言ってんの。熱高いんだから、無理しないで休むのが一番やで。」
あにきは真剣で、力強い目をしていた。
あにきの両手が気持ちいい。
冷たいけど、温かい、そんなあにきの手の温度に安心する。
そのまま頭を撫でられる。
「なんか、いっつも俺が甘やかされる側やし、まろはグループでもお兄ちゃんしてるんやけど、やっぱまろも俺にとっては弟やもんな」
あにきはくしゃっと小学生のように無邪気に笑う。
_あぁ。俺はこの笑顔に惚れたんだな。
どうも、それを聞いて安心したのか、わからないが、ぶわっと眠気が襲ってきた。
そのまま瞼を閉じると、あにきが「おやすみ」といったのを最後に俺は眠った。
次に目が覚めた時には、日が傾き始めていた。
結構寝たなと思いながら、起き上がって伸びをする。
さっきより体が軽い。
ベッドの脇でアニキが突っ伏すように寝ている。
サイドテーブルには、ラップが掛かっているリゾットが置かれていた。
俺が起きたことに気づいたのか、アニキはバッと起き上がる。
「…起こしちゃった?」
そう聞くとアニキは首を横に振った。
「まろ、食欲ある?」
「うん お腹すいたーん」
そうふわっと返事をすると、アニキは笑顔で、リゾットを温めに行った。
コメント
1件
読ませていただきました🌷 熱でぼんやりする「まろ」の視点がすごくリアルで、頭が働かない感じや、アニキの手の冷たさが気持ちいいっていう感覚の描き方が繊細で好きです。「冷たいけど、温かい」っていうアニキの手の温度の表現、心に残りました。 あと、「どこも行かんから」って言って看病するアニキの優しさと、最後にまろが「この笑顔に惚れたんだな」って気づく瞬間がじんわりきました。義兄弟の距離感が丁寧に紡がれていて、読後感が温かいです。続きも気になりますね🤍